出版社 : 文藝春秋
スクランブル飛行中の自衛隊機TF-1が墜落。原因はパイロットの操縦ミスとされたが、この機を開発した四星工業の技術者たちは腑に落ちないものを感じ、独自に調査を始める。そして半年後、TF-1が再び墜落した。日本の国防を揺るがす真の脅威とはなにか?松本清張賞受賞の傑作航空サスペンス!
御鑓拝借に始まった騒動から年が明け、文化十五年。赤目小籐次と、肥前鍋島本藩を含む四家が組織した追腹組の死闘は続いていた。それに追い打ちをかけるように、江戸の分限者たちが小籐次の首に千両の褒賞をだし、剣客を選んで順に小籐次を襲わせるという噂が流れる。事の真偽は如何に?小籐次の危難が続くシリーズ第4弾!
時は幕末。何をやってもうまくいかない南町奉行所の若手同心・澤村文吾は幼馴染の静馬と再会する。静馬は剣術道場を始めると語るが、その支援者は任侠の顔役・鶴の伊右衛門だったー。文吾の身を案じる親分猫・マサムネも登場してますます賑やかな書き下ろしシリーズの第四弾。おネエ同心・中村様が主役のおまけも収録。
「秋色」とは、「心の中にある秋景色のこと」である。世界的に著名な建築家をめぐる三人の女性。京都の名家出身で二廻り年下の妻、三十年来の愛人である銀座の高級クラブのママと大学生になるその娘。シドニー、麻布、銀座、奈良、京都、伊豆山と舞台を移し、華やかにそして哀しく展開される、三人三様の愛のかたちと駆け引き。
有名建築家・今野良衛は、京都の名家出身の菊子と結婚、上流階級の仲間入りを果たすも、家では暴君であった。今野にはすべてを打ち明けている三十年来の愛人・寺田奈津江がいた。貞淑な妻・菊子だが、シドニー行きの機内で出会った女子大講師・椿井新八郎の人柄に惹かれていく。その椿井を慕うのが、奈津江の娘・世紀であった。
壊れても生き続けろ 新人作家の三崎小夜は、次回作が書けずに悩んでいた。 担当編集者からの宿題は、なぜかBL小説を読むことだった。 自称クリエイターの元彼。自意識過少な恋に熱き先輩。自我崩壊気味な人気漫画家。 ちょと壊れた周囲の人たちに翻弄されながら、戦う快楽に目覚めるまでの成長物語。
東京オリンピックの開催を翌年に控え、横浜は活気に満ちていた。そんな時、横浜港で若い女性の死体が発見される。死体にはネイビーナイフの刺し傷、爪の間には金髪が残っていた。立ちはだかる米軍の壁に事件は暗礁に乗り上げたが、神奈川県警外事課の若い警察官・ソニー沢田は単身、米海軍捜査局に乗り込んだ。日系三世の米軍SP・ショーン坂口は、ソニーの熱意に応え捜査協力を決意する。やがて明らかになってくる驚愕の真実。互いの人生に共感する二人は、犯人を追い詰めることができるのか。横浜生まれ横浜育ちの作家が放つ、郷愁の社会派ミステリー。
第三回島田荘司推理小説賞受賞! 注目の台湾ミステリー 密室状態のアパートの居間に男の死体。施錠された子供部屋には男の子が一人。日本の漫画が事件のカギを握る、巧緻を極めた本格推理。
日系人に浴びせられるヘイト。鑑識官アシダは単身、真実を追う。ジャップ殺しの罪はジャップに着せろ。燃え上がる人種差別。戦争の恐怖と狂躁。そこから利をむさぼろうとするやつらがいる。その中で正義を追求する者たちがいるーこれぞエルロイ、これぞ警察小説!
24歳松本清張賞作家が描ききる「自由への逃走」 美大の一年生・友親の危機を救ってくれた優しいイケメンの先輩。彼の過去に触れ、自らの生き辛さを自覚するがーー青春長編!
この幸せを守るためには、性欲のはけ口が別に必要だ 「たかがセックスで生活の全部を捨てる覚悟はあるのか」。したい妻としたくない夫。セックスと幸福の関係を描き切った連作短編集。
日暮里駅から徒歩10分。ちょっとレトロな雑居ビルの2階にある増山超能力師事務所ー。所長の増山率いる、見た目も能力も凸凹な所員たちは、浮気調査や人探しなど、依頼人の悩み解決に今日も奔走。超能力が使えても、そこは人の子。異端の苦悩や葛藤を時にユーモラスに時にビターに描く人気シリーズ第1弾。
四十歳を目前にして離婚した「私」と、親代わりに育ててくれた祖父母を亡くしたばかりの、幼なじみで従妹のちどり。孤独を抱えた二人は、一緒にイギリスの西端の田舎町・ペンザンスに小旅行に出かける。淋しさを包みあう二人の間に、三日目の夜、ある「事件」が起きる…。日々を生きる喜びが心にしみわたる傑作小説。
小籐次の壮絶な闘いは続く。決定版第3弾! 刺客との死闘を制した小籐次は甲斐への道中で女密偵・おしんと知り合い、ともに甲府を探索することに。新たな展開を見せる第3弾!
現代文学を代表する阿部和重が、9.11から3.11に至る世界と対峙した12の小説集。秘密研究施設、国際テロリスト殺害、放射能警戒区域窃盗団、少女都市伝説、拉致監禁、ヘイトデモ…世界中のエッジな場所から、おなじみのヒットナンバーに乗せて届くとびきりキツい毒と笑いの彼方に、ほのかに見える一筋の光。