出版社 : 新潮社
サル・ダモーレと出会い、みるみる才能を開花させたイザベルは瞬く間にスターダムを駆け登る。デビュー・アルバムは世界的なヒットを記録し、グラミー賞の7部門にノミネートされた。しかし授賞式のためL.A.を訪れた2人を待ち受けていたのはサルを追うギャングたちだった。イザベルを守るため単身、死闘の場に向かうサルだったがー。音楽を縦糸に暴力を横糸に描くハード・ロマン。
多国籍軍により日本国は滅亡、しかし世界中の人間が日本人化しはじめ…。「日本国の逆襲」、力士が巨大になりすぎて恐竜化してしまう「大相撲の滅亡」、無期限に旅行を続ける謎のパックツアー「千年観光団」。-日本文化に対するシニカルな諷刺もきいた小林恭二初めての傑作エンタテインメント。
ニッポン国で第1級の教育者と(勝手に)自負する小林教授は、教育モンダイについて考えると(ダレから頼まれたわけでもないのに)夜も眠れません-教師(♂)はいかに教えかつ学ぶか、学生(♀)はいかに自ら立つか、教育は人生モンダイだ、ナドナド。結果、小林教授は自らをめぐる現実モンダイの苦悩を必死で抽象化し、なぜか学生のコトバで教訓話にしてみました。
湯島妻恋町の裏通り、明け方から夕暮れまで日が差さず、お先真っ暗な連中が肩寄せ住まう、人呼んで暗闇小路。その小路に越してきた、いかにもわけありの娘・お春が押し込み強盗に襲われ、伝家の観音像を奪われた。手習いの師匠で糊口する浪人者、島小平は思うところあって、お春の窮状に手を貸す。観音像は誰の手に渡ったのか、また像に隠された秘密とは?波瀾万丈の娯楽時代小説。
室町幕府に抗して滅ぼされた4代目鎌倉公方足利持氏の遺児たちは幕府軍に追われる流浪の身となっていた。下総国の豪族結城氏朝、持朝父子は義によってこのかつての主君の子を擁し、天下に叛旗を翻す。押し寄せる十万余の大軍を相手に、わずか一万の軍勢は果敢に戦い続けた。室町時代中期、関東を揺るがせた大いなる叛乱。戦場に展開するさまざまな人間模様を描く歴史長編。
智佐子の勤める三良旅行社が社運を賭けて企画したグルメツアーは、一流料亭で鮎づくしのフルコース、お泊まりは老舗旅館という豪華版。有名作家夫婦やOL3人組、怪しげなカップルにカヤおばあちゃんまでツアー客で、一騒動ありそうな気配。そのうえグルメにはほど遠い克郎と“夕刊サン”の田丸部長もついてきた。やっぱり殺人が起きて、意外な人が容疑者に…。大好評シリーズ。
巷では川柳こと五七五の万句合が大流行。夢中なのは町人ばかりではないらしい。なんと、どこぞの大名の御隠居までが吉原でネタを仕込んで密かに万句合を投稿しているって?おかげで江戸に居続けで、帰国を促す忠義の家臣にも耳をかさず、御家のことをなんとする。武家に職人、公事師、無宿人と、身分を越えて川柳の取り持つ奇妙な縁で結ばれた人々が繰り広げる文庫書下ろし時代長編。
「赤い旅団」の血を引く極左テロリスト“狐”は、年上の女闘士フランカに激しい情熱を抱いていた。が、そのフランカは自分の目前で当局の手に陥ち、組織は解体する。“狐”は単身、フランカ奪回の機会を狙うが、その耳に〈英国人誘拐〉のニュースが飛び込んできた。イタリア当局は頻発する誘拐事件に眉を顰めるが、追い打ちをかけるように“狐”から一通の不敵な挑戦状が届いた…。
ソ連の2重スパイはもう1人いたのだ、それも上層部にー。英国秘密情報部員ダビナの疑惑は、数年前の工作で逮捕した元部員の2重スパイの尋問によって確信に変った。彼ひとりではなかったのだ。疑心暗鬼となった上層部の妨害とKGBの不穏な動きの中、ダビナは情報部を辞職したと偽装し、独自の調査を開始する。情報戦の中の愛と野望を描く迫真のサスペンス。シリーズ第3作。
クラム・ポンドの畔でバードウォッチングを楽しんでいたフリー・ジャーナリスト、マックは、水底に沈んでいるフォルクスワーゲン・ビートルを発見した。車中にはブラジャーと巻きスカート姿の女の死体。しかもその女はマックが取材する予定の大統領候補と何らかの関わりがあるようなのだ。大統領選をひかえたこの時期、事件はワシントンをスキャンダルの渦に巻きこむのか?
アメリカ中西部の田舎町に持ち上がったオオカミ騒動。オオカミは’40年代に滅びたはずだったが、不可解な家畜の被害が相次いだ。被害の元凶を捕らえるべく依頼されてやって来たのはかつて平原中に知られた狼捕り、老イーガン。一方、弟の仇を討つため町を訪れたトム・マクヴェイも知らず知らずこの騒ぎに巻き込まれていった。雄大なプレーリーを舞台に描くアウトドア・ロマン。
ワシントンの超高級ホテルの一室で、情事中の大統領首席補佐官が急死したー。FBIは極秘調査を進め、大統領も新任の補佐官を選ぶべく早急に準備を始めた。やがて、候補者として三人の名前が新聞紙上を賑わすと、セカンドレディを夢みる妻たちは、虚々実々の駆け引きをし、ホワイトハウスの虚栄をさらけだす。三人の華麗な女性を魅了するワシントンの甘き誘惑を描いたロマンス。
あなたをこれまで決して味わった事のない爽快な体験に案内する、究極の料理小説「薬菜飯店」。不思議な味わいの川端賞受賞作「ヨッパ谷への降下」や懐かしい味わいの「秒読み」、ファミコンの悪魔が子供に憑依する「偽魔王」など傑作短編6編。それに「サラダ記念日」を本歌どりした過激なパロディ短歌「カラダ記念日」を収録。鬼才が腕によりをかけた短編特別メニュー。解説俵万智。
通りがかりの乞食坊主から「死相がでておる」といわれた大坂の半端やくざ鍵屋の熊太は、見立てがまさに的中しかかったのに驚嘆、心機一転観相を学ぶ。髪結に弟子入りしてあらゆる人間の顔を眼前に眺め、五体を観るために風呂屋の下働き、死者の顔を覗くためには火葬場の人足と職を転々-。「黙って坐れば、ぴたりと当たる」と言われた天下第一の観相師の痛快きわまる一代記。
1956年、動乱に揺れる街ブダペストで、祖国を違える4人のスパイとひとりの女が関係した。そして生まれた娘、イローナ。誰が本当の父親なのかわからないまま14年の月日が流れ、美しく成長した娘と4人の“父親”は出会いの時を迎えた。しかし、娘が何者かに誘拐された。その道では百戦錬磨の男たちによる必死の救出作戦が始まった。異色のスパイ小説、世界に先駆けて日本版刊行。
空軍を退いたスティーブン・ゴールドは、父ハーマンが創設した〈ゴールド航空アンド運輸〉の経営に携わる。しかし、彼を待ち受けていたのは、謎の資本家による合法的乗っ取り計画だった。一方、空軍の特使として海軍の「トップ・ガン」に入隊したハーマンの孫ロビーは、特殊訓練の中で大きな挫折を味わっていた。ファミリーの誇り“金色の翼”は今再び大空をめざす。感動の完結編。
ニューヨーク画壇期待の新進画家にして、タロット占いの名手、さらにコンピュータ筋の裏仕事もこなす天才ハッカー“キッド”。彼が防衛産業界の巨魁から依頼されたのはライヴァル社の次期戦闘機開発プランをしっちゃかめっちゃかにすることだった。ヤバイとは知りつつ、失業記者・デイス、女泥棒・ルーエレンと組んでこのでっかいヤマを踏むキッド。彼は明日も無事ビールが飲めるか?
樹々の緑にいろどられ、雨の日には緑の島になる公園。都会のオアシスのようなこの場所に、あの人はきっといるはずだ、という確信がある…。少年野球のコーチ、夫に裏切られた女、高層マンションの1室にひとり暮す老婆、骨折したテニス青年、推理小説家の孤独なハイミス。さまざまな眼が織りなす“あの人”と私の物語。