出版社 : 文藝春秋
六年間の記憶が一夜にして消えた。刑事である自分に一体何が起こったのか?昨日まで追っていた事件は解決済み。納得できず香港の喧騒の中を駆ける男の前に、驚愕の真相が。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。「13・67」でミステリ界を席巻した著者の、これが衝撃の長編デビュー作。アジアの鬼才、ここに現る!
暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終った。そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。こいつをこの手で捕らえてやる。決意したホッジズは、孤独な調査を開始した。アメリカ最高のミステリー賞、エドガー賞受賞作。
暴走車による大量殺人犯、ブレイディ。母親とともに暮らす孤独な男。いま彼は新たな大量殺人計画を練っていた。一方、退職刑事ホッジズも犯行に使われた自動車を手がかりに真相に近づきつつあった。開始される惨劇の秒読み。それを阻止すべく、ホッジズと仲間たちは奔走するー。巨匠渾身のミステリー大作。
おいで、絵画の導くその先へ。10の名画をテーマにして、二人の作家が豊かなアイデアで競い合う。日常を抜け出す5分間×20編!「文藝春秋×ショートショートガーデン名作絵画ショートショートコンテスト」受賞作二作を掲載!
時は明治三十六年(一九〇三年)。ここに始まるのは、極東の島国で生まれた男たちの物語である。東北の寒村生まれの柾木謙吉は、生家が零落し、逃げるように故郷を離れ、出版王の書生になった。銀行頭取の息子で大阪のど真ん中で何不自由なく育った水町祥太郎は、高等遊民をしていた。生まれも境遇もまったく異なる二人であったが、関東大震災直後の東京で邂逅し、意気投合する。そして不思議な縁で、接点を持つことになるのだが…。ユーモアとペーソスあふれる長編小説。
文房具メーカーで派遣社員として働いていた26歳の女性は、正社員になれず、家賃が払えなくなりあっという間に貧困になだれこんでいく。漫画喫茶で寝泊りして、菓子パンで腹を満たす生活から抜け出すために、彼女が選んだのは「出会い喫茶」でお金を稼ぐことだった。生きるために「ワリキリ=売春」をしなくてはいけないのか。
シリーズの楽しさを みっちり詰めこんだ リンカーン・ライム最新刊! ニューヨークからナポリへーー “漆黒の絶叫”にとり憑かれた犯人を追え! ニューヨークの路上で男が拉致されるのを少女が目撃した。やがて被害者の苦痛のうめきをサンプリングした音楽とともに、監禁されて死に瀕している被害者の姿が動画サイトにアップされた。アップロードしたのは「作曲家(コンポーザー)」を自称する人物。捜査を依頼された科学捜査の天才リンカーン・ライムは現場に残された証拠物件から監禁場所を割り出し、被害者を救出したものの、〈コンポーザー〉は国外に逃亡してしまった。 そして事件の場はイタリアへーーリビアからの移民が誘拐されたのだ。〈コンポーザー〉の犯行だった。ナポリに飛んだ名探偵ライムとパートナーのアメリア・サックス、そしてライムの介護士トムは、若き森林警備隊員エルコレとともに事件に挑む。ニューヨークの白人とナポリの難民。被害者をつなぐものは何か? 〈漆黒の絶叫〉に駆りたてられる〈コンポーザー〉の目的は? アメリカ総領事館から持ち込まれた留学生の暴行事件も調査することになったライムは、想像を絶する真相を探り当てることに…… ニューヨークで起こった誘拐事件の犯人を追って、ほぼ全編がイタリアで展開する最新作。名探偵ライムが証拠とロジックで快刀乱麻の名推理を導き出せば、アメリアは凶行を阻止するために車を疾走させ、死地へと飛び込む。シリーズのファンが「こうでなくちゃ!」と快哉をあげる場面が満載、もちろん大規模ドンデン返しも待ち受けています!
夫の夢 天下泰平を助けた 愛妻 おねのお陰で秀吉は城もち大名となり天下統一を成し遂げる。歴史を創るのは女と男。大笑いと愛に溢れる波瀾万丈の一生! おねは、ほうほうほう、とよく笑う。赤子のころも、少女、娘、妻、育ての母、そして婆となっても。朝餉・夕餉の団欒や寝物語のときに、アイデアで秀吉の窮地を救い、背中を押した。イラスト満載で語られる歴史ロマンシリーズ第2弾!
『ガリレオ、再始動!』 シリーズとしては、6年ぶりの単行本が、長篇書下ろしとして堂々の発売! 容疑者は彼女を愛したふつうの人々。 哀しき復讐者たちの渾身のトリックが、湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。 突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後に遺体となって発見された。 容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。 だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。 さらにその男が、堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。 かつて、佐織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。 パレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたか。 殺害方法は?アリバイトリックは? 超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。 第一作『探偵ガリレオ』の刊行から二十年ーー。 シリーズ第九作として、前人未踏の傑作が誕生した。
息子を授かった町方同心・不破龍之進は、仲間の反対を覚悟しつつある決断をする。一方、貴重な絵の具を盗まれた伊与太は、家族にも知らせず江戸を離れー髪結いの伊三次と深川芸者・お文の恋から始まった大傑作シリーズ、感動の最終巻。子供を育み、年をとる。こうして人の世は続いてゆく。(『擬宝珠のある橋』収録)
元公安捜査官でシングルマザーの律子は、出かけたまま帰ってこない息子を担任教師の美晴と探しに行くが、そこで発見したのは、韓国の要人が襲撃された痕跡だった。隠密作戦中の韓国特殊部隊に息子が拉致されたー。警察に期待できないと判断した律子は、息子を救うため、美晴とともに決死の追撃を開始する。
「あたためますか?」「アイスあっためてどうすんの!」。俺はコンビニバイトの傍らネタを作り続ける。漫才でいつか天下を取るんだ!…相方はまだいないがー芸人を夢見るフリーターを描く表題作ほか、何者かになろうと挑み続ける、不器用で諦めの悪い八人の短篇集。愛すべき彼らが動き出す、著者書き下ろし「あと描き」を特別収録。
皆川七海は、仕事をクビになり、SNSで手に入れた結婚も浮気の濡れ衣を着せられた。行き場をなくした七海は、月に百万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。主のいない屋敷にいたのは、破天荒で自由なもう一人のメイド、里中真白。ある日、真白はウェディングドレスを着たいと言い出すが…。現代の嘘と希望と愛の物語。
旅行代理店を経営する男が、ある晩仕事帰りに待ち伏せされ、二人組の男に暴行を受けた。物盗りの犯行ではない。怒鳴り散らす癖のある男は自分に恨みがある者の犯行ではと疑うが…(「怒鳴り癖」)。危機は、日常の延長に思いもよらぬ姿で忽然と現れるー。人生の「迷路」に迷い込んだ6人の男たちを描く短篇集。
中学生の珠子の前に、とつぜん現れた祖父・謙三はなんと刑務所帰りだった。侠気あふれるグランパは、町の人たちから慕われ、珠子の周囲の問題を次々に解決していく。しかし、グランパの秘密を知った珠子と、彼女を慕う紀子に大事件が襲いかかるー。読売文学賞を受賞した傑作ジュブナイル、待望の新装版!
■池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まった。 ■2017年、「鬼平」誕生から50年。この記念すべき年に、7人の人気作家が長谷川平蔵を登場人物にして、「鬼平」へ新たな命を吹き込んだ競作短篇集。 ■逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版、そして、土橋章宏は父譲りの料理人と鬼平との味対決、門井慶喜は、流行りものの鰻が嫌いで女が好きな木村忠吾がかかった罠、梶よう子は、平蔵亡き後、火盗改を仰せつかった森山源五郎の回想、と7人7様。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 ■各作品に池波正太郎のカット画を使用。