出版社 : 東京創元社
日本SF史にその名を刻む、≪銀河英雄伝説≫愛蔵版 全7集完結 【《銀河英雄伝説》刊行40周年記念出版】正伝を2作ごとにまとめ5集に、外伝全編を時系列順に再編して2集に収め、全7集を四六判上製・函入りで贈る。この外伝第2集には順に、長編(外伝1)『星を砕く者』、短編「汚名」、長編(外伝2)『ユリアンのイゼルローン日記』を収録。創元SF文庫版を飾ったカラーイラストを口絵に再録。全7集完結。 ■目次 「星を砕く者」 「汚名」 「ユリアンのイゼルローン日記」
半身を覆う蘇芳色の痣と虚弱な心臓を持ちながら、同級生からの揶揄に対して苛烈なまでの矜持を示した少女・夏野。小学校時代、ほんの一瞬だけ彼女と交流を持った瑞葉は、高校生となって再会したとき、さなぎから蝶に羽化したような夏野に魅了された。数年前に奇妙な自殺を遂げたかつての同級生の死を調査するなかで、二人は距離を縮めていく。自殺した少年・要は夏野の痣の絵を描いたという理由でいじめを受け、それを苦に死を選んだと思われていた。彼を罰するかのように、要の死体は肌の半分を赤い絵の具で痣のように汚されていたー
映画『アイリス』に子役として出演し、脚光を浴びた瞳介は、その後俳優として成功できずに高校卒業前に芸能界をやめた。だが、映画で妹役を演じ、現在も俳優として人気を集めている浮遊子との関係は断てずにいる。『アイリス』の栄光が、彼を過去へと縛りつけていた。そしてそれは、監督の漆谷も同じだった。二十八歳で撮った『アイリス』は数々の賞を受賞したが、彼自身はそれ以降どれだけ評価を得ても、この作品を超えられないという葛藤を抱えていた。ひとつの映画が変えた俳優と監督の未来。人生の絶頂の、そのむこうの物語。
新天地を目指して家族とともに恒星間植民船に乗り込んだ少女ペトラ。眠っているあいだに目的地に到着するはずだったが、380年後に目覚めてみると船内で革命がおき、ペトラ以外の乗客は地球の記憶をすべて消去されてしまっていた。ただひとり、地球の記憶を持っているペトラは、故郷のおばあちゃんが語ってくれた昔話、そして人類の歴史の中で生み出されてきた膨大な物語を武器に、恐ろしい計画を実行しようとする大人たちに戦いを挑む。ニューベリー賞、プーラ・ベルプレ賞を受賞。物語の力で世界を変えようとする少女の姿を描く傑作。
わかり合えなくても支え合おう。 全然違うわたしたちだから。 かつてアイドルだった上司。 あの日、彼女から受け取った“大切なもの”が、 わたしたちを再会させたーー 年齢、立場、生まれ育った環境・・・・・・ 全てを越えた先の物語。 社会人生活に疲労や疑問を感じ転職活動をする環は、小さなデザイン事務所の求人に惹かれるものがあり応募する。面接当日、そこにいた社長は、かつて憧れた地元のアイドルユニットで一番輝いていた、あの人だったーー。アイドルを辞め会社を興した久里子と、アイドル時代の彼女に憧れて芸能界を夢見ていた環は、互いに距離を探りながら、それぞれの過去やコンプレックスを見つめ直してゆく。年齢や立場を越えた先にある”絆”を描く、魂を揺さぶる物語。
小島に一人住む元医師の家が火事に 男はすべてを失ったうえ、放火の疑いをかけられる だがその後、周囲の島でも放火らしき家事が連続して発生・・・・・・ 〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉で人気の北欧ミステリの帝王最後の作品 一人孤島に住む、元医師のフレドリックは、就寝中の火事で住む家も家財道具もすべてを失う。その後警察の調べで火事の原因が放火であったことが判明、さらに自分の家に火を付けたと疑いをかけられてしまう。そんなとき、離れて住む娘のルイースから、パリで警察に捕まっているので助けて欲しいという電話が入る。フレドリックは単身パリに向かうが……。CWAインターナショナルダガー賞を受賞した、北欧ミステリの帝王最後の作品。
姉が弟の遺体を浄める。本来これは同性の仕事なのだが、姉は自分がやると主張したー。亡き弟の思い出を情感豊かに紡ぐ「浄め(グスル)」。アメリカの女の子として成長してきたアラブ系移民2世の“わたし”と、波乱の人生をおくった伯母の物語に、窓から飛び降りた女が女神と邂逅する幻想的な光景を織り込んだ「マナートの娘たち」。#MeToo運動以前の映画産業で、あるインターンの女性が受けたハラスメントを描き、問題提起する「懸命に努力するものだけが成功する」。新聞記事や手紙、メールの文章、リアリティー番組の台本やSNS投稿など虚実取り交ぜた多彩な媒体のコラージュで、フロリダで実際に起こったシリア・レバノン系移民夫婦のリンチ事件を核に、アメリカという国家に潜む暴力性や異質なものを排除しようとする人間の本質を浮かび上がらせる野心的な傑作「アリゲーター」。過酷な現実を生きる人々に寄り添い、多様な声を届けようとする全9篇。現代アメリカ文学の新鋭による鮮烈なデビュー短篇集!
【新連載】 名探偵の有害性 第1回 桜庭一樹 ●一世を風靡したかつての名探偵。わたしは彼の、助手だったーー直木賞作家が贈る最新長編! 【特集 舞台(ステージ)!】 ここにいるぼくら 近藤史恵 ●「キャス変」が、いかに大きな波紋を呼ぶか、ぼくはまったく気づいていなかった 宝石さがし 笹原千波 ●夢を諦めたデザイナーと、挫折を経験したバレエダンサー。ふたりが挑む新たなステージはーー おかえり牛魔王 白尾 悠 ●正しく目立つ、美しい同僚。空気を読まず、定時で颯爽と職場から消える彼女が、何より優先するものとは ダンス・デッサン 雛倉さりえ ●劇団に所属し、日々ミュージカルの舞台に立つ瀬木。心にはいつも亡くなった友人、理人の姿があった モコさんというひと 乾 ルカ ●二・五次元の観劇を生きがいにする真美。あるフォロワーの呟きに目が止まって…… 『007/カジノ・ロワイヤル』宝塚歌劇にて舞台化記念 特別インタビュー 宝塚歌劇団 宙組トップスター 真風涼帆 【小特集 読む、味わう、絶対ハマる!〈猟区管理官ジョー・ピケット〉の世界】 発砲あり C・J・ボックス 野口百合子 訳 ●広大な丘陵地帯でハンターの車が撃たれた。猟区管理官のジョー・ピケットが現場に向かうと……。大人気シリーズが短編で登場! 〈猟区管理官ジョー・ピケット〉シリーズの魅力 西部の大自然と心優しき正義の男 三橋 曉 ここだけの訳者あとがき 野口百合子 2023年6月刊行! 新刊 『Off the Grid』紹介 【小説】 明治殺人法廷 第4回 芦辺 拓 きみのかたち 第7回 坂木 司 特撮なんて見ない 第7回 澤村伊智 記憶の対位法 第4回 高田大介 ときときチャンネル#4【近所の異世界散歩してみた】 宮澤伊織 【特別企画】 第23回本格ミステリ大賞候補作決定! 第23回本格ミステリ大賞予選会選評・選考経過 日本推理作家協会賞の新部門「翻訳小説賞」スタート 【ESSAY】 私の小さな地図帖 その一 海へつづく道 山崎佳代子 装幀の森 第6回 アルビレオ 翻訳のはなし 第8回 仕事と締め切り 杉田七重 乱視読者の読んだり見たり 第6回 『ロリータ』と映画 若島 正 ホームズ書録 蔵書の価値に十年以上気づかなかった『怪人魔人』 北原尚彦 【COLUMN】 ひみつのおやつ*取引先からいただくお土産 なみあと 私の必需品*ブックカバー 砂村かいり 【INTERVIEW 期待の新人】 真紀涼介 【INTERVIEW 注目の新刊】 『赤い月の香り』 千早 茜 『花に埋もれる』 彩瀬まる 【BOOKREVIEW】
インカ帝国がスペインにあっけなく征服されてしまったのは、彼らが鉄、銃、馬、そして病原菌に対する免疫をもっていなかったから…と言われている。しかし、もしも、インカの人々がそれらをもっていたとしたら?そしてスペインがインカ帝国を、ではなく、インカ帝国がスペインを征服したのだとしたら、世界はどう変わっていただろうか?『HHhH-プラハ、1942年』と『言語の七番目の機能』で世界の読書人を驚倒させた著者が挑んだ、大胆かつ魅力溢れる歴史改変小説。常に事実とフィクションについて考え続けるローラン・ビネならではの傑作。アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞。
一年前、偶然出会ったお婆さんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に良い匂いの沈丁花が咲いていたことと、その庭でお婆さんが発した不可解な言葉だけー。思わぬトラブルによりサッカー部を辞め鬱屈した日々を送る航大。春を告げる沈丁花の香りに、親切にしてくれたお婆さんのことを思い出し、記憶を頼りにその家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な大学生拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大と共に謎に向き合う。植物が絡むささやかな“事件”を通して周囲の人間関係を見つめなおす、優しさに満ちた連作ミステリ。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。
■出版社よりご案内■ 全7集と特典に関する詳細は、東京創元社ホームページをご覧ください。 【《銀河英雄伝説》刊行40周年記念出版】正伝を2作ごとにまとめ5集に、外伝全編を時系列順に再編して2集に収め、全7集を四六判上製・函入りで贈る。この外伝第1集には順に、短編「ダゴン星域会戦記」、長編(外伝4)『螺旋迷宮(スパイラル・ラビリンス)』、短編「白銀の谷」、短編「黄金の翼」、短編「朝の夢、夜の歌」、長編(外伝3)『千億の星、千億の光』を収録。創元SF文庫版を飾ったカラーイラストを口絵に再録。
大学院生ザカリーが図書館で出会った、著者名の記されていない本。そこには誰も知るはずのない、彼の少年時代の不思議な体験が記されていた。本の秘密を追う彼は、謎の男に導かれて魔法の扉をくぐり、どことも知れない地下に広がる“星のない海”の岸辺にある、物語で満ちた迷宮にたどりつく…めくるめく物語の魅力を巡る傑作本格ファンタジー。ドラゴン賞ファンタジー長編部門受賞作。
【明智恭介シリーズ、最新短編!】 宗教学試験問題漏洩事件 今村昌弘 ●期末試験直前。神紅大学ミステリ愛好会は、待望の事件に遭遇したがーー明智恭介シリーズ最新短編 【特集「2023早春・若手作家の宴」】 酔来酔去 斧田小夜 ●漢の武帝の時代、天より麒麟が飛来したーー第10回創元SF短編賞優秀賞を「飲鴆止渇」で受賞した新鋭が贈る 不死者の物語ーー肖像画家 川野芽生 ●その画家の青年は、時代や場所を超えてあちこちに現れる。定命の人々の間で、静かに長い時を生きている バッグ・クロージャー 君嶋彼方 ●大嫌いな兄が結婚することになった。しかも、結婚相手は俺の初恋の人だった 今際(いまわ)の際(きわ)の断崖から 夕木春央 ●海面に衝突して死ぬまであとわずか、私は自分が突き落とされた理由を考察する。注目の俊英、本誌初登場! 血を綴じる書庫の殺人 京都辻占探偵六角 床品美帆 ●皮肉屋だけど頼りになる、名探偵・六角が帰ってきたーーミステリーズ!新人賞受賞作家が贈る二一世紀型不可能犯罪! 懸命に努力するものだけが成功する ディーマ・アルザヤット 小竹由美子 訳 ●#MeToo運動以前のハリウッドで、ある女性インターンに起こった出来事ーー現代アメリカ文学の新鋭による鮮烈な一編! 【INTERVIEW 期待の新人】 五十嵐 大 木江 恭 【小説】 明治殺人法廷 第3回 芦辺 拓 完璧な計画 犯罪相談員〈5〉 石持浅海 1(ONE) 後編 加納朋子 きみのかたち 第6回 坂木 司 特撮なんて見ない 第6回 澤村伊智 サエズリ図書館のワルツさん 電子図書館のヒビキさん 紅玉いづき ベラベッカという名前 近藤史恵 【ESSAY】 装幀の森 第5回 アルビレオ 翻訳のはなし 第7回 グランジェ翻訳裏話ーー謎の翻訳家・高岡 真 平岡 敦 乱視読者の読んだり見たり 第5回 小説の窓、映画の窓 若島 正 【COLUMN】 ひみつのおやつ*祖母の?油漬けにんにく 木犀あこ 私の必需品*仕込み杖 青本雪平 【INTERVIEW 注目の新刊】 『明智卿死体検分』 小森 収 『グッドナイト』 折原 一 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣
この本がきっと、わたしの父のもとへ導いてくれる。 レベッカは、7つの奇妙なおとぎ話が収められた本を手がかりに 幼いころに家を出た父親を探す。切なくも心温まる家族の物語! ★〈woman&home〉誌2021年ベストブックス選出 ★〈ウォーターストーンズ〉書店2022年5月のスコットランド本選出 幼い頃に両親が離婚したレベッカは、父のレオに20年近く会っていない。ある日、男性記者が取材でレオの行方を尋ねてきた。レオはBBCの子ども番組に出演していた人気俳優だったが、レベッカは彼の生死すら知らない現状に疑問を持ち、父が書いたというおとぎ話を手がかりに彼を探そうとする。「収集家と水の精」「世界の果てへの船旅」「魔女とスフィンクス」……7つの奇妙な物語と想像力のきらめきが導く、心温まる家族小説!
男は四阿いっぱいの雪の中で凍死していた。 “逆”雪密室の謎に挑むのは権刑部卿と陰陽師! 日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞W受賞の俊才が 魔術が存在する日本を舞台に贈る傑作推理長編 その男は、四阿(あずまや)いっぱいの雪に埋もれて凍死していた。この異常な状況は、おそらく魔術によるものだ──それも上級魔術師の。事件関係者は、調略に長けた軍人、毒見役の陰陽師、そして“タレント”を持つ近衛将曹ら、一癖も二癖もある者ばかり。魔術を行使して人を殺めると、その証が術者の相貌に顕われるが、関係者にその気配はない。では、誰が、なぜ、そしてどうやって殺人を為し遂げたのか? 菊の御料所で発生した不可能犯罪を調査するのは、権刑部卿・明智小壱郎光秀(あけちこいちろうみつひで)と、陰陽師・安倍天晴(あべのてんせい)。 『短編ミステリの二百年』で日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を制した著者が、魔術が存在する“日(ひ)の本(もと)”を舞台に贈る傑作本格ミステリ。
差別が横行し分断化の進むアメリカで 一人の女性と一人のムスリム青年が出会った。 仕事と家庭の板挟みに苦しむ、 学者で妻で母のブルーナ42歳と、20歳の教え子。 彼らの誇りと情熱がすべてを覆す。 今を生きるあなたに贈る哲学的な物語 大学で政治学とグローバリズム論を講じながら子育てをするイタリア系女性講師ブルーナは、自立心が強く進歩的だ。しかし医師である夫もその両親も保守的で差別と偏見に満ちている。両親に逆らえない夫、性同一性障害の幼い息子、仕事と家庭の板挟みになるブルーナの人生が教え子のムスリム青年の出現で覆る。そして彼の突然のISISへの出立。人種差別、性差別、移民問題……分断された現代社会で生きる彼女の人生が、現代を生きる私たちすべての人生に重なり、訴えかけてくる傑作小説!
【小鳩君と小佐内さんが活躍する、シリーズ最新短編!】 倫敦(ロンドン)スコーンの謎 米澤穂信 ●年に一度のお楽しみ、シリーズ最新作。今回は小佐内さんの小市民的スクール・ライフのために小鳩君が知恵を貸します 【読切特集「冠婚葬祭」】 もうすぐ十八歳 飛鳥井千砂 ●〈冠〉“成年年齢”ってなんだろう。二〇二二年、智佳は十八歳の岐路を想う ありふれた特別 寺地はるな ●〈冠〉成人式の朝、果乃子は二十年前を思い出す。話題の著者が描く、じんわり温かな物語 二人という旅 雪舟えま ●〈婚〉家読みのシガとクローンのナガノ。二人の旅が迎える“おわり”と“はじまり” 漂泊の道 嶋津 輝 ●〈葬〉 葬儀で出会ったうつくしいひとは、いつも彼女らしい喪服を着ていた 祀りの生きもの 高山羽根子 ●〈祭〉 神社のおまつりで手に入れた不思議な生きもの。その正体はゆらゆらと曖昧でよくわからないまま 【小説】 明治殺人法廷 第2回 芦辺 拓 かなり具体的な提案 犯罪相談員〈4〉 石持浅海 1(ONE) 中編 加納朋子 きみのかたち 第5回 坂木 司 特撮なんて見ない 第5回 澤村伊智 記憶の対位法 第3回 高田大介 モンドールの理由 近藤史恵 刑事何森 エターナル 丸山正樹 オークの心臓集まるところ サラ・ピンスカー 市田 泉 訳 【特別企画】 矢吹駆連作の舞台裏 笠井 潔 【ESSAY】 装幀の森 第4回 アルビレオ ぼくたちが選んだ 第6回(最終回) 北村 薫・有栖川有栖・宮部みゆき 翻訳のはなし 第6回 声が大事なんです 市田 泉 【COLUMN】 ひみつのおやつ*砂糖湯と食パン 榎田ユウリ 私の必需品*たった4分のエール 内山 純 【INTERVIEW 期待の新人】 荻堂 顕 【INTERVIEW 注目の新刊】 『水底のスピカ』 乾 ルカ 『青木きららのちょっとした冒険』 藤野可織 【訃報】 追悼 津原泰水 北原尚彦・紅玉いづき 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣
「俺は藤田幽谷の孫、東湖の子だ。攘夷に生きることが義務なのだ。」 父・東湖の死の真相、密室殺人の罠、瀕死の兵を襲う〈化人〉 幕末の水戸藩士、天狗党の首領格・藤田小四郎の推理と生涯 『恋牡丹』『雪旅籠』でファンの心を掴んだ新鋭が贈る最新作 筑波山で蹶起した天狗党の首領格・藤田小四郎を主人公に描く歴史ミステリ。安政江戸地震で家屋の下敷きになったとされる、父・東湖の死の真相。小四郎自らが巻き込まれた蔵の中での不可能殺人。過酷な行軍だったとされる天狗党西上の際に、戦の晩に現れる殺人鬼〈化人〉の謎など、全四編。『恋牡丹』『雪旅籠』でファンを唸らせた、戸田義長最新作。 ■目次 「天地揺らぐ」 「蔵の中」 「分かれ道」 「幾山河」 後書き