出版社 : 徳間書店
本名、年齢不詳。凄腕のボディガード・キリは、ニュージーランド在住のフィッシングガイド、トマス・リーから警護を依頼された。指定されたホテルに到着すると、頭上で爆発音が起こった。現場はリーと待ち合わせた二階レストラン。目の前で依頼人が爆死したのだ。そこへ大物フィクサー・睦月が現れ、リーの死の真相について調査を依頼される。リーの正体はかつて睦月のパートナーだった増本貢介で、生前「自分は呪われている」と話していたという。増本は呪殺されたのか!?ノンストップ・ハードボイルド“ボディガード・キリ”シリーズ第二弾!
数多の戦場を駆け抜け“死に狂い”と恐れられたユキムラ・クジョウは、故郷の命により聖剣の勇者一行の魔王討伐に参加させられていた。そんなある日、魔王の軍勢を退けたところで勇者から突如としてクビを宣告されてしまう。しかし、懲りずに「さっさと大将首でも取るか」と考えたユキムラは、どこか間違った思いのまま魔王城へ単身殴り込み、勝手に魔王を討ち滅ぼしてしまった!?そして、使命を果した彼は故郷に戻らず、自由な生活を謳歌しようとするのだが…。“死に狂い”に平和など似合わない、魔王が消えた世界で新たな脅威を“斬り”拓く!
天橋立近くの浜で男の溺死体が発見された。右横腹に古い銃創、顔には整形手術のあとが残されており、死の数日前、若狭湾冠島周辺の海面をドローンで撮影する姿が目撃されていた…。そんな折り、十津川警部が舞鶴警察署を訪れる。東京月島で五年前に起きた銃撃事件に、溺死した男が関わっていた可能性があるという。捜査が進むにつれ、昭和二十年八月、オランダ女王の財宝などを積載した第二氷川丸が若狭湾で自沈した事実が判明し、その財宝にかかわる謎の団体の存在に行き当たったのだが…!?長篇ミステリー。
遠州白須賀宿に愛しいきぬを残し、加賀百万石の城下・金沢へ隠密の旅に出た佐久間音次郎。だが、金沢で落ち合うはずの公儀お庭番・村垣重秀は、何者かに捕らわれたという。北の大藩で何が起きているというのか。一方、お庭番の詮索を嫌い亡き者にしようと江戸表から放たれた二人の男が、音次郎たちに迫り来る…。実戦剣法東軍流の剣客が愛刀・左近国綱を手に悪を斬る!
井戸警部の夢の中に、六年前に自殺した身元不明の女性が現れた。その直後に起きた殺人事件の被害者は、夢に出てきた女性にそっくりだった(「死者は瓜二つ」)。直美は、何度も自殺を繰り返すが、偶然に救われていた。そんなとき、彼女の娘がひき逃げに遭い、死亡する。捜査に乗り出した久我山署の刑事たちは…(「死にたがる女」)。長年の経験を活かした刑事たちの推理が冴える傑作五篇。
先手鉄炮組与力・宇佐見伸介は、大川端での火盗改の捕物の首尾が、お忍びの将軍・吉宗の目に留まり、お目見えのうえ業物の鉄砲を拝領する栄誉に浴した。日々のお勤めに戻った伸介は、南町奉行所の笠原彦四郎を通じて秦野諌山という兵学者を知る。立て続けに浪人者が辻斬りに遭った事件と諌山の学塾との関わりが次第に浮かび上がり、不穏な陰謀の影が伸介の前に立ちはだかった。
腕は確かだが難物ばかりが揃う浅草東署。その署で任に当たる新海悟には、二人の親友がいる。テキ屋・瀬川藤太と政治家秘書・坂崎和馬だ。ある日、新海が「三度目の、正直」の言葉と共に撃たれた。犯人を追って奔走する瀬川と坂崎だったが、それぞれにヤクザの跡目、政治家として出馬という人生の選択が訪れる。そして、その選択が友を救う障壁となり…。シリーズ第三弾!書下し。
殺し屋に家族を殺され、独り生き残った少女は復讐を誓う。犯人にたどり着く手がかりはタンゴとシェイクスピア。東京とブエノスアイレスを舞台に、“ロミオ”と“ハムレット”の壮絶な闘いが幕を開ける。アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた復讐劇はどこへ向かうのか?タンゴのリズムに乗せて破滅へとひた走る、切なく痛ましい殺し屋たちの宿命。圧巻のノンストップ・ノワール。
この世には勝者と敗者しかいない。あらゆる策を弄して自分は勝者になるー幼時に両親を失いアルバイト生活を送る早川吾郎は、新聞・テレビ界を牛耳る“マスコミの帝王”五味大造を叩き潰すことを決意する。手始めに五味の愛娘・奈美子に近付き、背後にうごめく疑惑を探ることに。手を変え品を変えて五味を罠にかける早川、反撃に転じる五味。手に汗握る死闘の行方は!謎とサスペンス満載の傑作長篇!初期代表作!
辻斬りまがいの所業を繰り返している同心がいる!?南町奉行所に投げ文が届いた。笠井半蔵は、旧知の内与力から依頼を受け、真相を探ることに。果たして、同心の目的とは?愛妻の制止を振り切り、事件に深入りする半蔵の前に強敵・三村兄弟が立ちはだかるー。一方、矢部定謙のもとには南町奉行の座を虎視眈々と狙う悪しき影が忍び寄っていた。時代剣戟の好評シリーズ第五弾。
HOW=不可能な謎専門の御殿場倒理。WHY=不可解な謎専門の片無氷雨。密室事件と思いきや壁には巨大な穴が開けられていた。犯人の目的とは?(「穴の開いた密室」)トンネルに入った女子高生が忽然と姿を消した。彼女は一体どこへ?(「消える少女追う少女」)など全6篇収録。俺たちには、まだ解いていない不可能で不可解な謎がある。
人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻まれコンクリート詰めにされ埋められた。血を分けた娘と、その恋人によって…。その残虐性から世間を震撼させた『文京区両親強盗殺人事件』から18年後。事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の真実とは!?極上のイヤミス長篇。
三年半ぶりに日本の地を踏んだ復員兵の貝塚透馬は、衝撃の事実を知らされる。空襲を逃れ軽井沢の山荘に疎開していた両親が、ピストルを持った強盗に撃ち殺されたというのだ。犯人は未だ捕まっておらず、遺体の第一発見者であるメイドの八重は事件後、姿を消した。両親を殺したのは誰なのか。東京で八重の捜索を開始した透馬だったが、フランス留学時代の旧友、恵理子に再会したことで思わぬ事態に巻き込まれていくー。事件の裏に見え隠れする、ナチスの隠し財産をめぐる恐るべき国際謀略とは!?
戦国の覇者にして、第六天魔王とまで呼ばれるほどの苛烈な武将として恐れられた織田信長。尾張は、周囲を強大な勢力に囲まれ、いつ呑み込まれてもおかしくはない。それどころか国内も四分五裂。父・信秀の急逝で若くして継いだ織田弾正忠家の家督は、弟・信勝との諍いが起きるなど内憂外官の様を呈していた。そんな中で信長は、戦国の生き地獄をなんとしてもつくりかえるという熱き理想に燃え、常識にとらわれず、既得権益をものともしない領国経営を目指すゆえに「大うつけ」と呼ばれる。破天荒な言動は、自分がつくりあげたい理想の世の中=奪わず、殺し合わなくてもよい世の中「天下静謐」を実現するためだった。熱血の信長の若き日々。長篇戦国歴史ロマンここに登場!
「…しん、おう…まる、盗まれた、んです」。事件を科学的に解明すべく設けられた行動科学課に、真夜中にかかって来た一本の電話。悪戯の可能性を疑うが、何かが引っかかる。同日、死体が雑居ビルで見つかった。電話との関連性はー。美人検屍官・一柳清香、ジオラマで現場を再現する3D捜査官・浦島孝太郎、声から犯人像を絞り込む音解捜査官・日高利久が美にとり憑かれた者に挑む!
「旅と歴史」の依頼で長野県中野市に向かったフリーカメラマンの小内美由紀は、自分と同じ姓に魅かれて、小内八幡神社を訪れる。そこで、全国の八幡社に参っているという飯島老人と知り合い、別れ際、奇妙な言葉をかけられる。その一か月後、飯島の死体が秋田県・竹嶋潟で発見されたのだ!?被害者が浅見光彦の姪・智美の担任教師の父親であったことから、浅見が事件にかかわることに…。
秋田で殺された飯島老人は、なぜ各地の八幡神社を巡っていたのか?浅見光彦は秋田、広島、兵庫、熊本と老人の軌跡を追い、その半生と決して癒えることのない戦争の傷痕を知る。一方、美由紀の婚約者で高知に赴任していた文部官僚・松浦勇樹の周辺で不可解な事件が次々と起こり…。事件の真相を求め高知に飛んだ浅見を待ち受けていたものは!?壮大な構想で描く渾身の傑作巨篇!
休日は必ず息子の友彦を連れ、調布飛行場へ行き、ぼんやりと過ごす三井田久志。実は彼はジェット旅客機のパイロットだったのだが、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声をラジオで聞いて、愕然とする。それは、息子を置いたまま、蒸発した妻の声だった。彼は、息子を隣人に預け、妻の行方を捜そうとする。
浅草東署には、やり手だが曲者の刑事が集まっている。新海悟もその一人だ。ある日、小学校以来の友人で政治家秘書官の坂崎和馬から電話が。最近、衆議院議員の父の様子がおかしいというのだ。新海は、同じく旧友でテキ屋の瀬川藤太に協力を求める。調査を進めると、そこには予想外のスキャンダルが待ち構えていたー。果たして、三人の友は事件を解決へと導けるのか!?