出版社 : 新潮社
1924年、ニューヨークは、金と権力で市議会と密接に結びついた政治結社、タマニ・ホールに牛耳られていた。タマニの実力者ウォレンの妻エミリーは、夫の無理解と暴力に耐え切れず、家を出た。幼い頃からの夢、ブロードウェーの女優を目指す彼女の前に、タマニと夫の恐ろしい罠が立ちはだかる…。愛する娘をとり戻すため、自分の身を守るため、エミリーの長い戦いが始まった。
タマニの罠に落ちたエミリーは、売春の現行犯で逮捕された。服役した彼女の再出発は苛酷だった。前科者に女優の口は来ない、勤め先もない。だが、無実を証明し娘をとり戻すには、莫大な訴訟費用が要る。悩み抜いた彼女は、ついに夜の世界へ足を踏み入れた。そして再び、タマニの摩手が…。華やかな20年代の風俗を背景に、自分の力で幸せを掴もうと努力する1人の女性の半生を描く。
10年の刑期を終えて出所した〈世紀の大怪盗〉ハドソン・ホーク。マフィアに脅迫され、盗賊稼業に舞い戻ったホークは、相棒のトミーとともにダヴィンチの騎馬像を盗み出した。騎馬像に隠されていた謎のクリスタル。このクリスタルには、大きな秘密が潜んでいるらしい…。ニューヨーク、ローマ、イタリアの古城を舞台に怪盗ホークが繰り広げる華麗なアクション・アドベンチャー。
CIAにまつわるとてつもない国家機密が隠されている小さな街、ウエストポート。ここでひっそりと暮らしている凄腕の元工作員ポールが、新聞記者のスーザンに恋したときから、波乱は始まったのだった。スーザンの父レスコーは元警官で、麻薬密売組織の大物美女との関わりをCIAに邪推されていた。組織と裏取引のあるCIA幹部は、ポールとその仲間を狙い始めるのだったが…。
野や山を蝶のように遊び回っていた自然児の響子は、望まれて結婚したが、一年たらずであっさり家に帰ってしまい、いぜん、村の掟やタブー、血縁のきずなを蹴っ飛ばして、奔放にみずみずしく生きつづける。響子に女性の“原型”を透視する作者が、生れたままの女の、とらわれない愛のかたちを追求した神話的な長編現代小説。
チヅルは小学4年生。これでもなかなかいそがしい。遊び場に突然やってきたヘンな転校生。おねえちゃんの長電話と初恋の予感。お母さんとオトーサンの秘密の取り決め。チヅルがみずみずしい眼で感じた家族や友だちのこと、かいまみた大人の世界-。夢みる少女の数々の体験を季節感豊かに描いた、甘ずっぱい連作短篇集。
夢を打ち砕かれ、わずか46歳で老人のように病み衰え、ひたすら死地へと、マグダレーナ河をさまよい下る報われぬ旅に出たシモン・ボリーバル。宗主国スペインからの独立を成し遂げ、〈解放者〉と呼ばれた華やかな面影はすでにない…。-失意のうちに没した実在の英雄を描く本格的“歴史小説”。
軍事施設なみの防護網。完璧にシールドされたコンピュータ制御機器。「不可能」のハードルを越えると、またひとつ「不可能」が二人の前に立ち塞がった…。超話題作『黄金を抱いて翔べ』から1年。高村薫は持ち前の科学知識を総動員して、原子炉に狙いを定めた。比類なきクライシス小説千枚。巨大な構築物に素手で立ち向かう男たちの、見果てぬ夢がここにある-。
不幸な生い立ち、不運の連続ながら、清く正しく生きる宮脇年輝。そんな年輝のもとに、またまた不運がやってきた。なんと、妖怪・天邪鬼に取り憑かれ、一緒に暮らすはめになってしまったのだ。天邪鬼の悪戯に悩まされる年輝。でもこの天邪鬼、ただの妖怪じゃなくて、なにかとてつもない秘密があるらしい。『星虫』の著者がおくるハート・ウォーミングな書下ろしファンタジー。
鉄に潜み、刀に形を変え、ひっそり受け継がれてゆく、魔。それは人に憑いて、その運命を変える。一介の僧侶だった斎藤道三は、戦場で一振りの古い刀を拾ったことから出世の階段を登りはじめる。道三の愛妾が生み落とした赤ん坊は、刀とともに忍者集団に拾われ、シナと名付けられた。魔剣に憑かれた美貌の少年シナの運命とは。絢爛豪華に描く、鮮烈歴史ファンタジー巨編、デビュー。
京都発城崎行き特急「あさしお3号」の車内で、十津川警部の友人で作家の沢田功が殺された。事件を追う十津川は、城崎で沢田と会う予定になっていた画家の滝村敬をマークする。しかし、滝村にはアリバイがあった。「あさしお3号」より14分前に城崎に到着した特急「北近畿5号」から隆りる姿が目撃されていたのだ。十津川警部は鉄壁のアリバイを崩せるか?表題作など3編。
刑事上がりのおれは、現在、浅草の高層ホテル『ハイライズ下町』の夜間警備責任者。アメリカ流に呼べば、ホテル探偵ということになる。ある夕方、警備室に奇妙な電話がかかってきた。今夜、ホテルの泊まり客を殺すから、それを制(と)めてくれ、というのだ。どうやらいたずらではないらしい。これが事件のプロローグだった…。近代的高層ビルの30時間を描くサスペンス。文庫書下ろし。
飢饉の奥州から江戸へ出てきた百姓の息子が、奇妙な稼業を転々としながら意外なきっかけで大店の婿養子となる「けつめど」、密偵でありながら潜入先越後新発田藩の善政を知り、あえて将軍の意向に反する復命をして、後に新発田藩主から直々に感謝状を受ける幕府御庭番を描いた「おんみつ侍」。-さまざまな生きざまを艶やかに、そしてせつなくも滑稽に描いた侍シリーズ番外編。
癌で夫を亡くし、暗い日々を送っていたジャネットは、あるパーティーで魅力的な男性シェリダンと出会う。二人はやがて、結婚の約束を交わすまでの仲に。が、幸福の絶頂で事件は起きた。シェリダンがレバノンでテロリストに誘拐されたのだ。しかも、彼の正体はCIAのスパイ。人質解放交渉は遅々として進まず、CIAの対応に業を煮やしたジャネットは、単身、中東へ飛んだが…。
ハーマン・ゴールドは〈ゴールド航空アンド運輸〉の経営者として航空機製造に精魂を傾け、優秀な戦闘機乗りになった息子のスティーブンは各地を転戦し、次々と戦功をたてる。熾烈な新機種開発競争、受注をめぐる虚々実々の駆け引き、落とすか落とされるかの息詰まる空中戦、パイロットたちの熱い友情…。第二次大戦から朝鮮戦争までの時代を背景に、大空に憑かれた男たちの活躍を描く。
閑散とした真冬の避暑地ノース・ウォルポールで、ボストンの大富豪ドレグゼル夫人が殺された。そして、明らかにされた彼女の遺書には、巨額の遺産を自然保護団体に遺すことが記されていた。死体の発見者で元新聞記者のマックは、記事の執筆を元依頼され、取材を開始する。夫人が殺されたのは開発絡みなのか、それとも…。大富豪未亡人殺人事件の謎に挑む元新聞記者マックの活躍。