出版社 : 文藝春秋
ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。思いがけず夫や、ママ友の秘密を知ってしまう。TV局の報道ディレクター、謙一郎。香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材する。結婚を控えたある日…2014年の東京で暮らす3人の悩み、ためらい。果たして、あの選択でよかったのかー
日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。しかし、夫は性的不能のはずだった。夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは…やるせない心情を繊細に、生々しく描き出す長編小説。
読むほどに心がほっこりする相良ワールド。脚本や児童文学でお馴染みの相良敦子による初の短編小説集です。俳句を愛する父の最期の病床を俳人・一茶の幻影との心の交信をまじえてえがいた「せうじの穴の天の川」。中国古代を舞台に、あたかも兵馬俑の遺跡から生き返ったかのような二人の男を活写した「掘る」。明治の近代化への庶民のとまどいとたくましさを、商家を舞台に女主人の目線で明るくユニークに描いた「瓜提灯とピクルス」。NHK朝の連続テレビ小説「ウエルかめ」のスピンオフ作品でNHK徳島放送局のweb上で好評連載された「アデリータの背中」、の四編を収載。脚本家・相良敦子ならではの軽妙でユーモアある会話術が、小説の筆でもきらきら光を放ち、読者を小説世界へと導きます。日常の喧騒からちょっと小休止したい時、きっと心のビタミン剤になる、四つの愛すべき短編小説集です。
文芸編集者として忙しい日々を過ごす那波田空也は、あるきっかけで再びボクシングとの距離を縮める。初めての恋人・つた絵の存在、ジムに通う小学生ノンちゃんの抱える闇、トレーナー有田が振りまく無意識の悪意、脅威の新人選手・岸本修斗。リングという圧倒的空間に熱狂と感動を描ききる!傑作長編小説。
完全黙秘の容疑者。その背景には何が? 後山の指令で、長く完全黙秘を続ける男を取り調べることになった大友。沈黙の背後には驚くべき過去が……大人気シリーズ第7弾。
喪われた人、傷ついた土地。「あの日」の涙を抱いて生きる私たちの物語集。 「俺、高校に受かったら、本とか読もうっと」。幼馴染みの慎也は無事合格したのに、卒業式の午後、浜で行方不明になった。分厚い小説を貸してあげていたのに、読めないままだったかな。彼のお母さんは、まだ息子の部屋を片付けられずにいる(「しおり」)。突然の喪失を前に、迷いながら、泣きながら、一歩を踏み出す私たちの物語集。
死んだ男を囲む、二人の女の情念。ミッションスクールの女子たちの儚く優雅な昼休み。鉄砲薔薇散る中でホテルマンが見た幻。古い猫の毛皮みたいな臭いを放つ男の口笛。ダンボールに隠れていたぼくのひと夏の経験。日常に口を開く異界、奇怪を覗かせる深淵を鮮やかに切り取った桜庭一樹の新世界、6つの短編小説。
すれ違う子供が泣きだすほどの醜男の、愚直な恋のゆくえ(「甚三郎始末記」)。騙されていると知りながら待ち続ける遊女の哀しき運命(「風を待つ」)。自ら始末をつけるべく散り急ぐ男に、残された妻の覚悟を描く表題作など、心に染み通る5篇。四季の彩り溢れる情景と、男女の一途な愛を細やかに綴る傑作時代小説。
殺し屋・月影を追う北町奉行所筆頭与力・仙波一之進・仙波は平賀源内に依頼して、事件のカギを握る記憶喪失の娘をエレキテルで治療するが、娘が思いだしたのはただひとつ、「おとっつぁんは歌麿」!?表題作などテレビドラマ「だましゑ歌麿」シリーズの原作2篇を含む中篇集。巻末座談会・水谷豊、岸部一徳、中村橋之助。
うちの塾の生徒が誘拐された?小学6年の山下愛子を誘拐したという奇妙なメール。身代金は何と5000円、それを1円玉にして1000円ずつ塾の講師5人が持ってこいというのだ。国語、数学、理科、社会、それぞれに個性的な講師たちが愛する教え子のために謎に挑む!読むと勉強が好きになる、心優しい塾ミステリー。
豊後国森藩から奉公を解かれ、浪々の身となった赤目小籐次、四十九歳。彼には胸に秘する決意があった。旧主・久留島通嘉の受けた恥辱をすすぐこと。相手は大名四藩。備中次直二尺一寸三分を手に、小籐次独りの闘いが今、幕を開ける。時代小説ファンを驚喜させた小籐次シリーズが一層の鋭さを増し、“決定版”として帰ってきた!
何度も郷里に引き戻されながら、江戸で学問と剣術を極めていく元司。二十五歳で清河八郎と改名、自ら塾を開くも、やがて学問の世界を離れ虎尾の会を結成、尊皇攘夷の急先鋒となっていく。しかし倒幕の機いまだ熟さず、早すぎた志士として凶刃に倒れるー悲劇の孤士の生涯をあますところなく描いた傑作長篇。
若き医師は、戦乱の世をいかに生きるのか 侍がいやになり、故郷を捨てて京で医者修行中の英俊。戦乱の世に翻弄されながら、彼は果たして“慈仁”の境地に辿り着けるのか。
「あたしたち、最強の相棒。」 韓国最凶の特殊部隊が日本に潜入。 迎え撃つは、元公安のシングルマザー&女性体育教師!? ・あらすじ 韓国の大物工作員キル・ホグン率いる最精鋭特殊部隊が日本で韓国要人の拉致作戦を実行した。事件に巻き込まれ、人質となってしまった中学1年生の祐太朗。日本政府と警察は事件の隠蔽を決定した。祐太朗の母親で、かつて最愛の夫をキルに殺された元公安の秋来律子は、ワケあり担任教師の渋矢美晴とバディを組み、息子の救出に挑む。 因縁の関係にある律子とキルの死闘の行方は。そして絶体絶命の母子の運命はーー。 ・著者コメント 「(アクションorサスペンスor興奮に)手に汗を握りつつ、泣いて笑ってしんみりと。 私の持てる技術をありったけ投入した、あなたのためのエンターテインメントです」 ・著者プロフィール:月村了衛(つきむら・りょうえ) 1963年大阪生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年、『機龍警察』で小説家デビュー。2012年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞を受賞。2013年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞を受賞。2015年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土爆の花』で第68回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)と、驚異的なペースで受賞を重ねている。他の著書に『神子上典膳』『黒警』『機龍警察 未亡旅団』『機龍警察 火宅』『槐』『影の中の影』などがある。
二十代後半にして代表作がない崖っぷち声優の結城勇樹。背水の陣で臨んだ野球アニメ「センターライン」のオーディションで出会ったのは、同世代の人気声優、大島啓吾だった。現場で顔を合わせたことのない結城と、いっしょに仕事がしたいという大島。その理由は、二人の過去にあった。声優たちの世界に光をあてたリアルな青春お仕事小説。