出版社 : 新潮社
1865年、アメリカ南軍の甲鉄鑑が、バージニアの川霧の彼方へと姿を消したー。1931年、オーストラリアの女性飛行家の愛機は、サハラ砂漠の南西部に不時着したー。そして1996年、サファリに赴いたイギリスの一行がマリで殺戮の洗礼を受ける。おりしもサハラの南、大西洋では巨大な赤潮が発生していたー。ダーク・ピットが歴史の謎と人類の危機に挑む全米No.1の話題作。
果てしなく増殖してゆく赤潮。マリの将軍と結託して事業の拡大に腐心するフランスの悪徳実業家。そして彼らに捕らえられ、強制労働を科せられる科学者たち。死神だけが待つ広大な砂漠の脱出行こそがピットの宿命となった。合衆国大統領が動き、国連事務総長も動く。援軍とともに引き返したピットは、旧外人部隊の砦に立てこもる。数千名に及ぶマリ軍との苛烈な闘いが火蓋を切るー。
若く才能溢れる女性フォトグラファ、ジャズ。三人の仲間と設立したスタジオ“ダズル”を根城に業界を席巻していた。が、有名なフォト・ジャーナリスト、ゲイブをダズルに迎えるという提案がもたらされ、ジャズの心は激しく揺れる。脳裏に甦るゲイブとの甘い日々と思いがけない破局。そして一方では、俳優のサム・バトラーにも激しく心ひかれていた。ジャズの華麗なる愛の序章。
ロサンジェルスとサンディエゴにまたがる広大な牧場を経営するジャズの父マイク。ここにも開発の波が押し寄せていた。昔ながらのランチを守ろうとする父と莫大な財産の相続に目の色を変える継母と姉たち。そして突然訪れた大きな衝撃。その時、崩れそうなジャズを支えたのは…。真実の愛を手に入れたジャズは、姉たちとの葛藤を乗り越え、新しい未来を掴む。
今を時めく美貌のスーパースター、レイチェル・マロンは、何者かに命を狙われていた。彼女のボディガードを依頼されたのは、元シークレット・サービスのフランク・ファーマー。二人は仲違いしつつも、互いに魅かれるものを感じていく。しかし、黒い魔の手はひたひたと忍び寄り、アカデミー賞発表の晴れ舞台でまさに彼女に襲いかからんとしていたー。息詰まる展開のラブ・サスペンス。
長年住みなれた家と土地を離れてしまった漂泊感。父が死してのち、以前にもまして強く迫ってくる親子の絆。漠然とした不安と焦燥を感じる日々…。しかしふと気づけば、時がさまざまなものを穏やかにおし流してゆく。子のない中年夫婦の間にひそむ危うい生活感情をにじませ、円熟の境地に達した4つの連作短篇。
愛する江戸の町を焼いちゃいけねぇ-。薩長軍の足音聞こえる神田鍛冶町・下駄新道の長屋で、千の言語に三つの真実(せんみつ)の上を行く、口にする言葉はすべて嘘の茂平次と、彼を取り巻く町娘、百姓の伜、芸術、下級武士たちが繰り広げる人間模様。激動期江戸の庶民群像を愛情こめて刻みあげた傑作連作長編小説。
ヘッセの生涯は幸せ一途のものでは決してなかった。結婚生活は破綻し、ナチスの支配する祖国ドイツからは売国奴呼ばわりされ、亡命先のスイスで貧窮の日々をおくる。そうした中で生み出された作品は、殺伐とした現代にあって、ますます不滅の輝きを放っている。その波瀾の生涯をたどる国際列車の旅に出発しよう。
かわいらしい名前に似合わぬ毒々しい赤。それがアマリリスの色だ。東京の広告会社を退職してふらりとニューヨークにやってきた“ぼく”の眼に、この街は、アマリリスのように妖しく輝いて見せたー。異国の病んだ大都会を漂流する“ぼく”と、小さな刺青を入れられた中国人女性との出会いと別れを描いた表題作の他、エロチシズムと透明なリリシズムあふれる全7例の連作短編集。
セカンド・カミングー人生の2番目にやってくるもの。たとえば愛、たとえば別れ、たとえば孤独…。人生が靄のように曖昧だった’60年代のあの季節。わたしは彼女たちと時代の空気を共有した。そしていま、わたしは2週間の休暇旅行のなかで彼女たちとの再会の時をむかえた。孤独を体験し鮮やかにアメリカにいまを生きる、それぞれの彼女たちの第2章の愛の語物。文庫書下ろし。
鬱蒼と樹木が繁る都心の高台にある古い屋敷に、父と娘と混血の美少年が住んでいる。桂子の亡くなった夫が気にしていた〈王女の涙〉の香りはそこの庭から放たれていた。一時帰国の桂子は、その香りと日本的な家屋の佇いにひかれて、この敷地内にある部屋を借りた。少年の父親は古井戸に身を沈め、娘の母親は自殺という痛ましい過去…。官能的で挑発的な匂いが誘惑する愛の悲劇。
北陸本線で知り合った女は、夫に逃げられたまま新婚旅行中の花嫁だった…。平凡な家庭と多忙な仕事に縛られていた藤家芳行は、誘惑に負けて女と一夜をともにする。藤家の妻、美冴は夫の挙動に不審を抱くとともに、息子や娘の変貌にうろたえる。静かに破壊されてゆく家庭の幸福。美冴は見えざる敵に怯え、その正体を必死に探るのだがー。舞台・TVドラマともなった愛憎の巨編。
一人しかいない、あの女だ…。敵の正体を掴んだ美冴。幸い、向こうには自分が気づいたことは悟られていない。それを利用するのだ。逆手にとって、自分が奪われた家庭のすべてを、あの女の手から奪い返してやるのだー。妻でもなく、母でもない、ひとりの女としての強さに目ざめた美冴は、頼るべき者も持たぬままにたったひとり、知略を尽くした壮絶な復讐に立ち上がった。
エメラルド色の瞳と炎のような赤毛をもつロシア伯爵家の令嬢ゾーヤは、18歳まで何ひとつ不自由なく暮らしていた。しかし革命ですべてを失い、パリへ脱出した時にゾーヤの波瀾の人生は始まった。バレエダンサーとして貧しい生活を送る彼女は、やがてアメリカ人の大尉と熱烈に愛しあうのだが、運命は彼女にさらなる試練を与えるのだったー。ロマンス小説の女王が贈る感動の愛の物語。
イランの最高指導者が死亡し、中東情勢は緊迫の極に陥った。合衆国空軍第45戦術戦闘航空団は急遽、イラン・イラク国境付近のアサンヤ岬基地に配備される。聖戦を誓う強力なイスラム人民軍との絶望的な攻防。F-4Eファントムの辣腕パイロット、ジャック・ロック中尉の計画は〈狼作戦〉と命名されたー。情熱と確執、闘志と諦観の間で戦闘機に生命を賭した猛者たちの死闘を描く。