出版社 : 産業編集センター
私は、恐ろしい悪魔を召び出してしまいました。 私は、己の愉悦の為に人を狂わせてしまいました。 大野木に取り憑く穢れた生き人形、生贄を求める蛇神、亡者が徘徊する木山邸跡地、鏡に映りこむ異形の家族… 隻腕の見鬼・千早とビビりの堅物公務員・大野木が怨嗟に塗れた怪異に相対するバディホラー第7弾! 装画:げみ 序/侵蝕/縁起/不在/心躊/仮贄/過誤/閉環/憑纏/瞑躁
無人の船内、皮膚が剥がれた死体、顔のない異形の集団… 「この船はもう、この世のものじゃない」 大学院生の島永祐介は、意中の女性である彩夏を大型フェリー“ステラ・ブルー”で開催されるパーティに誘い出した。しかし、待てども待てども彩夏はやってこない。出航時刻となり、傷心のまま一人で船に乗り込んだ祐介だったが、様子がおかしいことに気づく。誰一人として見つからないクルー、頭部が膨れ上がった乗客の死体、船に巣くう謎の怪物。乗客は、「カロン」を名乗る人物によって意図的に招待されたことがわかり…。 阿泉来堂が贈る、惨劇が連鎖するパニックホラー! プロローグ/第一章 顔のない乗船者/第二章 無人の船/第三章 疑惑/第四章 黒い回収者/第五章 悪夢の深淵/第六章 呪縛を断ち切るもの/エピローグ
親友が殺された事件のトラウマで、体の成長が止まってしまった志緒。 それから4年、高校生になった志緒のもとに、親友の妹が何者かに連れ去られたとの知らせが届く。 彼女の心の拠りどころ、「トーマス」と慕う小児科医の戸増は、4年前の事件との共通点を示唆。現場に残された指紋からも、同一犯による犯行と見られ…… 志緒は友人たちとともに、事件の深部へと介入していく。 第3回黒猫ミステリー賞受賞!過去と現在が交錯する〈氷解〉ミステリー
「手駒がほしいのでしょう?私なら貴方の役に立つ筈だ。」 怪異をもたらす存在として、死後も恐れられた男・木山千景(きやまちかげ)。 生前の木山は魂の色が視える才能あふれる見鬼でありながら、ひどく病弱だった。少しでも生き永らえるため妖術にすがる木山は、人と怪異の仲立ちを生業とする一族の当主・帯刀燈(たてわきあかり)に弟子入りし、教えを乞う。 顔食みの面、襲いかかる生人形、晩夏の町に現れた雪女…帯刀の元には数々の悍ましい怪奇事件が舞い込んできた。 後世に悪名を轟かせる男の苦悩と葛藤の日々を描いた怪異譚。 『夜行堂奇譚』が贈る、もうひとつの執念の物語。 装画:立藤 灯 序/七織/雨塚/屍愛/解夏/不坑/番外編・花火
「あたしの眼。雇ってみない?」 3年前のクリスマスイブ。御燎(みりょう)かなえは最愛の夫と娘を失った。遺体はまるで破裂したかのように、血だまりで残骸として発見され、科捜研の調査でも犯行の手掛かりは一切見つからなかった。 刑事を辞めて怪奇事件専門の探偵事務所を立ち上げたかなえ。ある日、刑事時代からの知り合いである都庁特別対策室・御堂筋(みどうすじ)から、顔のない男に眼を取り替えられたという家出少女・早凪冥(さなぎめい)にまつわる相談を受ける。それは人にかけられた呪いが視える眼だった。冥の眼の力を使い、失踪した彼女の仲間の行方を捜すが…。 『夜行堂奇譚』嗣人が贈る、異色バディホラーシリーズ。 装画:champi 序 第一話『呪わざる者なし』 第二話『その眼に写るモノ』
小学4年生の穂束栞(ほづかしおり)は、車で移動していたところを怪異に襲われ、唯一の肉親だった祖父・千畝(ちうね)を亡くした。傷心中の栞を訪ねてきたのは、祖父の弟子を名乗る道士・白銀(しろがね)と獰猛な大男・窮奇(きゅうき)。二人は、怪異を惹き寄せる特異体質を持つ栞を守るためにやってきたのだという。霊能力者だった祖父の死をきっかけに、結界が解かれ、さまざまな妖魔が栞に襲い掛かる。この世ならざるモノから目を背けてきた栞だったが、白銀・窮奇と出会い、怪異に立ち向かうことを決意する。 『夜行堂奇譚』嗣人が放つ、スペクタクル・ホラーシリーズ開幕! 装画:syo5 第一章 銀虎 第二章 雨影 第三章 春愁 第四章 斜陽 第五章 雨獣
やしきがみーだんち【ヤシキガミ団地】[名]実在する場所を指すものではなく、怪奇現象を引き起こす物件を総称する暗号。 幼いころにオカルト雑誌のライターだった父親が失踪したことをきっかけに、安定した職業である公務員を志す青年・守屋亨(もりやとおる)。念願叶って新宿区役所職員としての初日を迎えるも、配属された先はオカルトを扱う非公式の部署だった。 子供が失踪するマンション、火の気のない屋上で焼死体が相次いで発見されるアパート、孤独死ゼロを謳う奇妙なタワマン…… 守屋は“ヤシキガミ団地”と呼ばれる曰く付き物件の調査をすすめるなかで、土地を鎮める“地免師”を名乗る男・納戸(なんど)に出会う。事実解明に奔走する2人だが、架空の建築会社がヤシキガミ団地の着工に携わっていることが分かり…。 『領怪神犯』木古おうみが贈る、バディホラーシリーズ開幕! 装画:灸場メロ 調査file1:繋がれる公園 調査file2:飢える焼却炉 調査file3:還るエレベーター 調査file4:寿ぐ家
心に隙間を抱える人間のもとに現れる薄汚れた金の懐中時計。そこに刻まれた髑髏に血を吸わせると、持ち主の願いを必ず叶えてくれるという。しかし、もたらされたものは恐怖と絶望の連鎖だった…。 愚かな人間が地獄に囚われるさまを描いた阿泉来堂史上、最恐の連作短編集。 悪夢の深淵 騎士の誤算 傷ついた彼女 孤独のアイビー 復讐と再生の夢
「あいつに伝えとけ。お前は俺たちの敵だってな。思い通りにはさせねぇよ」 呪殺を請け負う白装束の教団、廃墟に眠る不老不死の妙薬、旧校舎の神隠し、黒猫が誘う路地裏… 隻腕の見鬼・千早とビビりの堅物公務員・大野木が斃すべき怪異と対峙するバディホラー第6弾! 装画:げみ 序/帰郷/蓮乗/失墜/応報/狂信/昏迷/猫酒/妄終/御所/子声/魔性
ちっぽけな探偵事務所を営む私立探偵・烏間壮吾。 「天使」と「悪魔」を名乗る二人組の手違いにより、壮吾は半ば強引に彼らの仕事である「魂の選別」を代行することに。「魂の選別」は、死亡した人間の魂を天国へ送るか地獄へ送るかを選別するというもので、死者についての数少ない手がかりから判断しなくてはならない。壮吾は探偵業の傍ら、憂鬱な使命を遂行する日々を過ごしていた。 ある日、謎めいた女性から「婚約者の身辺調査をしてほしい」という莫大な報酬が得られる依頼が舞い込んでくる。尾行対象は、清廉潔白を絵に描いたような、ごく平凡な好青年だったが…。 壮吾は調査を進めるうちに、世間を騒がせている「首切りマニア連続殺人事件」にも大きく関わっていく。 阿泉来堂の新境地『逆行探偵』シリーズ第2弾!
「裏山の神社で見つかった古文書を解読してくれ」 親友から依頼を受け出向いた先は、巨人伝説の残る奇妙な村だった… 古文書オタクの黒木鉄生は、大学時代の親友・八重垣志紀に頼まれ、村で発見された「沼神文書」と呼ばれる古文書を解読するために巨人伝説が残る農村を訪れた。村に到着したその夜、セイタカ様と呼ばれる巨大な地蔵の前で、議会議員の息子・島田光男が殺害された。さらに2日後には、こしかけ山と呼ばれる場所で八重垣の義妹・咲良の幼馴染である鈴本健三郎が首を吊った状態で見つかる。「沼神文書」の解読作業を進める黒木は、村と村人の秘密、2人の死の真相に迫ることになり……。 第2回黒猫ミステリー受賞!一気読み必至の民俗伝承ミステリー。 一日目/二日目/三日目/四日目/後日談
血生臭い異形が彷徨う禁足地、復讐を唆す少女の甘い吐息、蔵に幽閉された魔眼の仔、人喰いの禍ツ猿… 隻腕の見鬼・千早とオカルト嫌いの堅物公務員・大野木が、怪異の解決に奔走するバディホラー第5弾! 序/膿霧/炎罪/禁足/人形/投射/虚像/祭祀/晩夏/嗚咽/禍猿/夢魔/幻旅
岡崎琢磨さん(『珈琲店タレーランの事件簿』)激賞! 「どこかとぼけた神々の、人々に向ける眼差しが温かい。ずっと、こんな物語を読みたかった。」 私は天神さまこと、菅原道真。皆さまご存じのとおり、太宰府天満宮に祀られている学問の神さまである。好きな食べ物は卵かけご飯。家電製品の扱いはちょっと苦手。築五十年のオンボロ四畳半アパートで暮らしている。 この国には八百万の神々がいるが、私も含め皆、人間社会に紛れて生きている。コンビニで立ち読みをしていたり、ラーメン屋の行列に並んでいたり、公園のベンチでぐったりと休んでいたり、参拝者の願いに耳を傾けていたり…。 本書は、そんな神さまたちの何気ない日常のお話。 春の章一 東風梅香 春の章二 桜花慈酒 夏の章一 暑気宝来 夏の章二 珈琲天林 秋の章一 天地神明 秋の章二 秋思御衣 冬の章一 惟賀神年 冬の章二 六花慰撫 四季の章 匂い起こせよ、梅の花
しがない私立探偵・烏間壮吾(からすましょうご)の足元に横たわっているのは、後頭部から血を流した自分自身だった。戸惑う壮吾のもとにやってきた、自分のことを「天使」と言い張るくたびれたサラリーマン風の男性と、「悪魔」と名乗る美しい女性。彼らの役目は、死んだ人間の魂を天国か地獄のどちらかに運ぶことらしいが、手違いにより壮吾はうっかり死んでしまったと明かされる。生き返る条件は、彼らの仕事である「魂の選別」の代行をすること。半ば強制的に仕事を手伝うことになった壮吾は、様々な事件に巻き込まれていく…。 新世代ホラーミステリーの旗手・阿泉来堂の新境地! プロローグ 第一話 死の運命と落ちた女神 第二話 死の運命と残されたメッセージ 第三話 死の運命と探偵の矜持 エピローグ
まうわう。まうわう。ぐぐい、つうし。 本来の言葉はどんなだったか。今となっては思い出せない。 でも、これデいい… 無数の荒縄を纏う襤褸、桐箪笥から這い出る潰れた顔の女、月を呼ぶ筆に魅入られた男、獣面の異形が行き交う夜市… 隻腕の見鬼・千早とオカルト嫌いの堅物公務員・大野木が、正体不明の怪異に立ち向かうバディホラー第4弾! 序/狂濫/魂枯/古市/梟夜/秋狐/秋涸/響児/琥眼/幽蛇/月葬/雨煙/扇使/執花/教化/遺品/夜釣
数学科に通う大学生の神前裕人は、新入生歓迎会の帰り道、ひょんなことから殺人事件の現場に遭遇。被疑者として警察署に連れていかれることとなる。一旦は拘束を解かれるも、嫌疑をかけられたままの状態に不安を感じた裕人は、捜査一課の刑事の促しに応じる形で、自身が通う大学の古びた会館に足を運ぶことに。怪異研究会のサークル部屋で、ソファに寝ていた哲学科の水無月透華との出会いを果たした裕人の日常は、その日を境に一変。透華に振り回されながら、さまざまな事件の現場に足を踏み入れていくことに…。街中で突如燃える女、棺の内側から響く物音、目だけくり抜かれた死体…怪異の仕業とも取れる事件の真相を、思考実験をもとに導き出す。超常×解決ミステリー!第1回黒猫ミステリー賞受賞作。
隻腕の見鬼・千早と、オカルト嫌いな堅物県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人ではないモノどもが集う場所、決して遠くはない背中合わせの異界で、人の情念や想いが引き起こす数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。バディホラー戦慄の第3弾!
2023年9月全国公開映画「バカ塗りの娘」(出演:堀田真由、小林薫、坂東龍汰、宮田俊哉)原作小説。 映画化に伴い、2014年刊行小説にアフターストーリーとなる42pの特別書き下ろし「あとは漆が上手くやってくれる」を加え、映画仕様の帯で新版として刊行! 〈あらすじ〉 22歳の美也子は津軽塗職人の父と、デイトレーダーをしているオネエの弟との三人暮らし。母は、貧乏暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出て行った。美也子はスーパーのレジ係の傍ら、家業である津軽塗を手伝っていたが、元来の内向的な性格と極度の人見知りに加え、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞める。しばらくの間、充実した無職ライフを謳歌していたが、やがて、津軽塗の世界に本格的に入ることを決めた。五十回ほども塗りと研ぎを繰り返す津軽塗。一人でこつこつと行う手仕事は美也子の性に合っていて、その毎日に張りを与え始める。父のもとで下積みをしながら、美也子は少しずつ腕を上げていき、弟の勧めで、オランダで開催される工芸品展に打って出ることに。 青森の津軽塗を通して紡ぐ、父娘の絆と家族の物語。
「なにかお困りの方、メールをくださいーー」 悩みを抱える人の元に出かけていって、おたすけ料理をこしらえて解決へと導く謎の男“麦わらさん”。相談料はたったの290円。男の目的は?金額にはどんな意味があるのか?優しくて可笑しくて、少し哲学が入った11篇の連作短編小説。 第一話「世田谷区 豪徳寺」 第二話「伊豆 城ヶ崎」 第三話「池袋 平和通り」 第四話「上野 不忍池」 第五話「神戸 高架下」 第六話「東京 三宅島」 第七話「長野 小布施」 第八話「米国 ニューヨーク」 第九話「岩手 イーハトーブ」 第十話「奈良 ならまち」 第十一話「逗子 小坪漁港」