出版社 : 新潮社
学園裁判。暗号。密室。謎vs論理の青春ミステリ。剣峰成は退屈していた。都内屈指の進学校にもかかわらず、クラスメイトは凡庸な生徒ばかり。目指す高みには到底たどり着けそうにない……。そんな成の前に現れた少女、太刀杜からん。彼女との出会いをきっかけに、成は鷹司高校の真の姿を目の当たりにする。論理と論理をぶつけ合う学園裁判。殺人と暗号。連続密室爆破事件と犯人。若き才能が放つ、青春×本格ミステリの新機軸。
アメリカ南部の大農園〈タラ〉に生まれたスカーレット・オハラは16歳。輝くような若さと美しさを満喫し、激しい気性だが言い寄る男には事欠かなかった。しかし、想いを寄せるアシュリがメラニーと結婚すると聞いて自棄になり、別の男と結婚したのも束の間、南北戦争が勃発。スカーレットの怒濤の人生が幕を開けるーー。小説・映画で世界を席巻した永遠のベストセラーが新訳で蘇る!
南北戦争が始まると、スカーレットの夫チャールズはあっけなく戦死した。遺児を連れてアトランタへと移ったものの、未亡人の型にはめられ、鬱屈した日々を送るスカーレットに、南北間の密輸で巨利を得ていたレット・バトラーが破天荒な魅力で接近する。戦火烈しくなる一方のアトランタを、レットの助けで脱出したが、命からがら帰り着いた故郷〈タラ〉は変わり果てていたーー。
セバスティアンが死亡したと聞いて病院に駆け付けたハリーとエマ。しかしその遺体は息子のものではなかった。バリントン家とクリフトン家の破滅を願うマルティネスの復讐心はさらに過激さをまし、その意を汲んだフィッシャーがバリントン海運の役員として暗躍。一大事業である豪華客船の建造が進むなか、突然の死が一族に衝撃をもたらす……大興奮の「クリフトン」シリーズ第4部。
バリントン海運の株式を巧妙に操作し、会社の凋落を企むマルティネス親子。銀行家ハードキャッスルの後ろ盾を得たハリーたちと、秒刻みの真っ向勝負が始まる。なかなか思い通りに行かず追い詰められたかに見えたマルティネスだったが、彼の悪辣さはハリーたちの想像を上回るものだったーー。ついに完成した豪華客船の処女航海と一族の行く末は、裏切りの羅針盤によって導かれる!
失踪した漫画家の過去、「邪馬台国」の謎ーー葬られた記憶の鍵は、すべて漫画が握っている! デブでオタクで偏屈な天才的漫画編集者、醍醐真司。創作中に姿を消した人気ホラー漫画家の謎を追いながら、最後の“女帝〞漫画家と「邪馬台国」という古代史最大の難題に挑む。すべてのピースがはまったとき明らかになる、おぞましくも悲しい真実とはーー。漫画界のカリスマが魅せる、知的興奮に満ちた博覧強記ミステリ!
「父から何か、頼み事をされませんでしたかー」収監された過去を持つ無頼派の作家、榊の前に突然現れた美しい女性は、二十年前に刑務所で知り合った米兵の娘だった。裏切りと嘘。殺人の死角。禁じられた愛ーあの日の銃弾は、何のために放たれたのか?哀切の美学が物語のうねりをまとって、眼前に押し寄せる!大人にしか判らない、圧倒的大河ロマン!
警視庁捜査一課に所属していた牧しずりは、同僚が捜査中重大事故に遭ったことに責任を感じ、五年前に職を辞した。以来、心を鎖して生きてきた。だが、仲本岬人との邂逅から、運命の歯車は再び回り始める。苛烈な真実。身に迫る魔手。古巣たる警察の支援は得られず、その手にはもはや拳銃もない。元刑事は愛する男のために孤独な闘いに挑む。警察小説の名手が描く、至上のミステリ。
若き医師・一ノ瀬希世は、伊豆諸島の小さな島の診療所に赴任してきた。人口四百人弱の同地には、健康増進運動が浸透している。住民たちは皆いきいきと暮らしており、長患いする者もいないという。だが、その運動に関心を抱いていた旧友の女性新聞記者が突然失踪。希世は不審な死や陰鬱な事件に次第に包囲されてゆく。この島で、一体何が起きているのかー。戦慄の医療サスペンス。
元警察官の“探偵”水野優希がコンビを組んだのは、容貌魁偉、博覧強記、かつとても感じの悪いフリー編集者・醍醐真司だった。巨匠漫画家のスタジオに残されていた、未発表作品の謎の解明を依頼されたのだ。やがて、この画稿と過去の連続女性失踪事件が重なりはじめーー。『MASTERキートン』はじめ数々のヒット作を手がけてきた著者が全ての力を注ぎ込んだ、驚天動地の漫画ミステリ。
たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊いー。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川養生所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。
孤独と暴力に耐える日々のなか、級友の弥生から絵本作りに誘われた中学生の圭介。妹の誕生に複雑な思いを抱きつつ、主人公と会話するように童話の続きを書き始める小学生の莉子。妻に先立たれ、生きる意味を見失いながらボランティアで読み聞かせをする元教師の与沢。三人が紡いだ自分だけの〈物語〉は、哀しい現実を飛び越えてゆくーー。最高の技巧に驚嘆必至、傑作長編ミステリー。
沈みゆく御用船に囚われた新三郎と魁たち。ロシアとの密貿易を企む豪商・安芸屋はロマノフ王室への貢物にするため、新三郎たちから一族の秘宝を奪い、恋しい沙伎も連れ去られる。追い詰められた彼らは必死で反撃するが、安芸屋はロシアの戦艦を呼び寄せ、殲滅にかかる。絶体絶命の窮地に現れた不思議な出会いと隠された力。熱いアクションで時代小説に挑んだ人気シリーズ完結篇!
ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。暗い場所で出会い、暗い過去を抱えながら、支え合って生きてきた。小さな喜びを大切にし、地に足のついた日々を過ごしていた二人だったが、あの大きな出来事がそれぞれの人生を静かに変えていく。彼女たちはどんな幸せをつかまえるのだろうかー。心を優しく包み込む人気シリーズ、感動の完結編。
その病気(ナゾ)、命にかかわるぞ? 炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらぬ病気で……。破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。
ミステリ、ホラー、ゴシック小説など様々なジャンルで後世に多大な影響を及ぼしたアメリカ最大の文豪ポー。彼は他にSFやファンタジーの分野でも不朽の名作を多く残している。2848年、気球スカイラーク号での旅を描いた「メロンタ・タウタ」、サイボーグをテーマにした「使い切った男」、ディストピアについて描こうとした、彼の遺作で未完成作品「灯台」など、傑作全7編を収録。
おまえは日本人じゃない、旧日本人だ。そして我が国は今も世界中で戦争中なのだ! 小説の書けない作家Tが母の墓参りに向かっている途中で迷い込んだのは、国民は制服を着用し、平和的民主主義的戦争を行い、戦争こそ平和の基盤だと宰相Aが煽る「もう一つの日本」だった。作家Tは反体制運動のリーダーと崇められ、日本軍との闘いに巻き込まれるが……。獰猛な想像力が現実を食い破る怪物的野心作!
男はある晩、家族を残して家を出たーまた別の男は突然、選挙に立候補する。ある高台の町を舞台に、そこに流れた百年の時間と親子孫三代を軸に、自然災害、戦争、さらには資本主義経済と抗いがたいものに翻弄されながら、絶えまなく続いてきた人間の営みを活写した傑作長篇。