小説むすび | 出版社 : 早川書房

出版社 : 早川書房

世紀の終わり世紀の終わり

ジョージ・マクティアは、番組制作会社のプロデューサー。16,575ドルという破格の週給を得る彼は、苦労のすえ、新番組の契約をとりつけた。妻のリジー・ジンバリストは、ソフトウェア会社の社長。自社株を売却するため、マイクロソフトと交渉を重ねている。家族で過ごす時間が限られた二人は、Eメールを交わして子供たちとコミュニケーションをとる。慌ただしい一日のあと迎える二人だけのわずかな時間。秘密はいっさい持たないけれど、互いのビジネスには干渉しない-これが夫婦の信条だ。そんな二人に衝撃が走る。ジョージの母の事故死、リジーの父の容態の急変。二人は会社で用意してくれたジェット機で、斎場から病院へと駆けつける。そして、心を休める暇もなく、次の仕事に奔走するのだった。帰路、ホテルの部屋で一人悲しみにふさいでいたジョージは、夫婦で共有しているコンピューターを立ち上げた。誤って開いた妻のファイルには、彼の上司のファーストネームが。突然持ちあがった妻の不倫疑惑。彼の日常を揺るがすこの事件は、世紀の変わり目までつづく混乱の序章にすぎなかった…。舞台は2000年2月28日から2001年年明けまでのニューヨーク。時代の最先端に立つ夫婦を通し、現代社会の断面が鮮やかに描かれる。21世紀を迎えるまでを現在進行形で体験できる画期的小説。

アウトロ-のOアウトロ-のO

「期限切れの倉庫から出てきた品物に興味はありませんか?あなたに関係した品物のようですが」ある朝キンジーのもとにかかってきた一本の電話が、とっくの昔に封印したはずの思い出を甦らせた。埃まみれの箱の中身は、彼女自身の卒業証書、写真、古い手紙、洗面道具、テープレコーダー…そう、この品々はキンジーが最初の夫、ミッキー・マグルーダーと別れた時、彼のもとに残してきたものだ。当時は優秀な警察官だったミッキーだが、キンジーと離婚した後、職を失い、どこで何をしているのかは彼女も知らなかった。いや、知りたくもなかった。だが、箱の中にあった一通の手紙をきっかけに、キンジーは別れた夫を捜そうと決意する。今は疎遠となった、かつての同僚、友人を辿るキンジー。しかし、十五年振りのミッキーとの再会は、彼女が予想もしない状況で果たされることになった…。キンジーの語られざる過去、最初の夫の秘められた生活、そして明らかになる、二十年前の謎の事件-ミステリ界のトップランナーが贈る、人気シリーズ最新作。

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