出版社 : 文藝春秋
フランス陸軍士官のジュール・ブリュネは軍事顧問として来日し、伝習隊の指導にあたっていた。大政奉還が行われ幕府の終焉とともにブリュネらも解任されるが、日本人の士道に感じ入った彼は母国の方針に反旗を翻し、土方歳三らとともに戊辰戦争に身を投じる。「ラストサムライ」のモデルを描いた感動大作。
ふたりが迎えた衝撃の結末は最初のページで明かされる!-32歳の直子は初めて訪れたライブで「ゴライアス」のボーカル・伶也と出会う。持てるお金と時間を注ぎ込み、すべてをなげうち伶也を見守り続ける直子。失われていく若さ、変わりゆく家族や友人たちとの関係。恋愛を超えた究極の感情を描く問題作!
私小説への殉情、無頼派の矜持。横浜での生活立て直しに失敗した北町貫多は再び都内に戻っていた。そして二十歳になった彼は、その日も野良犬のように金策に奔走するが…(「無銭横町」)。筆色冴えわたる六篇に、芥川賞選考会を前にして、藤澤清造の墓前にぬかずく名品「一日」を新併録。
佐藤愛子といえば、やはり『血脈』! それは、妻子ある佐藤紅緑が、新進女優を狂おしく愛したことに始まった。 大正から昭和へ、因縁の炎が佐藤家を焼き尽くしていく。 圧倒的迫力と感動の大河長篇。 圧巻の三部作を、読みやすくした新装版で刊行。 【旧版からの変更点】 (1)人名・地名・難しい字に、ふりがなを増やしました。 (2)登場人物の系図を栞にして、上・中・下巻に挟み込みました。 (上)のあらすじ 物語は大正4年、当代随一の人気作家・佐藤紅緑が妻子を捨て、新進女優の横田シナを激しく愛したことに始まる。父親・紅緑への屈折した思いを胸に、散り散りになっていく八郎、節、弥、久の4人の息子たち。シナのつれなさに苦悩する紅緑が半ば別れを覚悟した矢先、シナの妊娠が判明。大正12年、愛子の誕生で、シナは紅緑と離れられぬ宿命をようやく受け入れる。
佐藤愛子といえば、やはり『血脈』! それは、妻子ある佐藤紅緑が、新進女優を狂おしく愛したことに始まった。 大正から昭和へ、因縁の炎が佐藤家を焼き尽くしていく。 圧倒的迫力と感動の大河長篇。 圧巻の三部作を、読みやすくした新装版で刊行。 【旧版からの変更点】 (1)人名・地名・難しい字に、ふりがなを増やしました。 (2)登場人物の系図を栞にして、上・中・下巻に挟み込みました。 (中)のあらすじ 昭和9年、四男・久が女と心中を図り、死んだ。サトウハチローとなった長男・八郎は、いまや売れっ子詩人で、あちこちに女を囲っていた。次男・節と三男・弥は相変わらず、親に金の無心を続けている。戦争の足音とともに紅緑に忍び寄る老いの影。敗戦を迎え、節を広島で、弥をフィリピンで失った。ハチローは「リンゴの唄」をはじめとして、次々とヒットを飛ばしていた。息子たちの放蕩から解き放たれた時、紅緑の生命は輝きを失っていく。
佐藤愛子といえば、やはり『血脈』! それは、妻子ある佐藤紅緑が、新進女優を狂おしく愛したことに始まった。 大正から昭和へ、因縁の炎が佐藤家を焼き尽くしていく。 圧倒的迫力と感動の大河長篇。 圧巻の三部作を、読みやすくした新装版で刊行。 【旧版からの変更点】 (1)人名・地名・難しい字に、ふりがなを増やしました。 (2)登場人物の系図を栞にして、上・中・下巻に挟み込みました。 (下)のあらすじ 紅緑が亡くなり、シナは過ぎ去った40年を思う。そして娘・愛子に「佐藤家には毒の血が流れとるから、気をつけなさい」と諭す。夫と別れた愛子に、小説を書くことを勧めたのは、シナだった。ヒロポン中毒の八郎の家で繰り返される佐藤家の因縁。愛子は再婚するも夫の会社が倒産し、多額の借金を背負う。シナが世を去り、八郎が急死。佐藤家を焼き尽くす因縁の炎の行方を見据えるのは、残された愛子であった。
独立記念日を前にしたある日、アメリカと外界との連絡、交通が突然遮断された!?40年前にトランプ大統領登場を予言したかの如き表題作に加え「眠りと旅と夢」「鳩啼時計」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」の、いずれも未来を的確に見通した六篇を収録。SF界の巨匠の面目躍如たる短編集。
駿太郎が夏風邪をひいた。幸い大事には至らなかったが、そんな折、小籐次は公儀の筋から相談を持ちかけられる。駿太郎の看病で研ぎ仕事がおろそかになり、御用の手助けは控えたかったが、すでに外堀は埋められているようだ。久慈屋の娘おやえと番頭の浩介の祝言が迫るなか、小籐次が巻き込まれた大事件とは?
おまさは、昔の仲間・お糸を茶店で見かける(「女密偵女賊」)。火盗改メの役宅にきた新しい「まわり髪結い」、その名は五郎蔵だった(「ふたりの五郎蔵」)。荒神のお夏はおまさへの思いを断ち切れず…未完となった最後の作品「誘拐」。尾崎秀樹「池波正太郎の文学」と秋山忠彌「平蔵の好きな食べもの屋」を併録する「鬼平」最終巻!
アンネは「日記」の他に童話とエッセイを隠れ家で書き遺していた。アンネは書いている時、空想の翼をうんと広げてどんなに自由だった事だろう。「子熊のブラーリーの冒険」「パウラの飛行機旅行」…どの話にも、胸の奥から噴出したキラリと光るものがある。新装版では中川李枝子の名訳に酒井駒子の挿絵を追加。
1915年、ドイツ。第一次世界大戦ー。イギリスを中心とする連合国に追い詰められたドイツ帝国海軍は、Uボートに捕虜救出作戦を命じた。敵の機雷網や爆雷を潜り抜け、決死の作戦を完遂できるか。英仏海峡を越える任務に命を懸けた兵士たちの矜持。1613年、オスマン帝国。中世ヨーロッパー。最後の輝きを見せるオスマン帝国で、豪華絢爛な宮廷生活をおくる王に、捕らわれた少年。母国語を奪われ、イスラム教徒へと強制改宗させられながらも、遠き故郷への帰還をあきらめない少年兵の運命。滅びゆくオスマン帝国と、黄昏のドイツ帝国Uボート。“数奇な運命”に翻弄される若者たちの物語。
「あのね。よく聞きなさい。昨日、団地で男の人が殺されたの」知っている。わたしが殺したのだ。母は続けてこう言った。「警察に里子ちゃんが連れて行かれたの」友梨、真帆、里子。大人になった三人の人生が交差した時、衝撃の真実が見える。傑作長編エンタテインメント。
「この国の運命を切り開くのだ」。西郷隆盛は、薩摩藩士・島津斉彬の命を受け、東奔西走する。島津斉彬は、尊王攘夷派の総本山である水戸藩主の実子・一橋慶喜を将軍に擁立して、国難に備えようとした。一方、井伊直弼らは紀州藩主・徳川慶福を推して対抗する。条約勅許問題が浮上、幕府と朝廷の対立が激化するなか、井伊は尊王攘夷派への過酷な弾圧(安政の大獄)を始める。斉彬は志半ばで死去し、西郷は生きる望みを失う…。
とある地方都市で市役所勤めをしているタカコ。 彼女の実家は商店街にあるウチダ書店だが、最近、客足は途絶えっぱなし。 かつて栄えていたこの商店街は、いまやシャッター街も同然なのだ。 そんな瀕死の商店街に、10代で家を出たタカコの妹、ショーコが突然帰ってきた。 臨月のお腹を抱えて……。 東京でカリスマ店員として働いていたショーコが、商店街再興を目指して動き始める。 託児所の企画、商店街をあげてのファッションショー、大学生ステイ受け入れや、マンスリーショップの運営。 商店街で生まれたショーコの娘、街子も商店街とともにすくすく育っていく。 ショーコの活躍で一時的に賑わいを取り戻したかに見えた商店街だったが、それも束の間。 個人の努力ではどうにもならない、思いもよらぬ結末が待ち受けていた。 山内さんが地元、富山の商店街を徹底取材。 なぜ商店街がさびれていくのか、それを止めるためにどんなことができるのかを 真摯に考えながら書いた、社会派エンタメ小説です。
新興住宅地の夏祭の会場からきもだめしをするうちに十歳の少年と少女が深い森に迷いこんでいた。少年と知り合いの老婆は森をさまよっている。さらに少年の母親と少女の父親も…。ひと晩だけの遭難。暗い森で浮かびあがったそれぞれの人生。愛に不器用な人たちを描くおとぎ話のような文学作品。小幡彩貴のイラスト21点掲載!
結婚直前の会社員・廉次の前に現れた女は、突然のキスと、謎の言葉を残して消える。直後に、婚約者に目の前で別の男と駆け落ちをされた廉次は謎の女と再会。婚約者の行方をある手段で探し出そうとする。奪われて、失った、その先にあるものはー。過去と向き合い、抱え続けた痛みからの再生を描く書き下ろし長篇小説。
ゴシキヌマの水をよこせー突如として謎の外国人テロリストに狙われることになった相葉時之は、逃げ込んだ映画館で旧友・井ノ原悠と再会。小学校時代の悪友コンビの決死の逃亡が始まる。破壊をまき散らしながら追ってくる敵が狙う水の正体は。話題の一気読みエンタメ大作、遂に文庫化。本編開始一時間前を描く掌編も収録!