出版社 : 幻冬舎
経済を発展させ社会貢献を行うはずの銀行による信じられない暴挙。冷酷とも思えるその動きには依然として黒い策略が見え隠れしていた。金融機関と中小企業の攻防をリアルな筆致で描いた社会派小説。
これは、捨てる!あれも…捨てる?溢れかえる洋服、本、フィギュア、溜め込んだ非常食、密かに隠した写真に手紙…。他人事ではありません!身内の身の回りを“断捨離”しようとする人たちの、右往左往に大共感の連作小説。
「ワぁ、ゴッホになるッ!」1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。しかし、絵を教えてくれる師も、画材を買うお金もない。その上、弱視のせいで遠近感をうまく表現できず、帝展に落ち続ける日々。そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。「板画」が引き金となり、棟方は日本の、世界の版画界を劇的に変えていく。棟方と苦楽を共し、支えた妻・チヤ。無尽の愛と激動の時代を描く、待望の書き下ろしアート小説。
天国で何不自由なく暮らしているトオルのもとに舞い込んできた、人生やり直しのチャンス。死に別れた最愛の妻に指輪を手渡すべく、GTRを賭けた「禁断のクイズ大会」に参加することにートオルは無事に元の世界へ戻ることができるのか。そして、最後に明かされる衝撃の事実とは。表題作「GTR(天使のように僕は死んだ)」ほか、ユーモアたっぷりな全4編を収録。
高校を卒業して11年。あさみは、電力会社に勤める山川と婚約した。プレイボーイ越前に恋焦がれていたが、誠実な山川を選んだのだ。しかし女子高時代からの友人理緒子が山川に無理やり会ったことから、あさみの幸福な人生は波乱に巻き込まれていく。
恋も、涙も、事件の答えもーー。ぜんぶ”音楽”が教えてくれた。 東大卒、現役アイドルプロデューサー兼作詞作曲家。 異色の経歴を持つ著者がおくる、衝撃のデビュー作。 二人の別の人間が、偶然全く同じ音楽を作ることがあるのだろうか? 音楽プロデューサーの渋谷かえでが、ある仕事の相談のために大学の恩師を尋ねると、逆に奇妙な相談をされてしまった。今、日本で屈指の実力を誇る音楽家「蜂谷輪廻」。彼の新曲『恋の作法』が、教授が子供の頃に作った曲と瓜二つだというのだ。教授の知人として紹介された天才作詞家・猫宮と共に、盗作疑惑の真偽を調べることに。教授の勘違いだろうと思っていたかえでだったが、次第に蜂谷の盗作である根拠が明らかになっていくーー。アイドルの失踪騒動 、デビューの意思を持たない天才ストリートシンガー……。音楽を愛する全ての人におくる、音楽業界連作ミステリー。
私生児として生まれた優輔は、医学部在学中に立て続けに両親を失う。愛情を注いでくれた父と母を亡くし、孤独を抱えて亜矢子と被災地を旅するうちに、別れがたい絆で結ばれていく。優輔と亜矢子はそれぞれの肉親のもとにたどり着けるのかー。
老舗和菓子屋の先代社長の不審死をきっかけに、葛城光一は語られざる古代史の世界に迫る。個性豊かな仲間と共に真相を求めて日本各地を巡る中、光一を阻む謎の人物がいて…。予測不能な展開に息を飲むエンタメ・サスペンス小説!
親子の絆が悲しき結末を生む!戦国時代より徳川家に仕えた佐久田真治郎を父にもつ銀次。台風の影響で伊豆半島の西海岸にガレオン船が漂着したことから、悲しき戦いへと巻き込まれていく冒険活劇小説。
外資系企業を役員まで勤め上げ、定年を迎えた鬼頭昭雄。会社を離れると、誰からも声をかけられない。妻とは離婚し、一人息子がいるも不仲…。そんな世間から“忘れられた人”となった鬼頭が旧知の社長から声をかけられ入社したのは大阪の町工場であった。技術力がある故、大企業から狙われ、町工場に刺客が放たれるも鬼頭や町工場の仲間たちが持ち前の知識を活かして立ち向かっていく。
「薔薇が咲き始めます」20年前に突如姿を消した友人からの謎めいた手紙に誘われ、たどり着いたのは薔薇の咲き誇る庭。溢れる色彩と香りの中で、止まっていた時が狂おしく動きはじめる。2人の女性と薔薇が交差し、紡がれる物語。
彼女を愛することには、「死」の影が付きまとう。美しい彼女に出会った瞬間、人生は一変した。自分の幸福とは何か、全てを投げうってでも手に入れるべきなのか。それでもただ愛し合い、愛されることだけを求めた男女の奇妙で純粋な愛の物語。
おしゃべりがうまくできずに学校に行けないネムは、子犬のジドといつも一緒。村の人たちは、獲物一匹取ってこないジドのことを「役立たず」といった。「息子に手がかかるのに、あんな犬までかかえたんじゃ、さぞたいへんだろうよ。」でも、ジドにはひみつがある。耳を羽のように動かして、空をとぶことができるのだ。ある日、空とぶ犬のうわさを聞きつけた村の旦那が、ネムの元にやってきてー表題作「ネムとジド」ほか、優しく沁みこんでいく全5編の物語。
三年勤めた会社を辞めて故郷の田舎町に戻ってきた青年・佑。小さな郵便局でアルバイトを始め、忙しくも充実した日々が始まった。ある日、父の遺品整理をしていた佑は、謎の女性から宛てられた手紙を見つける。それから30年の時が経ち明らかになった、父の知られざる過去とはー世代を超えて繋がる人間模様と慈愛の心を、みずみずしい筆致でとらえた感動作。
とある老舗ホテルのフレンチレストラン。差し向かいで食事する「僕」と「彼女」はアロマエステで出逢った。生真面目で不器用そうだがワインや料理に造詣が深く、豊かな知性と教養を感じさせる彼女に「僕」は強く惹かれ、逢瀬を重ねようとするがー。現代の恋を古語で味わう新感覚文学。
拒食症に陥った彼女の苦悩と葛藤の日々…。食べ物の前ではただ黙ってひれ伏し、服従するしかない。その頑なな心を溶かしたのは、理想の彼との出会いだった。いつも一人で我慢して、いつも一人で頑張ってしまう女性たちにエールを贈る物語。
子供の頃から太平洋を旅してきた亜美は、最近ある夢を見る。それに導かれるようにパラオを訪ねた亜美を待っていたのは、両親が残したメッセージだった。父からの手紙や戦時下を生きた兵士たちの足跡、残された糸を手繰り寄せるうちに、亜美は隠されていた歴史の真実に触れ、自分自身の前世を辿ることになるー。