小説むすび | 出版社 : 早川書房

出版社 : 早川書房

ロスト・ガ-ルズロスト・ガ-ルズ

事件はカナダ北部の湖畔に臨む小さな町、マードックで起こった。2人のティーンエイジャーの少女が行方不明となり、警察の懸命な捜索でもまったく発見できないのだ。まもなく、少女たちが通っていた学校の教師が逮捕された。彼女たちが行方を絶った日、2人を車に乗せて帰るのが目撃されている。車の後部座席からは血痕も見つかった。少女たちの遺体が発見されないまま、教師は殺人罪で起訴された。若き弁護士クレインは、全国的に注目を浴びている少女失踪事件裁判の被告を弁護するために、はるばるトロントからやってきた。勝訴のためなら偽証も辞さない辣腕家で知られる彼は、さっそく町の古いホテルに投宿し、被告となった教師と接見する。殺人罪を立証する遺体が未発見なので、状勢は圧倒的に有利だ。だが、教師の様子はクレインを不安に陥れる。やがて、ホテルで公判の準備に明け暮れるクレインは、奇妙な現象に悩まされはじめた。鳴りやまない電話、囁く声、白い人影…。事件にも、どこか不可解なところがある。図書館で町の歴史を調べた彼は、そこで…。カナダで発表されるや絶賛され、英米をも席捲した注目作登場。

夢でなければ夢でなければ

ゴールデンゲート・ブリッジを望むサンフランシスコのアパートに移り住んだ建築家の青年アーサーは、入浴中クロゼットから歌声がするのを聞いた。クロゼットを開けると、そこには若い女性がいた。驚くアーサーに、その女性は説明した。彼女の名はローレン。病院の研修医で、この部屋の住人だったが、自動車事故を起こして、自分の「本体」は病院で数ヵ月前から昏睡状態にあるという。つまり、今ここにいるのは「本体」から脱け出た幽霊だというのだ。たしかにローレンの姿はアーサー以外の誰にも見えず、声も聞こえなかった。やがてローレンの話を信じるようになったアーサーは、彼女を救いたいと考えはじめる。だが、そんな彼に難問が。ローレンが安楽死させられることになったのだ。アーサーは周到な計画を立てて彼女の「本体」を病院から盗み出すことに成功、子供時代を過ごした田舎の家に隠れることになった。そこでいっしょに暮らすうちに、二人の間にいつしか愛が芽生えてきた。だが、この奇妙な状態がいつまで続くか保証はなかった。しかも、警察が捜査をすすめ、二人のもとに迫っていた…。

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