小説むすび | 出版社 : 早川書房

出版社 : 早川書房

凶手凶手

彼の名はジョン、あるいはゴーストとも呼ばれている。一切の武器を持たないハートレスな殺し屋だ。精妙な感覚と異様な剛力を秘めた自分の両手が唯一の凶器。そのまがまがしい手で、請け負った仕事を確実にこなしていく。しかし、仕事以外のことには関心も知識もなく、しかもひどく無口なので、他人からは頭が弱いと思われている。そんな彼が初めてシェラと会ったのはシアトルのストリップ・バーだった。彼女は店の踊り子で、ふたりは互いに相手が同種の人間であることを嗅ぎ取り、美人局のコンビを組んで、デンヴァー、ヒューストン、ニューオリンズと放浪の旅をつづけた。ところが、タンパという町でふたりは殺人事件に巻き込まれ、シェラは失踪、ジョンは殺人犯として刑務所で三年間すごした。出所後ジョンは、姿を消したシェラを捜し出すことしか頭になかった。しかし、手がかりは全くない。何としてもシェラと会い、逃げた理由を直接聞き出したい彼は、どんな危険な仕事も引き受けながら、シェラ捜しの旅をつづけた…。

略奪者略奪者

第二次大戦中にゲーリングが集めた高価な絵画。その一部を買った人物のリストを、国際テロリスト、ユルゲン・シュトラッサーが手に入れた。シュトラッサーは、東ドイツの情報機関シュタージでテロリストの訓練教官だったが、東西ドイツが統合されシュタージが消滅すると、独自に活動を始め、西ドイツ赤軍派の再建に取りかかっていた。シュトラッサーは、リストをもとに新たな活動資金を得る計画を立てた。リストに載った人物を襲つて絵画を奪い、闇のマーケットに流そうというのだ。が、CIAとモサドの共同作戦により、二人の情報部員が彼の後を追い始めた。一人は、CIA対テロリスト課の精鋭マイク・セムコ。元デルタ・フォース隊員でシュトラッサーに殺された同僚の仇を討とうと心に誓っていた。もう一人は、モサドの女性部員レイチェル。彼女もまた、この作戦に特別な感情を抱いていた。だが、共同で追跡を始めた彼らのほかに、ロシアの対外情報部SVRもシュトラッサーを追っていた。壮絶な追跡の末に、やがて明かされる衝撃の事実とは?熾烈な情報戦の中で、プロフェッショナルたちが繰りひろげる果てしなき死闘。ひねりの効いたプロットで描く白熱の冒険アクション。

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