出版社 : 徳間書店
超大河シリーズ、完結記念! 同人誌等に掲載された外伝短篇を一挙お蔵 だし&書下し短篇もあり! また巻末には著 者ロング・インタビューも収録。 オーラバ・ファン、必携の書! この本は、これまでのハイスクール・オー ラバスターのなかでいちばん風変わりな本か もしれません。 《中略》……どの話も本編にとって脈々たる 暗渠であり、たいせつな歴史である、という つもりで、本書のタイトルを『アンダーワー ルド・クロニクル』と定めました。 --「あとがき」より 執筆32年の大河シリーズ 完結記念、特別編集本! 同人誌等に掲載された外伝短篇を一挙お蔵 だし&書下し短篇もあり! また巻末には著 者ロング・インタビューも収録。 オーラバ・ファン、必携の書! 目次 RED RED ROSES 夜間飛行 vol de nuit fragments 2011 The Prophets ありふれた晩餐 metro 魔法を信じるかい? siesta pieces of 30th 未収録SS Before The Judgement スリー・ストーリーズ 《ハイスクール・オーラバスター》完結記念 若木未生インタビュー あとがき
松本市内の空き屋から男の撲殺死体が発見された。被害者は市内で洋品店を経営する麻倉光信。登山に行くと言い残して車で出かけたという。ほどなく塩尻峠の近くで麻倉の車が発見されたが、後部座席には女の絞殺死体が!?一方、松本市内で詐欺事件を起こして富山刑務所に服役していた桜田竹利は模範囚として出所を目前にしながら逃走した。キャンプ場などから食料や衣類を盗みながら、松本を目指しているような痕跡が…。松本・塩尻・白骨温泉で交差した殺意の行方は?道原伝吉の活躍を描く書下し長篇推理。
2001年『五年の梅』で山本周五郎賞、02年『生きる』で直木三十五賞、04年『武家用心集』で中山義秀文学賞、13年『脊梁山脈』で大佛次郎賞を受賞。1年年『『太陽は気を失う』で芸術選奨文部科学大臣賞、17年『ロゴスの市』で島清恋愛文学賞を受賞。 あらゆる賞を総なめにしてきた名手が描く美しい本! 戦後、浮浪児だった男が主人公。画家の養子となり、装幀家になる。多くの女性と出会い、別れ……。名手が紡ぐ「一人の男」 「死んだ伯父さんが言ってた。汚いものばかり見ていると目も汚れる。そんなときこそ、美しいものを探せって」神木が画家に出会ったときのその言葉が、彼の運命を変えた。 神木は忘れなかった。女性を愛し、芸術を愛しながら、浮浪児の孤独だけは忘れずにいたので、ときおり、自家中毒を起こした。 神木(こうのぎ)は、戦後、浮浪児から、画家だった養父に拾われ、「養子となった。芸大在学中、養父が死去。 全くの一人になった男が辿った道筋とは。出版社の装幀部に勤めていたが、その後、川崎にバーを経営。魅力的な女性と出会い、別れる。名手が書き下ろす一人の男の人生。 「変に優しいのよね。けっこう優しく裏切る」 彼は優しい男のまま別れようとしていた。人の人生までねじ曲げるような乱暴は好まなくなっていた。女は気を失うような刺激に飢えていたのだと思った。今の女には安堵の色が見えていた。 「私が男の人に真実を期待しすぎるのかしら、それとも男の人が私に真実を期待しないのかしら」ニューカレドニア生まれのマリエは神木の経営するバーに咲いた花だったが、とことん男を見る目がなかった。男に裏切られてきた女が見出したのは。 逗子に住む富豪夫人・漆原市子の画集装幀を依頼される。 「描いている間の自由を愉しみ、どうにか平常心を保ってきたのです。私の絵は窮屈な現実との闘いであり、逃避でもあります。ここが私の全世界」 「動機はなんであれ、突き進むのが芸術です」 戦争孤児で浮浪児だった神木は、軌跡的な出会いで、画家の養父に拾われた。浮浪児だった時、清潔な下着や靴下、自分たちを案じてくれる人の目、親の抱擁と言った温かいものに飢えていた神木は、美しいものにもそれに代わる力があるのに気づいて癒やされた。 終わりを感じる体と精神になって人生を見失い、もう一度性根を据えてなにかに懸けてみようと考えたとき、神木には美しい本をつくることしかできそうになかった。 「パリだけがフランスでないように、東京だけが日本でもない、人はその人に向いている土地というのがあるのかもしれない。そこに行き着くためにいろいろやって生きてきたような気さえする」 神木は美しい本を求め続ける。 「十年後に見ても美しいものが本物だろう、ここからが私の闘いで、愉しみなが身を削ることにもなる」
江戸後期、弘化年間。金吾は石見国大森銀山にやって来た。大森代官・岩田鍬三郎の身辺を探るためだ。代官所の中間として働き始めた金吾だが、そこで待っていたのは銀山を支えるため懸命に生きる人々との出会い。命の危険にさらされながら間歩の中で鉱石を採掘する掘子、重い荷を運び母と妹を養う少年、世を憎み、酒浸りの日々を送る僧侶。そして彼らを慈悲深く見守る岩田…。さまざまな思いに触れ、金吾はいつしか彼らに魅せられていく。産み出された良質で大量の銀が世界経済を動かし、「銀鉱山の王国」と呼ばれた石見銀山。常に危険と隣り合わせで働く名もなき掘子たちの生きざまを活写した歴史群像。
次郎長一家に突然やって来た旅の博徒、皐月雨の晋八。森の石松を窮地から救ったのが縁で、一家に草鞋を脱ぐことになった。素性を問われても笑顔でかわすばかり。不気味だが、とにかく腕は立つ。折しも、次郎長一家は甲州の卯吉一家と抗争の真っただ中。晋八は即戦力として一家の客分となるがー。この男、なぜここまで無慈悲に人を斬れるのか?
資源探査会社に勤める郷田裕斗は、海底油田の探査のために北極の基地にいた。仲間は同僚や、アメリカ人の準石油メジャーのオブザーバー、海洋学者、そしてカナダ系イヌイットたち。ある日、北極海の水中で核実験が行われる。だが、郷田たちはまだそのことを知らず、いつの間にか孤立していたのだった。通信機器による外部との連絡は取れず、リード(氷の割れ目)は増え続け、燃料と食料も刻一刻と減る中、ついに精神に異常をきたす者まで現れて…。大国の思惑と駆け引きに巻き込まれた郷田たちは、氷の世界で生き残ることができるのか。
死刑制度の闇に挑んだ著者渾身の本格推理。堀田市で起きた幼女殺人事件「堀田事件」の犯人として死刑判決を受けた赤江修一。彼は無実を主張したが、控訴、上告とも棄却され、判決確定後、わずか二年で刑を執行された。それから六年後ー亡き赤江に代わり再審請求中の堀田事件弁護団宛に、真犯人を名乗る「山川夏夫」から手紙が届く。さらに一年後に届いた二通目の手紙の中には、犯人のものだという毛髪が入っていた。弁護団の須永英典弁護士は手紙の差出人を突き止めるべく、新聞記者の荒木らと調査を開始する。調査が進むにつれ、日本の刑事司法の根幹を揺るがす計略が浮かび上がる…。
温かな視線と伏線のしかけを堪能する巧緻に作られた短編ミステリーの快感! カバーは、彫刻家・大森暁生氏の作品です。 大森氏は2021年5月15日(土)12:00〜の『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ)に工房が紹介されました。気鋭の彫刻家大森暁生氏の鳥の影がミステリーの雰囲気を盛り上げます。 心の不思議にせまる長岡ミステリーの醍醐味! 窮地に陥った時、人は何をするのか? 生活のなかで、ふとした心の隙間に忍び込む殺意や悪意が、蟻や、鳥、魚、犬、プラナリアなど、さまざまな生物と絡んで事件が発生する。 のぞきや、泥棒、殺人など、犯罪の背後にあるドラマを描き、謎解きだけではないミステリーの魅放つ放つ。 その根底には温かなまなざしと伏線のしかけがめぐらされている。 心の揺れや、ゆがみが引き起こす犯罪&どんでん返しの妙を堪能する8篇の極上ミステリー。 仕事中の刑事が給油に立ち寄ったGSで、勤務していたのは外国人だった。そのとき、聞き慣れない鳥の鳴き声が…。 ある盗難事件の捜査過程で、GSの外国人従業員が浮かんだ。彼は逮捕されたが、違和感が残る。その後、真犯人が判明したが。(「巨鳥の影」) 語り手は新米刑事・空き巣男を女教師が正当防衛で殺人という通報。 侵入犯は教え子の父親だった。小さなやせた息子に掃き出し口からしのびこませ、鍵をあけて泥棒していたという。父親は、息子をガリガリの状態のままにするため、食べさせず、虐待していた。 自宅に侵入された担任教師は父親をゴルフクラブで殺した。盗犯防止法が適用され、不起訴。その後、孤児となったその子を養子に。(「死んでもい人人なんて」) 隣室のキャバ嬢の部屋にそっと忍び込む。ときどき鍵をかけ忘れると知っている。 内気な学生のペットは蟻だけ。柑橘系の彼女の香りを吸い込む。 そのとき大きな地震が起き、彼女が戻ってきた。そして蟻をペットに借りたいと彼女が訪れ…。(「水無月の蟻」) 目 次 巨鳥の影 5 死んでもいい人なんて 43 水無月の蟻 73 巻き添え 107 鏡面の魚 141 白いコウモリ 169 見えない牙 199 再生の日 225
松山駅に到着した特急「しおかぜ3号」のトイレから、女性の刺殺体が発見された。被害者は竹内祐子、三十歳。お見合いパーティを主催する“ドリーミング・クラブ”の理事長だった。サクラを使ったり、ずさんな経営で会員からの文句も多く、恨んでいる者も少なくないという。何人かが容疑者として浮上するが、本命と思われた今中みゆきのアリバイを、何と十津川警部自身が証言することになったのだ…!?「海を渡る殺意ー特急しおかぜ殺人事件」等、トラベル・ミステリーの傑作四篇を収録。
日本経済新聞、産経新聞、週刊文春、 週刊ポスト、現代ビジネスほか 各メディアで紹介され話題沸騰! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 実体験をもとに 「マルチ商法」の深淵を描き切った 震慄のサスペンス! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 賢い姉、愛らしい妹に比べて自分には何もない。 夢を持てず、鹿水真瑠子は毎日をなんとなく 過ごしていた。 そんなある日、バイト先の掲示板で 不思議な貼り紙を目にする。 「磁力と健康セミナー・無料開催」 それは地獄への扉だったーー。 認めてほしい。 ただその一心で始めただけなのに、 どうしてこんなことになってしまったのだろう。 マルチ商法にハマった女性の “乱高下人生”をリアルに描く、 ノンストップサスペンス! 〜〜〜〜 著者より 〜〜〜〜 大人になっても、自分自身が未完成な人ほど、 他者に ”承認” されることでやっと 自分を認めることができます。 情報弱者であり、未熟だった私は この承認欲求地獄へとはまっていきました。 それはやがて他人を、 そして自分自身をも欺すことへと 繋がっていきます。 当時の体験と記憶を頼りに、 マルチ・ネットワークビジネスの 世界を描きました。 お楽しみいただければ幸いです。 西尾潤
できないことは、できません。 やりたくないことも、やりません。 三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。 同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。 他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は 「お見舞い代行業」にスカウトされ、 移動手段のないお年寄りの病院送迎や 雑用をする「しごと」をはじめる。 文芸界の注目著者が 「めんどうな人」の機微を描く! 【著者からのコメント】 「雨夜の星」は目に見えません。 でもたしかにそこにあります。 空気を読むという言葉があります。 空気は目に見えません。 見えないけれどそこにあるものは、 良いものとはかぎりません。 その場の空気を読むことばかりに心を砕き、 いつのまにか決定的に間違った方向へ 進んでいく。そんな危険だって、 とうぜんあるのではないでしょうか。 空気は読めなくてもいい。 あるいは読めても従わないという選択肢だって きっとあると信じて、この物語を書きました。 【主な登場人物】 ◆三葉雨音 26歳。職業はお見舞い代行。 他人に興味がない。 ◆霧島開 三葉の雇い主。 喫茶店の店主で、ホットケーキが苦手。 ◆リルカ スナックで働く、 感情豊かで共感能力が高い霧島の彼女。 ◆星崎聡司 三葉の元同僚。 湯気の立つ食べものが苦手。失踪中。 【依頼人たち】 ◆田島セツ子 病院への送迎。聞き上手な80代。 ◆権藤 肝臓の病気で入院中の70代。 因縁の相手。 ◆清川好美 手術の付き添い。 配偶者なしの42歳。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ ロングセラー『月とコーヒー』に連なる 〈インク三部作〉開演! 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ いいか、よく見ろ。 終わりが来ても、 このとおり、 何度でもよみがえる。 「奇妙な惑星」博物館の保管室に 勤務する十四歳のオリオ。 師匠のベルダさんと二人、 世の中のあらゆるものを記録し保管すべく 作業に勤しんでいた。 そんなある日、ベルダさんが死んだ。 自殺か、病気か、事件か。 原因がわからぬまま、 オリオは保管室の責任者を 引き継ぐことになる。 ところがーー。 ベルダさんが記録に使用していた 万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉の在庫がない。 あれなくして記録作業はできない。 幻のインクを求めるオリオの旅が始まった。
事件現場で収集した情報を解析・プロファイリングし、解決へと導く機動分析係。森口泉は機動分析係を志望していたが実技試験に失敗。しかし、係長・黒瀬の強い推薦により、無事配属されることになった。鍛えて習得した優れた記憶力を買われたものだったが、特別扱い「スペカン」だとメンバーからは揶揄されてしまう。自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導くー。泉は早速当て逃げ事件の捜査を始める。そんな折、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚した。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者による線が濃厚で、やがて殺人事件へと発展してしまう…。気鋭の作家が贈るノンストップ警察ミステリー。
白熱のリーガルサスペンス! 元特捜検事・宗光彬。 高度な法律関連事案の解決を請け負う彼は、裏社会の人々から「非弁護人」と呼ばれる。 ふとした経緯で、パキスタン人少年から「いなくなったクラスメイトを捜して欲しい」という依頼を受けた。 失踪した少女とその家族の行方を追ううちに、底辺の元ヤクザ達とその家族を食い物にする男の存在を知る。おびただしい数の失踪者達の末路はあまりに悲惨なものだったーー。 非道極まる〈ヤクザ喰い〉を、法曹界から追放された元検事が、法の名の下に裁く!! 著者渾身、白熱のリーガルサスペンス!
従業員八百人の早川興業を一代で築き上げた早川卓次は、自宅の庭に蒸気機関車を一両飾るほどの熱烈なSLファンでもあった。早川は愛人で女優の榊由美子と二人で、小樽発九時五十一分の倶知安行き特別列車「C62ニセコ」に乗車した。乗車中の時刻、札幌のホテルで早川の妻が絞殺され、早川は鉄壁のアリバイを主張する。ところが、それを証言するはずの由美子が東京のTV局で殺害されたのだ…!?(「C62ニセコ」殺人事件)他、「十津川警部の標的」「十津川警部 みちのくで苦悩する」の名作三篇を収録!
小田原を抜けてしばらく経った頃、国道沿いに元プロレスラーが営む「ルート517」という店が見えてくる。 ドライブインというより、大衆食堂というのにピッタリなため、「国道食堂」という名もある。 この店の食事は、どれも美味しいが、ちょっと変わっているのは、プロレスのリングがあること。 さまざまな人々が集うこの店には、偶然か運命のいたずらか、とんでもないことが起きることがあって……。 好調シリーズの続篇刊行! CONTENTS 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー 加藤和美 三十八歳 保険外交員 池野美智 三十四歳 総合商社徳萬 アグリビジネス部一課マネージャー 高幡しずか 三十六歳 ネイチャーフォトグラファー 賀川みさ子 七十一歳 〈国道食堂〉従業員 賀川ふさ子 七十一歳 〈国道食堂〉従業員 鈴木みのり 二十四歳 株式会社日番印刷 インハウスデザイナー 桜川順子 三十六歳 巡査部長 武蔵野警察署大尽稲荷前駐在所 育休中 小村美也 十七歳 治畑市立東第一高校三年 久田亜由 二十七歳 株式会社ニッタ 機器オペレーター 夏川伊久美 六十九歳 元女優 有宮波乃 三十四歳 茶道講師 高幡しずか 三十六歳 ネイチャーフォトグラファー 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー 二方将二 二十九歳 マンキュラスホテル東京 料飲部企画課ディレクター 二方一(将一) 三十四歳 俳優 本橋十一 五十八歳 〈国道食堂〉店主(元プロレスラー) 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー
母と父代わりの伯父に会わせるため、初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。だが時間になっても現れず、彼はそのまま姿を消した。光一は限界集落をテーマにしたフォトエッセイを連載しており、ふたりは結婚後、地方移住の計画を立てていた。自宅のPCに転送された写真を手がかりに、光一の妹・美彩と足取りを追う途中、希美は光一の元交際相手・優子も失踪していることを知る。二人は一緒なのかー?悲しみと怒りを抱えつつ婚約者の足跡を追う女性がたどり着いた衝撃の真相!『白砂』の乱歩賞作家が放つ書下し社会派サスペンス。