出版社 : 徳間書店
新幹線の車中で男が死亡した。ポケットからはアカベと呼ばれる真っ赤な花と湯山仁三郎という弁護士の名刺が。アカベはかつて流人の島だった南海の孤島・恩根島のみに咲き、咲くと島に不幸がもたらされるという。偶然隣に座っていた弁護士の中原正弘は「早くしないと妹も…」という男のメッセージを手がかりに、秘書の京子とともに恩根島へ向かったが、余所者の二人に島民の口は固く…。
佃新地にある女郎屋の主人からの報せで、偽小判を使った正体不明の男を追っていた北町奉行所の隠密廻り同心・鏑木十左。が、男は殺されてしまった。下手人たちが持っていた提灯に浮かび上がった丸に十文字の紋様から、現将軍の御台所・篤姫の実家である薩摩藩の影が浮かび上がる。それを老中・松平定信に報告するも、意外な返事に十左は…。
心の中に抱えた秘密。言ってしまったら取り返しのつかなくなるような言葉。いまなら、言えるんじゃないのかー。コインロッカーに衣装を預けて複数人格を楽しむ17歳の女子高生さちみ。ロリィタ服趣味をひた隠しにしつつそろそろ結婚もしたい、プチお局の29歳OLリョウコ。“それ”をカミングアウトしたとき、自分は、周囲は、どう変わる?ストレス解消、すっきりエンタメ。
迷子の親探しにいったまま、奈美が戻ってこないー誘拐か?旅行先で国分は青ざめた。空港や観光街で撮ったビデオに映る、奈美に視線を這わす男。予感は確信に変わった!国分は奈美の兄マモル、探偵の蓮見と手分けして探し始めた。事件の糸口を掴んだ蓮見は二人に連絡を取ろうとするが…。蓮見の行方、マモルの決意、国分に迫る影、奈美の生死は?息つく間もないシーンの連続。
与惣次行きつけの居酒屋に忘れられた風呂敷包み。中には位牌と骨壼、それに十両もの金が。最近馴染みになった老人・吉助が置いていったのだ。経緯を聞いた宗徳は与惣次を連れて吉助の住居を訪れたが、すでに引き払われていた。長屋の住人の話では、一緒に暮らしていた女が流行病で亡くなったという。そのとき突然、紀州犬の豪の吠え声が響いた。見ると袴姿の若侍が逃げてゆく背中が…。
空自のイーグルドライバー・鏡黒羽は、女優である双子の妹と間違われ、何者かにスタンガンで気絶させられた。目覚めると、そこは非政府組織“平和の翼”のチャーター機の中だったー。「偉大なる首領様」への貢物として、北朝鮮に拉致された黒羽は、日本の“青少年平和訪問団”の幼い命を救い、脱出できるのか!?祖父から継いだ天才の血がついに…。かつてなきパイロットアクション。超人気シリーズ完結篇。
わたしの名前は佐倉すみれ。静岡の田舎から上京した32歳の独身女。ある日、わたしはDEEP SEAというバンドと衝撃的な出会いを果たし、彼らを育てるために勤めていた大手レコード会社を退社。そして、夢を追ってインディーズのレコード会社を立ち上げた。そう、今日からわたしは女社長。ところが、人生は甘くなかったのだ。仕事優先で放置気味だった恋人の亮からは突然の「バイバイ」メールがくるわ、人生をかけたバンドがライブ当日に会場に現れないわ…。これって、どういうこと!?仕事、恋愛、友情、父娘関係…すべてに必死。おもしろキャラ続出で、笑って泣ける“超爽快”ジェットコースター小説。
宵闇の新宿。雑踏に色とりどりの風船が浮かび、そして爆発した!「十二神将」を名乗る爆弾テロリストのそれが東京への宣戦布告だった。さらに浅草寺、六本木ヒルズ、新丸ビルが標的になる。「怒れる神々」と称する犯人の「怒り」の矛先とは?東京が騒然とする中、一人のペルー国家警察テロ対策本部捜査官が新神戸駅に降り立った…。一躍注目のクライシス・ノベル作家が放つ「心に爆弾を抱えた者たち」。
浴室に転がった孝の生首が、貴子を見上げていた。「いゃあっ!」。貴子は悲鳴を上げ、生首を蹴り上げた。「お父さん!」。優太が、赤い飛沫を上げながら排水口に転がる生首を慌てて拾い上げた。-死体の解体を終えた貴子は最後の足をゴミ袋に詰めた。手伝わされた優太は完全に壊れていた。この場で繰り広げられている地獄絵図は、富永の存在なしには起こり得るはずがなかった。洗脳、私刑、殺人、死体解体そして驚愕のラスト。
旅先で出会ったばかりの男。完璧な妻と言われつづけた彼女は、その前で黒いショーツを脱いでいく/通勤の電車内。彼のズボンの膨らみに女の手が押し当てられた。女はしかも、社内の派遣OLではないか/どの女のお肉にもまだ入れたことないの?訊ねる年上の人の声がかすれていた…女の性は得体知れずの底知れず。現代&時代官能のダブル興奮。絶好調『禁書』シリーズふたたび。
幕末に京都を震え上がらせた新選組の隊士・沖田総司は、子どもと鬼ごっこをしていた。殺戮の場で、牙を剥いた悲愴な狼が、幼子のように無垢だった。人を斬った翌日は、血の臭いを振り払うために戯れるのだ。そこへ美しい娘が現れ、総司は魅入ってしまう。天然理心流の剣が何より大事であったが、胸は高鳴るばかり。が、労咳に冒された総司は、ただ、娘の額に口づけしかできなかった…。
直参旗本にして大目付の父の代理で、浅草にある饅頭屋の息子の祝言に列席した大河内右京。式の最中、芝で起きた殺しの嫌疑で、その息子がしょっぴかれた。右京が事件の真相を調べ始めると、最近、父・政盛が懸念していた薩摩藩の怪しげな動向に繋がった。結婚したばかりの妻・綾音を連れて、遠く薩摩へ乗り込んだ右京を待ちかまえていたのはー。
東の坂東の地で、阿高と、同い年の叔父藤太は双子のように十七まで育った。だがある夜、蝦夷たちが来て阿高に告げた…あなたは私たちの巫女、火の女神チキサニの生まれ変わりだ、と。母の面影に惹かれ蝦夷の地へ去った阿高を追う藤太たちが見たものは…?“闇”の女神が地上に残した最後の勾玉を受け継いだ少年の数奇な運命を描く、日本のファンタジーの金字塔「勾玉三部作」第三巻。
西の長岡の都では、物の怪が跳梁し、皇太子が病んでいた。「東から勾玉を持つ天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに胸を痛める十五歳の皇女苑上。兄と弟を守るため、「都に近づくさらなる災厄」に立ち向かおうとした苑上が出会ったのは…?神代から伝わる“輝”と“闇”の力の最後の出会いとその輝きを、きらびやかに描きだす、「勾玉三部作」のフィナーレを飾る一冊。
同年同日生まれの志村雅江と畑中英理佳は、子どもの頃、双子のようにいつまでも仲良しでいようね、と誓い合った。それから19年。ずっと音信不通だった2人は、運命の糸に導かれるようにして、殺人事件の法廷で再会した。一方は裁く側の人間、他方は裁かれる側の人間としてー。裁判の行方は?そして2人は…?裁判員裁判ミステリーの傑作、書下し。
廃線が決定したローカル鉄道を救いたいと、退職した上に会社を創ってまで田舎町にやって来た三人組ー才色兼備でMBA取得の女性ミュージシャン、良心的な融資を誇りにしてきた元銀行支店長、そして鉄道オタクのリタイア官僚。最初は戸惑っていた町民たちも、次々繰り出される彼らの奇抜な計画に、気づけばすっかり乗せられて。なぜか再建を渋る町長の重い腰は、果たして上がるのか。