出版社 : 文藝春秋
これは冤罪だー民間科捜研に所属する理系女子・桐野真衣は、被害者の傷の写真をみて確信した。なのになぜ容疑者の青年は罪を認めてしまうのか?変人揃いの同僚とともに捜査を続ける真衣は、極秘裏に捜査されていた「赤鼻のトナカイ連続殺人」に出くわす。すべてをつなぐ線とは。「アンフェア」原作者の新シリーズ第二弾。
高貴な生まれにもかかわらず、意地悪な継母に、床が一段窪んだ狭い部屋に住まわされ、一日中縫い物ばかりさせられていたおちくぼ姫。ところがある日、都で評判の青年貴公子・右近の少将が、不幸な境遇の姫の噂を聞きつけて…。美しく心優しい姫君と純愛を貫こうとする少将の平安王朝版シンデレラストーリー!
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス 狂気に駆られて逃亡するソフィー。聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。驚愕の傑作。
高校を中退、独り暮らしを始めたものの家賃を滞納しアパートを追い出された「グン」は、その後の放浪生活の中で謎の男「タイゼン」と出会う。タイゼンは人間がこれまで生きてきた心象風景が記録されている「道」を歩くことができるというが、グンにはその意味がよく理解できない。しかしグンはタイゼンに強引に誘われ、ある家族ひとりひとりの「道」を歩くことに。そして「道」を歩くうちに徐々に判明する驚愕の事実に、グンは戦慄するがーー。
豪華クルーズ列車の旅でいったい何が起こるのかー警視庁副総監からの命令で、九州を走る豪華列車「ななつ星」へ乗り込んだ十津川警部。乗客を装うため妻・直子と福岡から旅立ったものの、マークすべき人物が誰かも分からない。台湾からの旅行客、アメリカ人夫婦、気鋭の歴史学者、外務省の職員…やがて、彼らの目的が日中の歴史の真実を明かすことと知るが、思わぬ妨害工作で乗客たちが絶体絶命の危機に!歴史トラベルミステリーの野心作!
丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。 偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。 第28回山本周五郎賞受賞作。
1989年、日本の喧騒を逃れ、ピアノに打ち込むために東ドイツに渡った眞山柊史。 彼が留学したドレスデンの音楽大学には、 学内の誰もが認める二人の天才ヴァイオリニストがいた。 正確な解釈でどんな難曲でもやすやすと手なづける、イェンツ・シュトライヒ。 奔放な演奏で、圧倒的な個性を見せつけるヴェンツェル・ラカトシュ。 ヴェンツェルに見込まれ、学内の演奏会で彼の伴奏をすることになった眞山は、 気まぐれで激しい気性をもつ彼に引きずり回されながらも、彼の音に魅せられていく。 冷戦下の東ドイツを舞台に、一人の音楽家の成長を描いた、 著者渾身の歴史エンターテイメント。
「故郷に帰れ、田舎もん!」毒づきながら、内心コンプレックスに苛まれている宮本楓太は二十五歳のサラリーマン。ひょんなことで出会った冴えない中年男の秘密を知って、以来なぜか彼から目が離せなくなる。まわりには、謎の美女に強面の老人、なんだか危ない人たちまで…一体彼は何者なのか?素直になれず孤独を抱える楓太と、過去に傷つき未来に希望を持てない春輝。居場所を求めてあえぐすべての人に贈る、希望のラプソディ!
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。第153回芥川賞受賞。 売れない芸人徳永は、熱海の花火大会で、師として仰ぐべき先輩神谷に電撃的に出会った。そのお笑い哲学に心酔して行動を共にしながら議論を続けるのだが、やがて二人は別の道を歩んでいくことになる。運命は二人をどこへ連れていくのか。
二冊分の面白さ! ガリレオ文庫版、お買い得です 天才物理学者・湯川と草薙刑事のコンビが難事件を解決する、シリーズ王道の短篇集。単行『虚像の道化師』と『禁断の魔術』に収録された全8編のうち7編を、文庫版オリジナルの再編集で登場! 「幻惑す」「透視す」「心聴る」「曲球る」「念波る」「偽装う」「演技る」 「幻惑す」 「透視す」 「心聴る」 「曲球る」 「念波る」 「偽装う」 「演技る」
大友の一人息子・優斗が誘拐されたーー。 胸に銃弾を受け(AF5『凍る炎』)、長野県佐久市の実家で療養する大友鉄のもとを、春休みになった優斗は高速バスで訪れる。だがその道中、優斗はパーキングエリアで忽然と姿を消す。その直後におきた、優斗の乗っていたバスの不可解な大事故。息子と向き合い、事件の背後を探る、大友の新たな試練がはじまった。手に汗を握る、怒濤のノンストップサスペンス。シリーズ最高傑作の誕生です。
1939年、ワシントンDC近郊で娼婦の死体が発見された。時をおかず第二の事件も発生。凄惨な猟奇殺人に世間が沸く中、恐竜の謎について独自の解釈を示した「重力論文」が発見される。思いがけない点と点が結ばれたときに浮かびあがる動機ー先端科学の知見と奔放な想像力で、現代ミステリーの最前線を走る著者渾身の一作!
妻を喪った三十四歳の茂樹には、美花という異母妹がいる。島根の岬の家で育ててくれた祖母が逝き、美花は出生への疑念を口にした。茂樹の母が書き遺した“許すという刑罰”の言葉は?家族写真で幼い美花を抱いた男の顔は、なぜくり抜かれたのか?二人の想いはやがて、岬の家を訪れて共に楽しんだ焚火のように燃え上がる。
北海道のキャンプの夜、兄妹はついに結ばれた。その仲間もさまざまな愛に苦しんでいた。「共同体が崩れるとき、その原因は、たいてい男と女のことや」-岬の家もあるいは小さな共同体だったのか。海外赴任を前に茂樹は会社を辞し、美花と岬の家で生きる決意をする。詮索は終わりにしようと思った二人だったが…。
安土桃山時代。足利義輝、織田信長、豊臣秀吉と、権力者たちの要望に応え「洛中洛外図」、「四季花鳥図」、「唐獅子図」など時代を拓く絵を描いた狩野家の棟梁・永徳。ライバル長谷川等伯への嫉妬、戦乱で焼け落ちる己の絵、秘めた恋。乱世に翻弄されながら大輪の芸術の華を咲かせたその苦悩と歓喜の生涯を描いた長篇。
戦国末期。千葉房総の大名、里見家に仕える下級武士・金丸強右衛門は、戦で勝てば領地が増えて、生活も楽になり、妾も囲えると意気揚々。ところが主家は、秀吉に領地を減らされ、徳川幕府によって滅ぼされてしまう。負け組大名に仕えた強右衛門一家が、戦乱の世でも明るくたくましく生きる姿を描く痛快時代小説。