出版社 : 早川書房
あなたに愛想がつきたの。無気力、無味乾燥。もうたくさんー愛しのチコのまさかの別れ話に、さすがのぐーたらトレースも愕然となった。このままでは、わが人生の唯一の成果を失うことになる。だが、どうしたらいい?助け舟はニューヨークの父親からやってきた。私立探偵のライセンスをとり、探偵事務所で働けというのだ。話をもちかければ、チコも大乗り気、拳銃とトレンチコートに憧れ、あっけなく承諾した。こうして探偵稼業が始まったのだが…毒殺事件をめぐり、丁々発止、プロの刑事とわたり合うにわか探偵たちを新趣向で描く新作。
ニューヨークのナショナル・バレエ団では、新作の公演に向けて猛練習が続けられていた。主役を踊るのは花形プリマかライバルか。相手役の男性ダンサーは誰になるのか。すべては芸術監督兼振付家のホルトの胸一つにかかっていた。そんな矢先、ホルトが刺殺された。犯人は逮捕されたが、その殺人には依頼者がいたことが判明した。が、それが誰か告げる前に犯人は死んでしまったのだった。バレエ団の理事長をつとめるウォール街の老弁護士フロストはひそかに調査を始めたが…。現代ニューヨークの知識階級の生態をいきいきと描くシリーズ第二弾。
名家の生まれだが貧乏暮らしのミス・メルヴィルは、突然唯一の収入源である美術教師の職を失ってしまった。これでは生活していけないー彼女は自殺を決意した。ところが…ひょんなめぐり合わせでフリーの殺し屋にとらばーゆしてしまったオールド・ミスの危険な仕事の数々を、現代ニューヨークを舞台に描く話題のシリーズ第1弾!
3月初めの寒い日、ボストンの街は異常な連続殺人の話題でもちきりだった。これまで3人殺されていたが、いずれも40代の黒人女性で、みな両股の間を拳銃で撃ち抜かれ、みな乳房の間に赤いバラが1本おかれていた。被害者の職業も売春婦、ウェイトレス、ストリッパーと、どこか共通点がありそうだった。しかもマスコミから赤バラ殺人鬼と呼ばれはじめた犯人が、クワーク警部補あての手紙で、自分は警察官であると言ってきた。そこで警部補は、警察関係者でないスペンサーに協力を求め、ベルソン部長刑事と共に独自の調査グループを作った。そんな矢先、4人目の被害者が出た。悪魔のような殺人をくりかえす犯人は一体どういう人物で、狙いは何なのか?ボストンの街を凍えさせる赤バラ殺人鬼に立ち向かう私立探偵スペンサー!新展開をみせる人気シリーズ第15作。
3000万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーは、安ホテルの不潔なベットで目覚めた。昨夜番組のあと、思わぬ事故で意識不明となり、ここに収容されたらしい。体は回復したものの、恐るべき事実が判明した。身分証明書が消えていたばかりか、国家の膨大なデータバンクから、彼に関する全記録が消え失せていたのだ。友人や恋人も、彼をまったく覚えていない。“存在しない男”となったタヴァナーは、警官から追われながらも、悪夢の突破口を必死に探し求めるが……現実の裏側に潜む不条理を描くジョン・W・キャンベル記念賞受賞作!
8年前に捨てた妻子に会いたい-気鋭の画家ゲリーの頼みで、私立探偵アッシュは2人の行方探しを始めた。だが、依頼人の妻レイニーは再婚、息子ブライアンは、悲惨なことに、母の運転する車に乗って事故に遇い、幼い命を散らしていた。報告を聞いて激昂するゲリーに、アッシュは一抹の不安を覚えたが…。過去を秘めた謎の魅力とハードボイルドの詩情を堪能させる著者会心の作!
探索の旅は終わった。世界を支配できる力を秘めた〈アルダーの珠〉を奮取し、ガリオンはリヴァ王となってセ・ネドラ王女と結ばれた。すべてこれらのことは時の始まりより定められていたこと。そして今、〈予言〉が語るように、ガリオンは邪神トラクとの最後の対決の途上にあった。だが、彼は暗澹たる思いに閉ざれるばかり。自分の意志とは無関係に王にされ、あげくのはてにトラクを倒せという。だがしかし、果して死すべき人間に神を打ち負かすことなどできるのだろうか…。全米でベストセラーを記録したエピック・ファンタジイ、堂々完結。
宇宙飛行時における最大の問題はートイレ。特に長期飛行の場合は大問題だ。しかし、わが森田衛生設備株式会社が誇る最新式無重力トイレがあれば、そんな悩みは解消。無重力でも快適な生活が送れるはず、なのだが…。このわが社自慢の製品にクレームをつけてきた客がいる。どうやらセンサーの調整ミスみたいなのだが、大変なことになっているらしい。ヴィデオフォンの向こう側にいる不定期貨物船オーナーの罵詈雑言がその程度を示していた…無重力トイレをめぐる大騒動を描く「無重力でも快適」他、5篇を収めるSF短篇集。
おれは美少女麻美と読者もうらやむ甘い生活に浸っている。そのうえ、いつもとんでもない怪現象に巻き込まれ、ものすごく刺激的な日々でもある。うらやましいだろっ!さて今回は正雄が謎のボディコン美女と失踪したのが事の起こり。恋人の杉山は半狂乱になり、そのうち、なんと世界が幻の海に沈んでいくのだ。(またも杉山の変態パワーの暴走か!?)しかも他人には幻でもおれたちには現実の水。なんとかゴムボートで脱出するが…。かくて地上を離れたおれたちは、杉山の変態的直観力に導かれるまま、正雄を求めて天の海原へ乗り出すのだった。
第二次世界大戦中、フランスで対ナチ情報網に従事、目覚ましい功績をあげたチャンピオン。アラブと密接な関係を持つ彼を、いま西ドイツが武器密輸容疑で追いはじめた。かつて情報網の一員だったわたしは、英国情報機関の指令を受け、彼の身許調査を開始する。だが、チャンピオンの身辺に送り込まれた女情報部員は失踪、わたしは情報網ゆかりの地ニースへ飛ぶ。そこで見いだしたものは、戦争の英雄たちの30年後の姿と、巧妙に張りめぐらされたチャンピオンの計画だった!巨匠が古き時代のスパイたちの姿を通して、非情な現代情報戦を描く力作。
忍び寄るピューマ、襲いかかるワシ、そして疾走する馬ー内気な高校生ダンが唯一心を開く相手は、部屋に飾ったポスターや剥製の動物たちだった。無理解な父親から獣医になる夢を禁じられ、学校では校長の息子として特別な目で見られる。そんな彼の鬱屈した心を動物たちは慰めてくれた。だが、町に連続殺人鬼が現われ、その魔手がダンに伸びたとき、突然闇の中から不思議な影が!正統派ホラーの流れをくむ著者が、思春期の少年の幻想が悪夢の世界を鮮烈に描く。
イギリスが開発した戦闘攻撃機ブラックホークがテスト飛行中に墜落し、パイロットの空軍少佐が死亡した。三重のフェイルセーフ・システムを備えた最新鋭機がなぜ?墜落の原因をめぐって謎が深まる中、ブラックホークの配備をめざす政府側と、イギリス版SDI“スペース・ストライク計画”の推進派との対立が激化し始めた。そんな折り、死亡した少佐の恋人でイギリス空軍の女性パイロットのエリカは、通信社の記者である少佐の兄と墜落事件の調査に乗り出す。だが、やがて彼らにも不気味な死の影が!緊迫した筆致で描き出す航空サスペンス。
交通事故で四肢が麻痺したアランを心底理解して世話をするのは看護婦エラだけだった。といっても彼女は人間ではない。研究中の新薬で知能が向上した猿だった。人間と猿との心暖まる交流。が、しだいにその関係は悪夢を生み出していった…。〈ゾンビ〉三部作で著名なジョージ・A・ロメロ監督が贈るホラー映画原作。
スタート合図のピストルの音が響き、六人の選手がいっせいにプールに飛び込んだ。と、みるまに第二コースの女性のまわりに赤い輸が広がっていった…そこは、スタート直前のコース変更までは友人のアリシアが泳ぐはずのコースだった。命を狙われるどんな秘密が、アリシアにはあるのだろうか?友人の窮地を救うため、わたしは航空会社のエンジニアである彼女の身辺を洗いはじめた…女探偵V・I・ウォーショースキーの心暖まる活躍を描く「むかし泳いだ場所で」はじめ、今もっとも注目を浴びる私立探偵が登場する書き下ろし12篇を収録。
おれの特殊な能力を見込んだ友人の依頼をうけ、おれはある天文台へ向かった。そこで出会った天文台の関係者らしい美貌の女性の話によれば、最近、世界有数の天体物理学者がこの天文台から姿を消したらしい。しかも、どうやら宇宙科学者の失踪事件はこれにとどまらず、ソ連でも発生している。CIA、KGBなども必死にその足どりを追っているらしいのだ。この世界的な集団失踪事件の背後にはどんな秘密が隠されているのか…。広大な宇宙に源を発するコズミックな異常現象とその謎の解明に挑戦する超能力探偵アシュトン・フォードの新たな活躍。
夕方のセミナーで私を笑いものにしたのは、美しい女子大生だった。私は中年の大学教授で、片頬に醜悪な傷があった。その傷を女子学生の目の前につきつけると、笑い声はやんだが、私の頬は思いきりたたかれた。この時から、彼女への異常なまでの愛情が湧き起こったのだ。期待の英国女流新人が放つ各書評子絶賛の“美女と野獣”の物語。
高校生のカップルと若妻が連続して惨殺され、平和な田舎町は震撼した。しかし被害者同士には何のつながりもない。妻と教え子を殺されたうえ、警察から殺人容疑までかけられた高校教師ブレットは、一見無関係な事件の謎を追うが…。戦慄の連続殺人と無実の男の必死の追跡行を巧みなプロットで描く、期待の新進女流のサスペンス大作。
ベートーヴェンの交響曲〈エロイカ〉の形式にのっとって、英雄ナポレオン・ボナパルトの波瀾万丈の生涯を描き上げる-音楽と文学を合体させた壮大な実験場が、この本である。1796年の第1次イタリア遠征、ジョゼフィーヌとの結婚を幕開けに、コミカルな独裁者、凡人の悩みをかかえた皇帝ナポレオンの姿を、エジプト遠征、ロシア遠征、エルバ島およびセント・ヘレナ島配流などを通じて“文学の交響楽”の中に浮彫りにする。英文学界にそびえる巨人バージェスの、文学性豊かな笑いと諷刺にあふれた、大胆不敵な長篇。