出版社 : 産業編集センター
ちっぽけな探偵事務所を営む私立探偵・烏間壮吾。 「天使」と「悪魔」を名乗る二人組の手違いにより、壮吾は半ば強引に彼らの仕事である「魂の選別」を代行することに。「魂の選別」は、死亡した人間の魂を天国へ送るか地獄へ送るかを選別するというもので、死者についての数少ない手がかりから判断しなくてはならない。壮吾は探偵業の傍ら、憂鬱な使命を遂行する日々を過ごしていた。 ある日、謎めいた女性から「婚約者の身辺調査をしてほしい」という莫大な報酬が得られる依頼が舞い込んでくる。尾行対象は、清廉潔白を絵に描いたような、ごく平凡な好青年だったが…。 壮吾は調査を進めるうちに、世間を騒がせている「首切りマニア連続殺人事件」にも大きく関わっていく。 阿泉来堂の新境地『逆行探偵』シリーズ第2弾!
「裏山の神社で見つかった古文書を解読してくれ」 親友から依頼を受け出向いた先は、巨人伝説の残る奇妙な村だった… 古文書オタクの黒木鉄生は、大学時代の親友・八重垣志紀に頼まれ、村で発見された「沼神文書」と呼ばれる古文書を解読するために巨人伝説が残る農村を訪れた。村に到着したその夜、セイタカ様と呼ばれる巨大な地蔵の前で、議会議員の息子・島田光男が殺害された。さらに2日後には、こしかけ山と呼ばれる場所で八重垣の義妹・咲良の幼馴染である鈴本健三郎が首を吊った状態で見つかる。「沼神文書」の解読作業を進める黒木は、村と村人の秘密、2人の死の真相に迫ることになり……。 第2回黒猫ミステリー受賞!一気読み必至の民俗伝承ミステリー。 一日目/二日目/三日目/四日目/後日談
隻腕の見鬼・千早と、オカルト嫌いな堅物県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人ではないモノどもが集う場所、決して遠くはない背中合わせの異界で、人の情念や想いが引き起こす数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。
私は天神さまこと、菅原道真。太宰府天満宮に祀られている学問の神さまである。好きな食べ物は卵かけご飯。家電製品の扱いはちょっと苦手。築五十年の四畳半アパートで暮らす。この国には八百万の神々がいるが、私も含め皆、人の世に紛れて生きている。コンビニで立ち読みをしていたり、ラーメン屋の行列に並んでいたり、公園のベンチでぐったりと休んでいたり、参拝者の願いに耳を傾けていたり…。本書は、そんな神さまたちの何気ない日常のお話だ。
しがない私立探偵・烏間壮吾の足元に横たわっているのは、後頭部から血を流した自分自身だった。戸惑う壮吾のもとにやってきた、自分のことを「天使」と言い張るくたびれたサラリーマン風の男性と、「悪魔」と名乗る美しい女性。彼らの役目は、死んだ人間の魂を天国か地獄のどちらかに運ぶことらしいが、手違いにより壮吾はうっかり死んでしまったと明かされる。生き返る条件は、彼らの仕事である「魂の選別」の代行をすること。半ば強制的に仕事を手伝うことになった壮吾は、様々な事件に巻き込まれていく…。新世代ホラーミステリーの旗手、阿泉来堂の新境地!
隻腕の見鬼・千早と、オカルト嫌いな堅物県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人ではないモノどもが集う場所、決して遠くはない背中合わせの異界で、人の情念や想いが引き起こす数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。
数学科に通う大学生の神前裕人は、新入生歓迎会の帰り道、ひょんなことから殺人事件の現場に遭遇。被疑者として警察署に連れていかれることとなる。一旦は拘束を解かれるも、嫌疑をかけられたままの状態に不安を感じた裕人は、捜査一課の刑事の促しに応じる形で、自身が通う大学の古びた会館に足を運ぶことに。怪異研究会のサークル部屋で、ソファに寝ていた哲学科の水無月透華との出会いを果たした裕人の日常は、その日を境に一変。透華に振り回されながら、さまざまな事件の現場に足を踏み入れていくことに…。街中で突如燃える女、棺の内側から響く物音、目だけくり抜かれた死体…怪異の仕業とも取れる事件の真相を、思考実験をもとに導き出す。超常×解決ミステリー!第1回黒猫ミステリー賞受賞作。
隻腕の見鬼・千早と、オカルト嫌いな堅物県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人ではないモノどもが集う場所、決して遠くはない背中合わせの異界で、人の情念や想いが引き起こす数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。
22歳の美也子は津軽塗職人の父と、デイトレーダーをしている風変わりな弟との三人暮らし。母は、貧乏暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出て行った。美也子はスーパーのレジ係の傍ら、家業である津軽塗を手伝っていたが、元来の内向的な性格と極度の人見知りに加え、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞める。しばらくの間、充実した無職ライフを謳歌していたが、やがて、津軽塗の世界に本格的に入ることを決めた。五十回ほども塗りと研ぎを繰り返す津軽塗。一人でこつこつと行う手仕事は美也子の性に合っていて、その毎日に張りを与え始める。父のもとで下積みをしながら、美也子は少しずつ腕を上げていき、弟の勧めで、オランダで開催される工芸品展に打って出ることに。青森の津軽塗を通して紡ぐ、父娘の絆と家族の物語。
たった290円の相談料で悩みを抱える人の元に出向き、おたすけ料理をこしらえて解決へと導く“麦わらさん”の優しくて可笑しくて、少し哲学が入った物語。「なにかお困りの方、メールをください」連作短編小説。
「週刊文倫」の新米記者・糸川瑠花(イルカ)は、敏腕ではあるが曲者の特派員記者・戌井のアシスタントとして、二ヶ月前に都内で起きた殺人事件を追っていた。何者かに女児が連れ去られ、遺体で発見されたという事件だった。「なぜ二ヶ月も前の事件を?」と訝しがるイルカだが、戌井はその理由を明らかにしない。-女児殺害事件から遡ること半年前、とある死刑囚の刑が執行された。するとそれが号砲であるかのように、各地で児童殺害事件が起き始めていたのだった。被害者遺族たちが口々に唱える「バチ」の意味とは…。
捜査一課に配属されて間もない刑事・静川涼吾の全神経は、完黙を続ける容疑者を前に、極度に張り詰めていた。本当にこの男が殺したのだろうか…。誰の記憶にも残らないような、おとなしそうなこの男が。-事の発端は同僚殺害容疑だった。やがて、すでに事故として処理されてきた複数の事案がつながり始めた。真実が明らかになるほどに、いよいよ深まっていく謎。容疑者が落ちない理由を知った静川は…。
手芸店・八戸クラフトに勤めて10年の紬は、いろんなことに倦んでいた。仕事、恋愛、人間関係…気にし始めたらキリがないから、すべてに慣れることにした。すべてにフタをしながら生きていけばいいのだ。でも、羊毛フェルト用作業机に残された、タバコの焦げ跡を見つけたとき…30歳、紬の「私を取り戻す」物語。
隻腕の見鬼・千早と、オカルト嫌いな県庁生安課・大野木は骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人の情念や想いが、人ならざるものとなり引き起こす、数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…!?
海も森も。過去の記憶も未来の約束も。すべては繋がっている。夏至を境に、水の記憶を持つ17歳の大洋と、膝に種を宿す明里の日常が動き始める。塩の樹の伝説をめぐる不思議な物語。中学生から大人まで。
斜岡で働く千秋は出入野に帰省した際、後輩の萌香に会い、彼女がストーカー被害に遭っていることを聞かされた。数日後、萌香が遺体で発見される。何者かに刺殺されたらしい。萌香を殺した犯人を捜し出すことを決心した千秋は、萌香の格好を真似た姿で出入野を歩き回りながら、彼女とかかわりのある男達に接触していくのだった。
臨床心理士・悠木文月はクライエントであり、恋人でもあった掛井沙耶が自殺したという過去をもつ。沙耶の死後から10年。文月は沙耶の妹から、沙耶が残したという1通の封書を受け取った。時を同じくして、大学院時代の同級生で同業者の桐谷から、沙耶の叔父が死んだという連絡が入る。奇しくも叔父の死により、沙耶の死の真相が明らかにされるが、それは、悠木、桐谷にとってあまりに残酷で許しがたい事実だった…。「人を殺してはならない」という正義は、誰のものか…。圧倒的共感と切なさを生む、心理学×ミステリー登場。
美術部員の楓と春樹は「骨董屋・眼球堂」で、絹や金銀の糸で織り上げられた1枚のタペストリーを見つけた。それはかつて、春樹が模写したエディス・グレイの絵、そのものだった…。妖精の眼を持つといわれた幻の画家、エディス・グレイ。タペストリーを見つめるうちに、失われていた春樹の記憶が呼び起こされ始め…。