出版社 : 河出書房新社
敗戦の喪失、感染症の混乱。反転する社会のなか、独り生き続ける人々が見つめるものはーー。幻想、ミステリ、詩歌を自在に横断し、言葉と物語の極致へ。皆川博子最新作品集。 ・ 物語の女王が統べる幻想の王国へ ・ 戦時下の日常と古代の戦乱が共鳴する「牧神の午後あるいは陥穽と振り子」、豆化症に罹った夫と暮らす老女の明日は……「昨日の肉は今日の豆」、花々の香りが戦火の記憶を呼び覚ます「香妃」、家に子供を奪われた叔母が覗いた夜の夢「Lunar rainbow」-- ・ 短篇・俳句・詩27篇と書き下ろし短篇「ソーニャ 序曲」(『ジンタルス RED AMBER』スピンオフ)を収録。 ・ 現世と彼方融け合う、幻想作品精華。 ・ 【目次】 ・ 薊と洋燈 藤棚の下で 椿と 罌粟の家 壜の中 川のほとり 夏を病む ララバイ 君よ、帰り来ませ 『希望』 あやとり 牧神の午後あるいは陥穽と振り子 ・ 試作1 青へ 泰山木 忘れ螢 人形の家 しらない おうち 主さん 強おして 昨日の肉は今日の豆 ソーシャル・ディスタンス 夕の光 風よ 吹くなら 香妃 哀歌 Lunar rainbow Fragments ソーニャ 序曲 ・ ・ 編者解説 日下三蔵
★ブラム・ストーカー賞受賞作 ★ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作 ★世界幻想文学大賞最終候補作 ★英国幻想文学大賞最終候補作 ★ネビュラ賞最終候補作 ★ローカス賞最優秀ファンタジー小説賞最終候補作 ★シャーリイ・ジャクスン賞最終候補作 ・ ニューヨーク・タイムズはじめ各紙誌絶賛! ローカス賞、世界幻想文学大賞受賞作家の最高傑作! ・ 絵画「溺れる少女」に瓜二つの女性に魅入られた主人公は、精神に異常をきたす。怪談、都市伝説、人魚、人狼、カルト宗教……。信頼できない語り手による傑作サイコロジカル・ホラー。 ・ ・ 驚異的な文学作品 ──ピーター・ストラウブ ・ 読者を瞬く間に深淵に引きずりこむ ──ブライアン・エヴンソン ・ ・ 【あらすじ】 狂気を宿した母ローズマリーと祖母キャロラインの記憶をたずさえて生きる、画家兼小説家のインプ。ある日、町で出会ったゲームライターのアバリンと恋をするが、ドライブ中の路上で裸の女性エヴァと出会い、物語が反転していく。11歳のときにはじめて見た絵画『溺れる少女』、セーヌ河で溺れた名なしの少女、赤ずきんちゃん、ルイス・キャロル、ブラック・ダリア、ウラジーミル・ナボコフ、ジェヴォーダンの獣、セイレーン……。エヴァに出会ったのは、夏の夜のルート122か、秋の夜のウルフ・デン・ロードか。真実と事実が入りまじる、新たなゴースト・ストーリー。ローカス賞、世界幻想文学大賞受賞作家の最高傑作。 ・ ・ 【著者略歴】 1964年アイルランド・ダブリン生まれ。アメリカに移住し、大学で地質学と古生物学を学ぶ。92年頃から小説の執筆を始め、人気コミック『サンドマン』スピンオフ作品のシナリオも手がけた。ホラー、ダークファンタジーの優れた書き手として高い評価を得ており、98年、長篇『Silk』で国際ホラーギルド賞第一作部門を受賞。2012年には本作でブラム・ストーカー賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞(現アザーワイズ賞)を受賞。また24年には「縫い針の道」でローカス賞短篇部門を受賞したほか、世界幻想文学大賞など受賞多数。また、古生物学者として研究を続けるほか、音楽活動も行なっていた。邦訳に、『ベオウルフ 呪われし勇者』など。
急速に近代化が進む明治時代前期、小谷家の奉公人・種吉は不安定な身分ながらも、桑を刈り、蚕の成長を見守る日々に充実感を覚えていた。しかしある時、同郷の友人・壮介から学問の奥深さを見せつけられる。壮介の奉公先である深沢家は、民間の憲法私案である「五日市憲法」の起草に関わるなど、進歩的な家だった。種吉は壮介の影響により、学びに無関心な主人に内緒で知識を深めようと決意する。そんな折、家出したはずの小谷家の長男・直助が突然帰宅。種吉は東京帰りの直助から文字を習うようになる。一方、世間の景気は次第に陰りを見せはじめ、雇い止めされる奉公人も増えていた。不安が高まる種吉に対し、社会状況の悪化を「人為的な不況だ」と考える壮介は、新たな仲間と共に社会を変革しようと先鋭化し、危機的な状況が迫っていたー。
「キングがホラーの達人なら、リゴッティはホラーの化身だ。」(ニューヨーク・タイムズ)--祈りなのか、呪いなのか。アメリカのカルト作家による救済なき傑作群が、本邦初単行本化。 ・ 「そう、この世界の人々が、神ならぬ新たな神の存在に勘づいていることを漏らしてしまったのは、せいぜい一世紀前のことだった。」 ・ H・P・ラヴクラフトやフィリップ・K・ディックと並び称され、ブラム・ストーカー賞を4度受賞した、文学史上最も危険な作家が、ついに上陸! ・ ・ 【目次】 ・ 戯れ (若島正 訳) アリスの最後の冒険 (白石朗 訳) ヴァステイリアン (若島正 訳) 道化師の最後の祭り (宮脇孝雄 訳) ネセスキュリアル (若島正 訳) 魔力 (若島正 訳) 世界の底に潜む影 (若島正 訳) ツァラル (若島正 訳) 赤塔 (若島正 訳) ・ 編者あとがき 若島正
生まれてからずっと友だちが欲しかった向井アマネは、「女子」でも「男子」でもない小学五年生。ただの人間。学校や集団にうまく馴染まずいつもひとりで過ごすアマネに、ある日、学年一明るくて人気のある陽ちゃんが「女子、みんなで遊ぼう」と声をかけてきた。「女子」という言葉にひっかかりながらも初めて陽ちゃんという友だちを得たアマネは、中学、高校、大学と、出会いと別れを繰り返しながら、少しずつ友だちを増やしていく。その後就職し恋愛ではなく友情から子どもを授かり、やがて老年期を迎えたアマネは、自分の人生を見つめるうちに、生物の種、生や死などの線も超えてあらゆるものと「友情」をはぐくめることに気づいた。世界は優しい。新しい友情小説の誕生!
個であることをやめるとき。名前も記憶も肉体も失って、気配や残像となったわたしたちの心は最後に誰と、どんな場所を訪れるのか。廃校の庭に集う人々、影になった犬と歩く山道、温泉街で再会した旧友、駆け巡る水の記憶…。生と死のあわいに見る、懐かしいのに不思議な風景。切なくも美しい旅の物語。
世界的名優キアヌ・リーブス×SF・幻想?学の?才チャイナ・ミエヴィルの共著! 殺戮の運命に呪われた不死者・ウヌテ。彼の秘密を解き明かそうと試みる特殊機関〈ユニット〉だが、作戦中、死体が蘇る異変が起き……。 古代の?と現代の戦争、そして不死の超越者を描く壮?なダーク・ファンタジー!! 伝説的コミック『BRZRKR』の世界を、数々の賞に輝いた『都市と都市』などで知られる?才・ミエヴィルが、10年以上の沈黙を破り描く! 私の?好きな作家の??、チャイナ・ミエヴィルと共同で?説『再誕の書』を執筆できることをとても嬉しく思う。この?説は、私が創作し、作家のマット・キントと作画のロン・ガーニーと共同執筆したマンガシリーズ「BRZRKR」からインスピレーションを受けている。 このシリーズは、不死?の戦?が時代を超えて戦う物語だ。 私は「BRZRKR」の世界を?常に愛しているので、もっと探究したいと思い、そのための最良の?法のひとつが、?説だと思った。 ??キアヌ・リーブス (「Keanu Reeves announces new novel with China Mieville - THE BOOK OF ELSEWHERE」Random House Youtubeより) 【各紙誌絶賛! !】 ★「『再誕の書』は、パルプ?でアドレナリン全開のスリラーであると同時に、死、時間の移ろいやすさ、そして?間であることの意味について描いた、物悲しく実験的な?説でもある」 ──ニューヨーク・タイムズ紙 ★「アクション満載、超暴?的、そして道徳的に曖昧……不死?の古代戦?の試練と苦難を、極めてスタイリッシュかつ美しく描き出す……実存的な憂鬱を切り取った、愉快なアクションミステリー……溢れる想像?と完璧なスタイルが、深い喜びをもたらす読書体験を提供している」 ──ロサンゼルス・タイムス ★「驚くほど、そしてガタガタと?を?てるほど??い読み物だ。?まみれで時代をまたぐアクションスリラーである『再誕の書』は、信じられないほど?なまぐさい原作をひねり、暴?の循環性についての瞑想へと昇華させている」 ──サンデー・タイムス
歴史をさまよう死者たちの見る夢を描いた、現代ドイツ文学の到達点。1932年。ハリウッドに対抗して“映画の枢軸”を同盟しようと目論む甘粕正彦により、日独合作映画の制作が始動した。若き映画監督エミール・ネーゲリは、不穏な空気を濃くするベルリンから日本に送り込まれ、異国の地をカメラ越しに見つめる。映画に野望を託すふたりの男の欲望は、やがて国家と美の危うい結託に呑み込まれていくー。現代ドイツ文学最重要作家が描く、歴史幻惑小説。ヘルマン・ヘッセ賞、スイス書籍賞受賞。
性のあり方に悩み、傷つけ合いながら、新しい家族の形を模索し生きる三人のマイノリティの物語。NYT選定「21世紀ベスト100冊」。 ・ ★PEN/ヘミングウェイ賞受賞作 ★ニューヨークタイムズ選定「21世紀ベスト100冊」 ★全米批評家協会賞最終候補作 ★ラムダ賞最終候補作 ★女性小説賞候補作 ・ 性移行(トランジション)と赤ちゃん出産をめぐる 新しい家族の物語 ・ ひとりきりでいることができずロマンチックな情事を追いかけるリース、 ディトランジションして父親になることを迫られるエイムズ、 悪夢のような離婚を経て妊娠したIT企業のアイデアエリート、カトリーナ。 それぞれの思惑が合致して交錯して背反する、その先にある新しい家族の形! 21世紀版『高慢と偏見』とも称される傑作長編。 ・ ・ 「親であること」の伝統的考え方を、感情、そして実践からひっくり返す。 ??ニューヨークタイムズ・ブックレビュー ・ 荒れくるう欲望と、その欲望のなかで格闘するわたしたちの生命力を描ききった。 ??ニューヨーカー ・ 最高すぎて叫びたくなる。 ??カルメン・マリア・マチャド ・ ・ 【著者略歴】 1981年アメリカ生まれ。作家。アイオワ大学で芸術学修士号(MFA)を取得したのち、ダートマス大学で比較文学修士号を取得。本作で商業出版デビューし、各紙誌からも高い評価を得て、「女性小説賞」や「ラムダ賞」の候補作に選出された。その後、PEN/ヘミングウェイ賞を受賞。デビュー以前から、トランスコミュニティのために作品を執筆し、自費出版やオンラインの無料配布を行なっていた。本作は、「ニューヨークタイムズ」の「21世紀ベスト100冊」にも選ばれている。ほかに、短篇集『Stag Dance』など。
薄霧のたちこめる宅配所。粛々とはたらく作業員たちのあいだで、レーンに流れてくる無数の荷物を仕分ける安。一日中、ほとんど誰とも口をきかず、箱の中身を妄想することで単調な労働をやり過ごすうちに、箱の中身と妄想の「答え合わせ」をしたいという欲望が安を蝕んでいく。あるとき思いもよらぬ理由から、決して開けることの許されない箱の中身を覗きみることに成功すると、たしかにあったはずの箱が次々と消えていくようになってー。新時代の〈労働〉を暴くベルトコンベア・サスペンス。第62回文藝賞受賞作。
大手鉄道グループの子会社で広報を担当するカスミ(祖父のコネ入社)。先輩女性社員との微妙な友情、SMホテルではしゃぐノリのいい課長補佐や離婚上司、さらに不幸自慢の経済記者やカスミを「最後の恋人」にしたいと宣う鼻毛・還暦の環境学者らとの愛なき逢瀬(?)の日々。そんな気だるい空気を洗い流すように、今日も彼女は新宿のアフターバー「ナスティ・シューズ」を訪れる。ある日、同じマンションに住む四十歳手前の男・小宮に出会い、何かが始まりそうな予感がするのだが…。
著者2年ぶりにして新たなる代表作、誕生! <つまり言いかえれば、これはテロの書だ。誰も読んではーー> 3ヶ月前、「男」は仕事辞め、女性と別れ、世界中から失われた蛇信仰のあるこの地へ来たーー平家が落ち延びたといわれるこの土地に。そして「この文章」を書いている。誰も読まない「この手記」を。 自分が人ではないと思っていた幼少時代の奇妙な記憶、有志によるQ山の毒蛇狩り、白蛇を祀る神社とその宮司、蛇を求める女、ある議員の死とそれを調べるQ署の刑事、ロー・Kというビジネスマン、そして......Apep。 いま男は、ある目的のために“1人”で動き出す。 「現在や未来で、過去は変えられるんだよ。……起こったことは変えられないけど、その後の時間をどう生きるかで、過去の印象や意味合いは変えられる」 (本文より) 世界も注目する作家・中村文則が贈る傑作! 【著者略歴】 中村文則(なかむら・ふみのり) 1977年愛知県生まれ。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。12年『掏摸』の英訳が米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の年間ベスト10小説に選ばれる。14年米国のDavid L.Goodis賞を受賞。16年『私の消滅』でドゥマゴ文学賞、20年中日文化賞、24年『列』で野間文芸賞を受賞。他の著書に『何もかも憂鬱な夜に』『去年 の冬、きみと別れ』『教団X』『R帝国』など。エッセイ集に『自由思考』、対談集に『自由対談』がある。
生を手離さずにいることは、こんなにも難しいーー。 失業、借金、いじめ、病気……駅で自ら死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員・葉育安。 現代台湾文学を牽引する作家・何致和が、都会の声なき声を拾い再生を描く台湾発の話題書。 台湾文学賞、誠品読書職人賞など受賞多数! ・ ・ ・ 葉育安(ヨウ・イクアン)、45歳、思春期の娘と認知症の老母との3人暮らし。 優柔不断、すべてに受け身で生きる彼が 地下鉄の自殺防止プロジェクト長として向き合うことになったのは、 地下鉄のホームで今まさに自死へ向かう人たち。 ・ 会社のお金を横領したサラリーマン、SNSで失恋を晒された中学生、持病に悩む老人、周囲から羨まれながらも生きる気力を失った女性……自殺防止プロジェクトリーダーを任せられた育安は、なんとか成果を出そうと試行錯誤を重ねるも、自らの足でホームから飛び降りる人たちを止めることはできない。 それでも群集のなかに身を置いて、日々を生きていく寄るべき人々の体温が、見知らぬ他人をいつしか温めていくーー出口のない問題を抱え生きる全ての人へ、ささやかでも、明日へ向かう力の一端になる物語。 ・ 現代社会のひずみや抑圧を描いたソン・ウォンピョン『アーモンド』、ハン・ガン『回復する人間』らにも通じるストーリーテラーの初邦訳。 ・ 《解説:松本俊彦(精神科医・作家)》 読了後、語られなかったこと、描かれなかった余白に読者は深く心を揺さぶられ、何かを考え始める。こうした、読後から始まる独特の余韻、静かな残響音は、本作品における最大の魅力といってよいだろう。 ・ 《台湾文学金典賞授賞/選評 凌性傑(詩人・作家)》 何致和は中年男性の心境をきめ細やかに描き出し、公共交通機関と時代の鼓動を結び付け、地下鉄によって交わる人生を通じ、様々な流動を表現する。その流動感に、多声的な語り、語りの視点の交代が加わることで、重層的で、極めて読みごたえのある作品に仕上がっている。 地下鉄という現代の交通機関は、個々の実存の不安を乗せる一方で、出発と帰還を支えている。本書で最も引き付けられるのは、冷静に傍観しているようでいて、「理解しようとする」やさしさを潜めた語りである。
全世界100万部突破 30カ国翻訳 TikTokで話題の超問題作 人肉食が合法化した社会を冷徹に描き切った、究極のディストピア食人ホラーSF! ************ ◆クラリン文学賞(2017)受賞 ◆レディース・オブ・ホラーフィクション賞長編部門最優秀賞(2020)受賞 ◆ワシントン・ポスト紙ベストSF(2020)選出 ◆フィナンシャル・タイムズ ブックオブザイヤーSF部門(2020)選出 ************ 動物感染症のパンデミックにより畜肉が食べられなくなり、かつてない食糧危機が人類を襲った近未来の世界。たんぱく源を求め続けた人々の間で、移民・貧民を狙った人肉の闇取引が横行。食肉需要を満たそうとする企業の圧力に政府が屈し、ヒトの飼育・繁殖・屠畜・加工が合法化された。この出来事は〈移行〉と呼ばれ、家畜化されたヒトは〈頭〉、それを加工して作られた人肉は〈特級肉〉と言い換えられた。「クレイグ食肉処理工場」の重役マルコスは、〈頭〉を解体し、〈特級肉〉として出荷する日々を送っていた。ある時、一頭の家庭飼育用の最高級の〈頭〉のメスをなりゆきで譲り受けるが、非合法とされる「人間扱い」をはじめてしまい……。 世界中で話題沸騰〈スパニッシュ・ホラー文芸〉超問題作!
誰かが欲しがっていれば、それはもうごみじゃないーーフリマアプリの「せどりサークル」に加入した翠。物の価値を見極める活動に高揚する一方、休職中の夫への愛情は下降し……。 ・ ★★★あなたの価値は星いくつ?★★★ 芥川賞候補作『##NAME##』に続く超快作! 人気作詞家・児玉雨子が描き出すノンストップ転売ストーリー!! ・ 〈グラフの波形バッキバキ。いい商品選びましたね〉〈私たちと“電撃”しませんか?〉 夫の休職をきっかけに、フリマアプリ「メチャカイ」で小金稼ぎを始めた会社員・翠(すい)。 ある日立ち寄ったドン・キホーテで、“爆仕入れ・爆転売”に燃える女たちの〈せどりサークル〉にスカウトされる。 掘り出し物から利益を生む快楽にのめり込む一方、働けないのに浪費する夫への葛藤を抑えられなくなっていき……。 ・ 「買う女から売る女へ。資本主義と売る女たちの反乱を問う優れた小説」--渡邊英理(大阪大学教授)
パラレルワールドから来た元恋人と、彼女の世界にないものを探す「自撮り棒のない世界」、一度使った言葉が次々と消えていく「メソポタミア人の地獄」、世界中の人間一人ひとりに自分だけのソウルメイトを生み出す計画の行方は…「ソロ」、若い経営者とその父の朝の出来事をめぐる「オートコレクト」、地球を訪れる宇宙人をガイドして〈命のつぶ〉を受け取る「ガイドツアー」など。ユニークな想像力とユーモアで見えない真実を浮かびあがらせる短篇集。
堂場瞬一 犯罪小説集! 「今日、自分の人生は変わってしまった。先の見えない日々が始まってしまった。」--通り魔・殺人・資金洗浄・特高の罪・迷惑運転・泥棒・毒親・掏摸・盗撮・選挙違反・復讐・子どもの罪……辿り着く先は後悔か、それとも解放か? 発行部数は世界累計1400万部! 2025年末に著書発売累計200冊を達成予定の堂場瞬一が<犯罪者>の視点で描く、犯罪小説集の傑作! ・ ・ 【目次】 ●褒められた男(通り魔) ●ある後悔(殺人) ●バイアス(資金洗浄) ●暗い復讐(特高の罪) ●連鎖反応(迷惑運転) ●家業(泥棒) ●推さない(毒親) ●コンビ(掏摸) ●神の手(盗撮) ●再起の日(選挙違反) ●逆襲(復讐) ●消えない目(子どもの罪)