出版社 : 岩波書店
大都会ニューヨークで、キャリーは認められて女優への道を歩み始め、大成功をおさめる。一方、ハーストウッドは、事業に失敗して、職さがしもままならず没落してゆき、キャリーとの溝は深まるばかりであった。そして労働争議に巻き込まれて自殺してしまう。現代アメリカ小説の出発を画した記念碑的作品。1900年刊。
全篇ことごとく神仙、狐、鬼、化け物、不思議な人間に関する話。中国・清初の作家蒲松齢(1640-1715)が民間伝承から取材、豊かな空想力と古典籍の教養を駆使した巧みな構成で、怪異の世界と人間の世界を交錯させながら写実的な小説にまさる「人間性」を見事に表現した中国怪異小説の傑作。今回、92篇を精選して新訳。
『ジーキル博士とハイド氏』の3年後に書かれたスティーヴンスン(1850-94)の長篇歴史小説。時代は18世紀の初頭、スコットランドの名門バラントレー家の世継ジェームスとその弟ヘンリーの凄まじい確執の物語。凶悪な兄と善人の弟の生涯をかけた争いが、スコットランド、イングランド、さらにアメリカの地で展開されるうちに……。
「エリック、なんて変ったんでしょう」ともに少年期を過ごした館に帰り着いたエリック、コンラートのふたりを迎えたのはコンラートの姉ソフィーだった。第一次世界大戦とロシア革命の動乱期、バルト海沿岸地方の混乱を背景に3人の男女と愛と死のドラマが展開する。フランスの女流作家ユルスナール(1903-87)の傑作。
東京から北越の温泉に出かけた「私」は、ふとしたことから、「繁華な美しい町」に足を踏みいれる。すると、そこに突如人間の姿をした猫の大集団が…。詩集『青猫』の感覚と詩情をもって書かれたこの「猫町」(1935)をはじめ、幼想風の短篇、散文詩、随筆18篇を収録。前衛詩人としての朔太郎(1886-1942)の面目が遺憾なく発揮された小品集。
バースの女房の話 托鉢僧の話 召喚吏の話 学僧の物語 貿易商人の話 近習の物語 郷士の物語 医者の物語 免罪符売りの話 船長の話 尼僧院長の物語 トパス卿の話 メリベウスの物語 訳 注
ドアの由来 ハイド氏を探せ 泰然としたジーキル博士 カルー殺害事件 手 紙 の 話 ラニョン博士の身に生じたこと 窓辺の出来事 最 後 の 夜 ラニョン博士の手記 本事件に関するヘンリー・ジーキルの完全な陳述書 略 年 譜 あとがき 訳 注
李 陵 弟 子 名 人 伝 山 月 記 文 字 禍 悟浄出世 悟浄歎異 環 礁 寂しい島 夾竹桃の家の女 ナポレオン 真 昼 マリヤン 風物抄 牛 人 狼 疾 記 斗南先生 解 説 註 初出一覧