出版社 : 文藝春秋
ノンフィクション作家・高嶺隆一郎は真犯人に直接インタビューする手法をとっていた。埼玉県の久喜市で起きている連続失踪事件を調査するなかで、15年前の同様の事件との関連性が浮かび上がる。月曜日に女が消えること、現場に「ユダ」「ユダの息子」のメモが残されること。犯人はまた「少年A」なのか。
写真家の君原文明、女優の真木昭子が殺された。部屋にはサクランボの枝と赤い実。一方、実業家の木元綾は青い調度に囲まれた部屋で殺されていた。赤と青の殺人事件を追う十津川の前に現れた青い眼の美青年の、謎に包まれた過去と落ち着きはらった態度。手掛かりを求めて、十津川はサクランボの産地・山形に向かったが…。
こいつが全ヨーロッパを破滅させるキーなのか。核起爆装置の電子パーツをスペイン人名工から託されたギタリスト古城邦秋は天を仰いだ。謎あり。たぎる恋あり。壮絶な陰謀あり。フルコースの饗宴のあとに茫然自失の大終局と驚天動地のカタストロフィが待っている。虚実とりまぜた、これぞミステリ。
人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのか。世紀末の虚無の中、神の子は暴走する。目指すは、僕の王国!第119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作。
両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今時珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと温かい家族の歓待だった。しかしある日、近所で起きた心中事件に彼らが関係しているという疑惑を抱いた法子は、一見理想的な家族を前に疑心の闇にはまっていく。やがて暴かれる、呪われた家族の真実とは。
江戸時代初期、二代将軍秀忠のご落胤として生まれた幸松は、信州高遠の保科家を継ぐ。やがて異母兄である三代将軍家光に引き立てられ、幕閣に於いて重きをなすに至る。会津へ転封となった後も、名利を求めず、傲ることなく、「足るを知る」こそ君主の道とした清しい生涯を、時に熱く、時に冷静に描く著者渾身の書。
警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。
映画化原作ーー世界のノワール・ファンを震撼させた名作がニック・カサヴェテス監督で映画化。 「このミステリーがすごい!」第1位! イギリス推理作家協会・最優秀新人賞受賞! 「ゼロ年代ベスト・ミステリ」第3位!(早川書房「ミステリが読みたい!2011年版」) 時代を超えて衝撃を与えつづける〈暴力の詩人〉ボストン・テランの不朽の名作。 憤怒。それを糧にボブは追う。別れた妻を惨殺し、娘を誘拐したカルト集団を。復讐の旅の道連れはケイスーー奴らに捕らわれ、その地獄から生還した女。敵の棲む砂漠の彼方、文明の果ての荒野へと、ふたりは憎悪と銃弾を手に踏み込んでゆく。 鮮烈にして苛烈な文体が銃撃と復讐の宴を描き出す。異形の言葉たちが高熱のとぐろを巻いて唯一無二のグルーヴをうねらせる。発表とともに国内外の作家・評論家の絶賛を受け、刊行から20年を経てもなお熱っぽく語り継がれる、ゼロ年代最高のノワール。
「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。
維新後も龍馬の妻として生きたお龍。三味線を抱いて高杉晋作の墓守を続けるうのー。幕末動乱の時代に、駆け抜けるように死んでいった志士を愛してしまった女たち。新しい時代にとけ込めず、世間から逃げるように生活する女たちの胸の中に生き続ける男の姿。その想い出が鮮烈であるがゆえに悶え苦しむ女たちの悲しい物語。
あやしげな老紳士と就職浪人の青年が手を組んで、預金量第三位の大都市銀行をはめ殺す!知略の限りを尽くした「五週間戦争」の果てに待つものは…。すべてが市場化する世界を、精緻に痛快に描き切る新世代の経済クライムサスペンス。
女子プロレス界きっての強者・火渡抄子。人は彼女を「ファイアボール」と呼ぶ。火渡に憧れ入門し、付き人になった近田。仲の良かった同期・与謝野の活躍を前に、自分の限界が頭をかすめる。そんな折、火渡が付き人を替えると言い出した。近田は、自分にどうケジメをつけるのか。女の荒ぶる魂を描いたシリーズ完結篇となる連作短篇集。
長生きに異常な執念を燃やす島のオバァ、フジは、九十七歳の生年祝い「風車祭」を無事に迎えようと、家族や島人を混乱の渦に巻き込む。一方、神事を怠り危機に瀕した島の運命は?島の祭や呪術を背景に、オバァや巫女、六本足の妖怪豚が大活躍する、生命力とユーモア溢れる壮大な物語。98年度直木賞候補作。
お役目とはいえ、今日も“八州廻り”の桑山十兵衛は関八州を駆け巡る。尽きることのない悪党、難事件…。大好評第二弾は、剣豪・千葉周作が、初恋の女性が、捕り物の背後で、彼の心を掻き乱し、微妙な影を落とす。決して恰好良くはない。が、人間味溢れる男やもめのヒーロー・十兵衛の見事な手腕と侠気をお楽しみあれ。