出版社 : 彩流社
独裁政治の暗い時代に芽吹きつつあった民主(あるいは民衆)詩人の魁となった金洙暎と金春洙。そして二人の後を受けた高銀は、民主化運動に身を投じ、韓国民主詩人の系譜を創り上げた。清冽な詩情とたくましい詩魂が表出する戦後の韓国を代表する詩人の傑作選集。
イヌイットの青年アガグックは堕落していく部族に我慢できず、白人毛皮商人を殺し、村を出る。今世紀初頭の先住民を描いたこの小説は、サスペンス、大自然との闘い、浸食される文化、生き残り、とカナダ文学の特徴的なテーマを既に満載している。
カナダのベストセラー作家が、生まれ育った北部アルバータ州(かつてカナダで史上最低気温、摂氏零下61度を記録した地域として知られる)の小さな村での思い出ーー父子二代にわたる先住民との交流、友情と別れーーを、自伝風に綴った破天荒な「サバイバル文学」
『チャタレー』には三つの作品があった…。ワイセツ論争で騒がれているとき、ロレンスは「森番」を共産主義者で、階級的憎悪が一番激しく、全編にわたって方言を使う人物に設定した『初稿』を出版しようと考えていた…。詳細な「解題」「文献」付。
あの人もこの人もみんなDNAのせい? 人生いろいろーー摩訶不思議な「人」という生物。「人生は喜劇であると同時に悲劇でもある」「趣味は人間ウォッチング」という赤羽センセイによる書き下ろし「人間観察のススメ」が1冊になった。人は人がいないと生きてはいけない。泣ける本もいいけど笑える本はもっといい。アナタの近くにもこんな人いますよね。誰かのことを思い描いてクスクス笑いながら読んでください(しかし、立ち読みはお断りします)。アナタの周りの、こんな人あんな人……だから人間やめられません。笑い話にホラ話、いま流行りのウンチク話、そして忘れてならない「ムダ話」。ゲラゲラ笑えるわけでもなく他人に自慢できるわけでもない話。ちょっぴりおかしく悲しい話。無駄話を書くほうも読むほうも、無駄といえばこんな無駄(贅沢)な時間の過ごし方はない。だけど、なんでいままでなかったのだろう?→こんな「エセノベル(似非小説)」。
『ヴィレット』再読への招待! 毀誉褒貶の激しい評価を受け続けた『ヴィレット』とは如何なる作品か!? 『ジェイン・エア』に勝るとも劣らない名作との再評価が高まる作品の魅力に多角的に迫る。 ●収録目次──まえがき (白井義昭) 1 『ヴィレット』の一五〇年ーー『ヴィレット』批評史のまとめ(泉忠司) 2 『ヴィレット』、統計的構造分析による主題の解明 (大野龍浩) 3 嵐と死を呼び寄せる船「ポールとヴィルジニー号」--『ヴィレット』における引用の織物(鈴木美津子) 4 ヒロインはだれかーー揺らぐベクトル (白井義昭)
その愛は肉体を貪る愛だ。東京とパリという距離が、愛をより激しくかき立てる。…世紀末の「HANA-BI」と〈厚底族〉時代の日本(神楽坂・飯田橋・市ヶ谷・根岸)を舞台に、フランス人女性の愛と孤独の日々を赤裸々に綴った詩的ロマン!
ポルトガルの作家で領事でもあったモラエスが愛したふたりの日本人女性への追慕の情を通して描く大正期のニッポン……徳島の人々との暮らしのなかで感じたこと、考えたことを見事に文学に結晶した傑作の増補改訂版 コハル おヨネだろうか…コハルだろうか… 正午の号砲(またもやコハル) 祭日のごちそう 日本の三人心中 日本の異国情調 潮音寺の墓地のごみため 着物? それともお金?-着物 久松は家にいません 無 臭 半分のバナナ ある散歩での感想 風景を最後にひと目 夢をみて 敦盛の墓 笑ったり泣いたり 私の追慕の園で ある日本の諺 訳者解説 「おヨネとコハル」について ヴェンセスラウ・デ・モラエスについて 増補・「おヨネとコハル」の新しい読み方
18世紀後半のアイルランドー政略結婚が渦巻く時代、ふたりの美しい貴婦人が自由を求めてウェールズに逃走した。高い教養を身につけたふたりは、“レイディーズ”と敬われ、“ノブレス・オブリージ”を体現した心豊かな生活を五十年間送る。自ら工夫した見事なインテリアで満たした住まい、数千にのぼる蔵書、表敬訪問に訪れる文人、政治家、貴族たち…。英国フェミニズムの黎明期に、地位と名誉を棄て、自立の夢を果たし、精神の貴婦人となった女性の物語。