出版社 : 幻冬舎
児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。これは単なる偶然か? 第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
「ゴビラサ……」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手・凜を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む!
「コンペニー」「コルポレーション」「バンク」を創り、新たな国家システムを構築した“富国共栄”の設計者・渋谷栄一。「経済の平和は民心の平和に基を置かねばならぬ」ことを信じた男の発想力、行動力の源泉とは何だったのか?現代社会にも通じる混乱と閉塞を駆遂し、改革を断行した不世出の経済人の生涯を描き切る歴史巨編。
当麻鉄彦は、大学病院を飛び出したアウトサイダーの医師。国内外で腕を磨き一流の外科医となった彼は、琵琶湖のほとりの民間病院で難手術に挑み患者達の命を救っていく。折しも、大量吐血して瀕死の状態となった「エホバの証人」の少女が担ぎ込まれる。信条により両親は輸血を拒否。一滴の輸血も許されない状況で、果たして手術は成功するのか。
七十五歳になる周作は、真珠湾攻撃から五十年の節目に、戦友の早瀬、栗城とともにハワイへ向かった。終わらない青春を抱えて生きる男。その男を生涯愛しぬいた女の死。人生の輝かしい一瞬を求めて、男ははばたく。感動の長編小説。
暴力団組長の子供ばかりを狙った猟奇殺人が発生。捜査を任されたのは、かつて未成年の容疑者を射殺して警察を追われた〈狂犬〉と恐れられる元刑事だった。大沢ハードボイルドの新たなる代表作。
新宿に厳戒令。中国人マフィアと暴力団の全面戦争が始まった!殺された組長の子供は、口に携帯電話を押し込まれていた。中国人の仕業だと暴走した暴力団員、血染めの応酬をする中国人マフィア、緊急配備につく機動隊…。ついに警察庁の女性キャリア刑事は、<狂犬>に禁じ手の拳銃の使用を許可した。…神よ、あなたは一体何人死ねば許すのか?
進学校である松山東高校になんとか入学した悦子は、女子ボート部を設立し、初心者ばかりの仲間を集め、エネルギーをボートに注ぐ。「自分の居場所」を見つけ、張り切る悦子だったが、貧血と腰痛に見舞われ、大事な大会直前、ボートが漕げなくなってしまう。若さゆえの焦燥、挫折、淡い恋心・・・。「あの頃」を切ないまでに鮮烈に描く傑作青春小説。
失踪を続けていた聡志は笙一郎の前に現れ、事件の真相と姉への思いを語り出すが、再度警察から逃走を図り交通事故に遭う。病院で聡志に会った優希は長年抱えてきた秘密を告白し始めるが……。
三つの無垢なる魂に最後の審判の時が訪れる??。十七年前の「聖なる事件」、その霧に包まれた霊峰に潜んでいた衝撃の真実とは?〈救いなき現在〉の生の復活を描く無類の名作、感動の最終章!
十七年後、優希は看護婦に、少年は弁護士・長瀬笙一郎と刑事・有沢梁平になっていた。再会直後、優希の過去を探る弟の行動と周囲に起きた殺人事件により彼女の平穏な日々は終わりを迎える……。