戦国武将のなかにあり、ひときわ異彩を放つ不可解な男・明智光秀。その性格と行動は、いまだ多くの謎につつまれている。時代小説の第一人者が初めててがけた歴史小説の異色作品。
太平洋戦争の傷跡を色濃く残す炎熱地マニラを舞台に、国際ビジネス最前線で働く商社マンたちの誇りと情熱、愛と死、そして直面する現実を、壮大なスケールで描いた直木賞受賞作。
肩の骨を折りながらも礼拝のオルガンを弾き通した八十歳の母を支えていたのは何か。その魂のありかをたどる芥川賞受賞作と、心温かに家族を描く四つの作品。(庄野潤三)
室町後期、将軍足利義政の室として、その権勢をほしいままにした日野富子。しかしその実像は意外なものであった。富子と当時の庶民の姿を生き生きと描く長篇。(尾崎秀樹)
その模型“飛行器”はフワリと宙に浮かんだ。ライト兄弟が飛行機を飛ばす十数年前、独自に考案した男が日本の片隅にいた。二宮忠八の苦闘の生涯を描く長篇。(鶴岡冬一)
世界大戦を起こさずにヨーロッパ地図を塗りかえるーーこのソ連の野望に西側諸国はどう対処するか? 東西ドイツ国境線の大爆発にはじまる直木賞受賞の国際政治小説。(野坂昭如)
五十歳近い未亡人の元教師が、かつて特別の思いを抱いていた教え子と再会した。彼女の一生にはこの恋しかなかったのか。抜群の語り口で芥川賞を受賞した表題作ほか二篇。(柄谷行人)
一主婦が突然文壇の脚光を浴び、著名なイラストレーター、或いは詩人が踊り出るーー重兼芳子、尾辻克彦、吉行理恵氏ら異色作家の受賞作を含む全集最終巻を飾る七篇
薩摩討つべし。奥羽列藩を襲った、幕末狂乱の嵐のなかを、討薩ただひとすじに奔走し倒れた、悲憤の志士雲井龍雄。その短く激しい生涯を、熱気のこもった筆で描く異色の長篇歴史小説。