出版社 : 早川書房
GS二重惑星王国の王女が暗殺された。遺体につきそって、王女の母星グラス・ワールドを訪れたムナカタ大尉が見たものは、惑星全土に広がる大草原とそこを悠然と走る車輪付き巨大帆船だったー。だが、その地で何者かがムナカタたちを襲う。王女暗殺は宮廷内部の犯行なのか?犯人を追って、二重惑星のもう一方の星へ飛んだ連邦宇宙軍。だがそこで彼らを迎えたのは、仇敵エリミネーターだった。快調SFシリーズ第6弾。
最新の科学技術を結集したアメリカの軍事宇宙ステーション〈シルヴァー・タワー〉。レーザー兵器の開発に心血をそそぐ女性科学者アンは、ここで弾道ミサイルの迎撃実験を行なっていた。そんな折り、ペルシャ湾沿岸で米ソの武力衝突が勃発した。圧倒的な戦力にものをいわせて次々と戦略拠点を制圧してゆくソ連軍に対し、アメリカ側は超高性能レーダーを搭載した〈シルヴァー・タワー〉を投入し、戦局の逆転を図るが…。
ソ連軍の動向を瞬時にして探知する〈シルヴァー・タワー〉のレーダーを用いて、アメリカ軍は驚異的な反撃を開始した。劣勢に立たされたソ連軍は、対衛星兵器を駆使して〈シルヴァー・タワー〉に攻撃を加えるとともに、ペルシャ湾に展開するアメリカ第七艦隊に大攻勢をかけるが…。『オールド・ドッグ出撃せよ』の著者が、陸海空と宇宙で展開される現代戦をリアルな筆致で描く、壮大なスケールのハイテク軍事スリラー。
妻が自分の親友と浮気していることに気づいた亭主は考えた。妻を殺してその罪を親友に着せてやろう。それも後世に語り継がれるような芸術的な方法で。悩んだ末に男は、ブロック、ラヴゼイら当代一流のミステリ作家五人に相談を持ちかけた。寄せられた回答は入念なものばかりだったが、やがて作家たちは互いの計画をけなし合いはじめた…。完璧な殺人法をめぐって、人気作家が知恵と技とを競い合うユニークな合作ミステリ。
2130年に太陽系外から忽然と現われた謎の飛行物体。ラーマと名づけられたこの物体は、長さ50キロ、直径20キロの巨大な宇宙船と判明した。だが、人類が初めて遭遇した異星の構築物は、その目的もわからぬうちに太陽系を去っていってしまった。そして70年後、第二のラーマが太陽系に現われた。ラーマとそれを建造した異星人の正体を探りだすべく派遣された調査隊は、謎を解明できぬまま地球に帰還した。だが、宇宙のいずこかをめざして飛びつづける第二のラーマ内部には、調査隊員三人が取り残されていたのだ。さまざまな辛苦を重ねて生き延びていたニコル、リチャード、マイケルが、旅路の果てに見た驚くべきものとは。
1905年、26歳のアインシュタインはスイスのベルン特許局で勤務しながら、革命的な物理学理論の研究にうちこんでいた。それは、彼の生涯でももっとも輝かしい年といわれるほど重要な論文がつぎつぎに発表された一年だった。特殊相対性理論の完成を目前にしたアインシュタイン。だが彼は、夜ごと奇妙な夢に悩まされていた。夢に出てくる異世界では、時間が循環したり、静止したり、逆流したり、しゃっくりしたり、目に見える次元になったり…と、ありとあらゆる奇妙な様相を見せる。夢と現実が重なりあうとき、この世界までもが変容を余儀なくされていった。現役物理学者が専門的知識と比類なき詩情、卓抜な想像力を融合させて、アインシュタインが見たかもしれない数々の夢を流麗に描きあげ、英米読書界に衝撃を与えた話題の傑作。
最初の結婚に失敗し、二度目に幸せな家庭を築いたものの、最愛の妻と一人娘をある悲惨な事故でいっぺんに失くしたマットが、帰りたくない過去のおぞましい事件の謎に迫っていく。ボストンに登場した異色の私立探偵マット・ジェイコブ・シリーズ第2弾。
島の見学ツアーに出発した顧問団の一行、そしてパーク創設者の孫である子供たちを見舞った、すさまじいパニック。コンピュータで完全にコントロールされているはずのシステムに次々と破綻が生じ、停電したパーク内で、獰猛なティラノサウルスが、悪賢いヴェロキラプトルの群れが、人間たちに襲いかかる。科学知識を駆使した新しい恐竜像、ロマンと興奮あふれる面白さで話題をまいた、スーパー・エンターテインメント。
サラ・フォーチュンはふたつの顔をもっていた。昼間は、ロンドンの事務所ではたらく若く有能な弁護士、そして夜は、金持ちの男たちの相手をして、高価なプレゼントをうけとる美女…。サラがそういう生活を送るようになったのは、亡くなった夫が自分の妹と浮気していたのを知ってからだった。以来、彼女は貞節や名誉といったものから解放され、さえない男とつきあって相手に自信をもたせることに喜びを見出していた。弁護士のマルコムも、そういう男たちのひとりだった。彼の内面に隠された繊細さを見抜いたサラは、彼と一夜をともにし、翌朝、姿を消した。だが、マルコムは彼女を忘れられず、執拗に追いもとめた。一方、サラの知らないところでは、おなじく彼女を狂おしいまでに愛し、その行動を見つめつづける、もうひとりの男がいた。愛に絶望した女と愛に憑かれた男たちが織りなす歪んだ三角関係を、緻密な心理描写で描く異色サスペンス。
この光景は以前にも見たことがある。女子大生のリネイは、部屋の鏡に残された血痕を見たとたん、遠い日の記憶をかすかに取りもどした。腕から血を流している母の姿ーだが、あの時いったい何が起きたのか?忌まわしい記憶の断片に苛まれるリネイのもとに、やがて血染めの脅迫状が…。現在と過去の二つの悪夢が交錯する、気鋭女性作家の心理サスペンス。
ホープの友人の探偵が何者かに射殺された。殺されたとき彼は、著名な実業家からの依頼で“シンデレラ”の行方を追っていた。実業家は舞踏会でガラスの靴をはいた美女と出会い、一夜をともにした翌朝、高価な時計を持ち逃げされたのだ。友人を殺した犯人を見つけるため調査を始めたホープは、女が麻薬組織からも追われているのを知るが…。マイアミを舞台に展開する二重三重の追跡劇を緊迫したタッチで描くシリーズ注目作。
植民惑星ミランダは変化の時を迎えていた。極地の氷が解け、陸の大半が水没する時季が近づいていたのだ。この星に星間政府の役人が派遣されてきた。グレゴリアンという男が禁制テクノロジーを使用し、水中生活の可能な改造人種を作りだしているとの報があったのだ。グレゴリアンの足跡を追ううち、役人は美しくも怪異なこの星の罠にからめとられていく…。科学と魔術を華麗に融合させ絶賛を浴びた珠玉のネビュラ賞受賞作。
〈辺境〉星域における反地球勢力〈同盟〉の中心地、惑星サイティーン。ここでは植民政策にともなう人員増強のため、徹底した遺伝子操作とテープ学習によって人間が“製造”されていた。この技術を管理する遺伝子工学研究所は、ひとりの老獪な女性科学者アリアンが全権を掌握している。才能と権力をほしいままにする彼女が極秘のうちにすすめる、きわめて危険な試みとは。ヒューゴー賞に輝く傑作SF巨篇、堂々の開幕。
都で1、2を争う腕を誇る美貌の剣士、リチャード・セント・ヴァイヤー。暗殺請け負いをなりわいにしている彼は、愛人の美青年アレクとともに気ままな暮らしを送っていた。そんなある日、政敵を追い落として権力を握ろうと図る大物貴族から仕事の依頼が舞いこんだ。そのときから、リチャードの運命はすこしずつ狂いはじめた…。剣に生きる男の恋と波乱の生涯を華麗に描く、アメリカ・ファンタジイ界期待の新鋭の傑作長篇。
航空機墜落調査班のメンバーである心理学者ノーマンは、召集を受け、南太平洋へ飛んだ。海底に沈んでから少なくとも三百年は経過している宇宙船が発見されたというのだ。ノーマンをはじめとする科学者チームは、海底居住施設を拠点にして、船内の調査をする。未知の生命体との遭遇に脅えながらも船内深く到達した彼らの前に、不思議な球体が出現した。『ジュラシック・パーク』の著者が放つ傑作エンターテイメント。
居住施設に戻った科学者チームの周囲では、奇妙な出来事が続発する。突如モニターテレビに謎の数字が並び、海底ではエビや発光するイカやクラゲが異常発生し、さらには狂暴なオオイカの触手が彼らを襲う。すべては謎の球体に関係があると考えたノーマンは、再び宇宙船へ乗り込み、球体とのコンタクトを試みるが…。ハイテク機器を用いた深海調査や、心理学、海洋学の豊富な知識を随所にちりばめた興奮の深海サスペンス。
この絶望的な胸の痛みをどうしたらわかってもらえるのだろう。何不自由ない生活を送っていながらも、どこか満たされないのだ。そんなある日、宅配業を営む友人が殺され、運んでいた書類が盗まれるという事件が起きた。書類にはいったいどんな秘密が隠されているのか?好奇心に駆られ調査を始めたわたしの前にやがて歴史上有名な冤罪裁判の存在が浮かび上がった。冒険への郷愁やまぬ中年男ドク・アダムズの新たな活躍。
名門の男子寄宿学校で、一人の生徒が首の骨を折って死んでいるのが見つかった。学校側は事故死として片づけたが、その直後、別の生徒がまたもや死体となって発見された。今度も首が不自然にねじれており、殺人と断定した警察は捜査を始める。だがまもなく、新たな犠牲者が…。残虐な手口で生徒を次々と狙う犯人の目的とは?外部から隔絶された寄宿学校で起きた連続殺人を、期待の新人が鮮烈に描きだす出色のサスペンス。