出版社 : 東京図書出版
蔦重は江戸独自の洒落本、黄表紙、狂歌絵本、浮世絵を企画して売り出した。その真髄を蔦重の人間性から描く。 幼い頃、吉原遊郭の引手茶屋蔦屋で出会った歌舞伎役者 仲蔵、町絵師 石燕、浮世絵師 重政から始まる戯作と浮世絵の絆。それは春町、喜三二、南畝、京伝、馬琴、長喜、歌麿と繋がり、写楽に至る。 一章 羅生門河岸・浄閑寺 二章 吉原大門口 薜羅館 三章 中村仲蔵 四章 吉原細見『籬乃花』 五章 日本橋通油町南側 耕書堂 六章 黄表紙・狂歌 七章 洒落本 ─ 絶板・身上半減の闕所 八章 喜多川歌麿 終章 東洲斎写楽
この物語を読み終わって涙を浮かべない人はいないだろう。 真剣に生きた信夫とそれを支え続けたのぞみ。二人の人生は千の風になってカイジ浜の星空に消えていった。 一橋大学を出た信夫は会社を改革改善しようと懸命に働くが味方だった社長に裏切られ解雇された。 その後信夫には不運が付き纏った。信夫を支え続けたのぞみ。二人はどん底の生活に突き落とされ信夫は死んだ。「人は5年幸せだったら、その人生は幸せだったっていうのよ」そう言われてのぞみは振り返った。「そうきっと幸せだった」ある新月の夜、のぞみは信夫の骨壺を抱えて「千の風になって」を口ずさみ見知らぬ墓地を彷徨っていた。
世界で「一番時給が安い」男の勲章 巨大企業GM.フォード.ホンダと対等に戦ったある部品メーカー社員のプライドと情熱 西安勇夫作家活動二十周年記念作品 主人公・白鳥琢磨は、日本企業からミシガンの子会社をテコ入れするために出向。「ジャパニーズヤクザ」とまで言われた巧みな人心掌握術で、まずGMやフォードといった巨大企業との取引を対等に交渉、さらに日本の本社とも堂々と渡り合い、その旧弊を突破する。「おれは『ミシガン無宿』。公民権のない海外出向社員はきつい」と言いながらも、彼は情熱と誇りをもって仕事に取り組み、やがて社員の心をつかむのだった。 《前記より》 赴任 三年で100を切る 5S ライブハウス 本社との戦い GMとの戦い ホンダとの戦い ブルース オーナーが怒った AAIとの戦い さらばミシガン
現代女性で描く 太郎冠者 狂言も狂言の登場人物もフィクション。 しかし、そこには中世に生きた「原日本人」の感性があらわれている。 真面目だけど、ちょっといいかげん おうちゃくだけど、時にはひたむき 人に(あまり)迷惑をかけない範囲でワガママ なにものにも拘泥しない自由さ 〜原日本人の姿を探る〜 シテ登場 浮草鏡 大晦日には…… 新しい名前をもらう ある日の日記 ラクゥ・ドゥ・ジャポン あるいは悪党たちの宴 宗論2 陵王譚 夏の祭り 秋の深山で つくも髪 月の閨
谷 玲月が紡ぐ、渾身の第三弾 複雑な運命に翻弄されるセツの人生の物語とは 「勝良、父さんと母さんは本当に愛し合って産まれて来たのだからね。 今日別れるけど、お前を心の中で守っているから、体を大切にするんだよ」
人は何故権力を得ようとするのか。そこに蠢く人間、人間喜劇 学長選挙を題材に民主主義について考える 研究の自由、そこから創り出される自由な発想がなければ研究活動は衰退する。 研究の自由に必要なのは民主主義である。それを得るために守るために何をすればよいのか。 学長選挙での人間の蠢動、それが織りなす人間喜劇を描く。
笠形伊織の特許事件第一弾! 極小ベアリングの特許係争にからむ男たちの大いなる野望とロマン。 ─家族愛、郷土愛に溢れる人間味豊かな熱情で綴る。 笠形伊織はタイ出張から帰国した矢名瀬に特許侵害事件を知らされる。レクサスタイが生産するベアリングが特許侵害だという。その材料が矢名瀬エンジニアリングの製品だ。この特許は冒認出願で、レクサスタイの榊原社長と警告書差出人グロリア精工の小椋取締役は昔からこの材料を巡って因縁浅からぬ仲。笠形はまず出願前のベアリングを証拠とする対抗策を提案し解決しようとするが、小椋の陰謀で潰される。その後新たな解決策を見つけ、レクサス本社知財部と現場レクサスタイとの確執がある中、笠形は交渉の糸口を探り解決のために奔走するが……。 第一章 降って湧いた事件 第二章 発明の真相 第三章 侵害を回避する鍵 ⑴ 第四章 侵害を回避する鍵 ⑵ 第五章 鍵を使う人物 第六章 暴走する人達 第七章 仕事と人生 第八章 笠形の危機 第九章 最後の見極め
愛は人を育て慈しみ合う 物は人を見守り応援者になるのか… いつかはこうなろう!とする気持ちを大切に まだ五歳のニーナには、歩み始めた年数の方が短くて、とても不安定でした。遠くに見えるエッフェル塔は、いつもしっかりとしていて、ニーナを励ましてくれていましたが、今日は涙でにじんで、ぼんやりとしていました。ニーナは、涙を左から右へ腕で拭きました。(本文より) 少女ニーナ 孤児院の友人 あこがれの小学生生活 養女の話 勇気ある別れ 人生の転機 初めての習い事 クレデェール先生の提案 運命の出会い お部屋の友 母親の仕事 思いがけない夏休み 十二月のプレゼント 新しい家庭教師 ニーナの挑戦 英語の力だめし クラスの応援者 コーラスコンクールにて 修学旅行の思い出 新しい生命の誕生 初めてのケーキ作り ソフィーロとのデート ソフィーロの母との出会い ドミニック先生との再会 高校進学へ ソフィーロの贈り物 心のこもったアドバイス 新入社員の日 勉学への熱意 短期大学を夢見て 資格試験に向けて ソフィーロの家で オージュル・デュイの客 希望の橋
一筋の愛!! 式子内親王のうたたねの和歌の調べに変わることなき愛の物語を情感豊かに紡ぐ。 倉田淳史の見合いの相手佐伯優子は、旅先で出会った女性だった。 二人は付き合いを始めたが、淳史の心の奥には忘れられない女性・藤野志津子の面影があった。 淳史を取り巻く様々な人々や出来事、会社組織での葛藤、季節の移ろい、そしてその先に待つ愛の行方……。
闘犬として生まれたシュウガは、野蛮な人間たちから逃れ、ある島に辿り着く。 無人島─そこは狼、犬、猫が暮らす島だった。 出逢い 母の背中 友達 島の謎 老犬と鷲 遠吠え 冬 計略 対面 話し合い 仲間 哀しい遠吠え 謀反 命
ひろ子、ひろ子、どうしたんや。慌ててひろ子の横に膝を落とし、体を揺すり、何度も呼んだが、ひろ子は、死んだように動かない。 倒れてから何時間が経っているのだろう。直ぐに電話をしようとしたが、発信ボタンに指先がはじき返され、愛しさがこみ上げ、唇を重ねた。 ベッドの横で倒れている妻が、16歳で脳腫瘍を患い逝ってしまった息子に重なり、病院への不信感、怒りが渦巻く……。
自分に正直に生きた奴らは未来を掴もうとしていた! 半世紀前のイカしたロックンロールバンドルーシーの物語。 ルーシーは革ジャンとリーゼントがトレードマークだったが、今では白髪が目立つ行雲流水の好好爺に見えた。しかし、彼らの「尖った反骨精神」はあのときと何も変わらず社会に憤慨している。そう、「LUCEAWAY」なのだ。(本文より) LUCEAWAY パイプライン 黎明期 ★ルーシー誕生★ 葦 ハローヤング ロックンロールツアー
上海に住む若き女性「田桜桜」は日本に留学をする。 そこにはある大きな目的があった─ 日中友好の切なる思いのこもる「長編小説」 「日本留学は父の為、いいえ、私達家族全員の願いなんです」 戦時中、祖母と一人の日本人が愛し合って父が生まれた。日本に引き揚げる祖父は必ず戻り一緒に暮らすと 祖母に誓うが、全くの音信不通に。祖母は毎回政治運動の審査を受け、その文化大革命中に苦しみ抜いた挙句に 自殺した。父も子供時分には差別され、私までも子供の頃には心の中に暗い影を引きずってきた。 于強氏 中日を題材とし日本の読者を感動させた長編小説
家族を捨てた日本人祖父捜し、日中のメディアを巻き込み、明らかになっていく─人間愛に満ちた「長編小説」 度重なる失意の連続、そして数奇な運命に導かれ終焉を迎える。 于強氏 中日を題材とし日本の読者を感動させた長編小説
幽霊にさらわれた親友を救うため、星野彩は謎の級友と共に一枚裏の世界へ。 それは自分の心と出会う旅でもあった。 1 学校のパワースポット 2 舟に乗る 3 人が還るところ 4 スイレンとレイ様 5 心の旋律 6 光の雨が降る 7 扉を開ける、何度でも
多感な思春期に遭遇する愛と欲望の葛藤。 青年の希望はどこまで通じ、実を結ぶのか。 支え合って生きることの大事さを問いかける一冊です。 緑の木々の中で 暮れなずむ夕日 夏への期待 甘く酸味のある果実 同級生との出会い 想いを寄せる人 春を待つ空 電灯のぬくもり 柔らかな陽射し 休日の日なたに 受験生の迫間に 神戸の坂道 友人達との出会い 映像が写し出すもの 頼りになる兄 日常のひらめき 見守る人 甘くて優しい香り 僕の大切なもの 冬が訪れる前に 大学生活への道 雪の降る日のときめき 僕の志したもの すれ違いの出会い 喜びが色付く時に…
明治初期、行政や学制の様々な変革が続く中、信州の伊那・木曽で教員として奮闘した坂井茂。京都を出るとき、母の「自分のために生きるのではなく人のために生きなさい」という言葉を胸に。神坂学校で島崎春樹(藤村)を教え、その父・正樹とも交流があった、茂の波瀾万丈の人生を描く。