出版社 : 朝日新聞出版
『お熱いのがお好き』『七年目の浮気』など、おなじみの映画から、マリリン・モンローが飛び出し、影武者リンとコンビを組んで大活躍!ジョー・ディマジオやヴィヴィアン・リーも登場。上を下への大騒ぎで、難事件(?)を解決していく、推理仕立てのユーモア小説。
東アジアの利権をめぐり列強の思惑が錯綜する1901年ロンドン。日英同盟を阻止すべく、日本側全権公使を狙う刺客が放たれた。一瞬にして刃で喉を掻き切る凄腕。もと京劇の女形、コード名「朱雀」とスコットランド・ヤードの死闘が始まる。時代の転換期に蠢く郡像を活写した巨編。
「旅先の祭りのなかをこうしてぶらぶら歩くこと、それがわたしの祭りだった」-植民者の子として過ごした朝鮮での記憶を抱きつつ、旅商いの人々の漂泊と遠い夢に惹かれ、各地の祭りを尋ね歩く日々。友人たか子もまた、露店の親分との強烈な過去を持っていた。二人の心が漂う幽玄の世界を描く。
書下ろし長篇近未来パニック小説。我々は、日本国政府に対し、宣戦布告する。家族の絆を守るために、斎藤家の家長・総一郎は、核弾頭を手に立ち上がる-。「国家主義カースト制」によって、超管理国家となった2075年、日本国・東京。長年、住み慣れた家を政府の策略により追われた斎藤家は、毒ガスに汚染された危険な地域・ナリタニュータウンへの移住を強制される。政府の勧告を無視し、転居を拒む住民たちに対して国家権力は数々の嫌がらせや追い立てを画策する。政府の汚いやり方に怒り心頭に発した斎藤家の家長・総一郎は、住民のリーダーとして抵抗運動を展開するが-。
日中の溝が拡がる1930年代。美貌の娘・碧雲は神戸の日本人家庭に育てられた。突然舞い込む紙片に記されたメッセージー中国人であることを忘れるな!目に見えぬレールが彼女を故国へと導く。抗日運動の地下組織に身を投じる人々の、激烈な生を描く。
加速する日本軍の大陸侵略、次々と陥落してゆく都市。亡国の危機にさらされた中国を救おうと泥沼の戦場へ向かう同志たち。自分だけにしか出来ない仕事ー碧雲は地下組織からの使命に奔走する。乱世に生きる人間の宿命と愛。壮大なサスペンス・ロマン。
屋上から落下した氷の塊に頭を打たれ、昏睡状態に陥った夫。暗い予感に脅えながらも友情と希望の力に支えられ、看病を続ける若い妻-人の営みの中にある小さな宝石をすくいあげ、静かな感動をもたらすエリザベス・バーグの最新長編小説。
日本中が太平洋戦争一色に塗りつぶされていく頃、戸数40戸ほどの楚洲の村で、松堂家の人々は仲睦まじく暮らしていたが…沖縄本島北部「ヤンバル」と呼ばれる美しい自然のなか、病に、戦争に、命を脅かされながらも、素朴な愛を失わず生きる人々を詩情豊かに描く。沖縄県具志川市文学賞受賞。
平安時代後期、建礼門院に仕えた右京大夫。栄華を極める平家の若き貴公子・資盛を愛し、年上の芸術家・隆信に愛され、絵巻のように華やかな日々を過ごした彼女には、悲歎と怨嗟の後半生が待っていた…。源平の合戦という歴史の波に翻弄された生涯を哀しくも鮮やかに描いた、女流文学の珠玉。