出版社 : 産業編集センター
「週刊文倫」の新米記者・糸川瑠花は、敏腕ではあるが曲者の特派員記者・戌井のアシスタントとして、二ヶ月前に都内で起きた殺人事件を追っていた。何者かに女児が連れ去られ、遺体で発見されたという事件だった。「なぜ二ヶ月も前の事件を?」と訝しがる瑠花だが、戌井はその理由を明らかにしない。 ー女児殺害事件から遡ること半年前、とある死刑囚の刑が執行された。するとそれが号砲であるかのように、各地で児童殺害事件が起き始めていたのだった。新米記者と曲者特派員が追う、凄惨な事件の真相とは… 第1話 ジャーナリズムの足音 第2話 人のネタに首突っ込むな! 第3話 赤ちゃん泥棒 第4話 イルカのスクープ 第5話 河童からの手紙 第6話 雨の中で見た男 最終話 真実は一つじゃない
愛がまねく、予測不能な結末。 捜査一課に配属されて間もない刑事・静川涼吾の全神経は、完黙を続ける容疑者を前に、極度に張り詰めていた。本当にこの男が殺したのだろうか…。誰の記憶にも残らないような、おとなしそうなこの男が。 ──事の発端は同僚殺害容疑だった。やがて、すでに事故として処理されてきた複数の事案がつながり始めた。真実が明らかになるほどに、いよいよ深まっていく謎。容疑者が落ちない理由を知った静川は…。 人間心理の深淵を描く、震慄のサイコサスペンス!
手芸店・八戸クラフトに勤めて10年の紬(つむぎ)は、毎日の小さなモヤモヤにつぶされそうになっていた。 リスペクトのない職場、ご都合主義の彼氏、微妙な親子関係… 気にし始めたらキリがないから、すべてに慣れてしまうのがラクだ。すべてにフタをしながら生きていけばいいのだ。 でも、手芸台につけられたタバコの焦げ跡を目にしたとき… このままでいいのか?30歳・紬の「自分を取り戻す」物語。
外道箱と血に狂う赤黒い犬、ないはずの右腕を掴む手、皮袋を引きずり徘徊する童殺し、化粧箱を泳ぎ回る異形の魚、ループする隧道(すいどう)… 隻腕の見鬼(けんき)・千早と、オカルト嫌いな県庁生安課・大野木は、骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人の情念や想いが、人ならざるものとなり引き起こす、数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…。SNSで話題の怪異譚、待望の書籍化! 序/夜行/穢向/洩呪/翡抄/団死/残仇/叫禍/掬魂/忌檻/至双/狂歌/紫眼/揺花/悪會
山あいの町で長年大切にされてきた巨樹が倒れた。 夏至を境に、水の記憶を持つ高校生の大洋と、膝に種を宿すクラスメイトの明里の日常が動き始める。 閉ざされた世界から自由へと漕ぎ出す17歳の2人の行方は……。塩の樹の伝説をめぐる不思議な物語。 装画/あき
10年前、恋人であり、患者であった沙耶が自殺した。 心理カウンセラーである悠木文月は、最近になって、彼女の叔父が同じ方法で命を落としたことを知る。 止まったままだった時間を動かすため、文月は彼女と叔父の関係性、自殺した動機を追い始めた……。 第1話 雨季の終わりを告げる妖精 第2話 探していた答え 第3話 知らないほうがよかったこと 第4話 陽炎に揺れる街 第5話 認知的不協和理論の代償 第6話 光が沈む場所 第7話 冬の太陽と闇に浮かぶ月 第8話 人を幸せにする資格 第9話 死んで当然の男 最終話 僕とみかん
時空を超える骨董ミステリー、待望の第2幕! 美術部員の楓と春樹は、迷い込んだ骨董屋「眼球堂」で、絹や金銀の糸で織り上げられた1枚のタペストリーを見つけた。 それはかつて春樹が模写した、幻の画家エディス・グレイの絵、そのものだった。 春樹にその絵を描かせた男は、眼球堂に出入りする少女・リラを執拗に追っていることがわかり…。 幻の絵が複製された真の目的とは?巨大な財団の陰謀と、天才芸術家を襲った悲劇の真実に迫る! 一章 迷子の神様 二章 時の少女2 三章 嘆きのレース 四章 神の瞳 五章 瞳に降り、溶ける雪 六章 雪の翼 七章 アイズ
第7回暮らしの小説大賞受賞作! 誰かに認められたい。でも自分は自分ー 不仲な両親の間で、体と心が2つに裂かれるような痛みを味わう薫子。 性的違和を感じ、ある日突然セーラー服で登校し始めるクラスメイトの中鉢。 それぞれが抱える戸惑いに互いにシンパシーを覚え、心友となった2人が見つけた「居場所」とは……。
その正義は誰のためのものか!? 真実と心理に迫る アイドル×警察×ミステリー! 女子高校生が自室で命を絶った。 壁には人気アイドルのポスターが貼られていた。 自殺として扱われたものの、刑事・安西京香は違和感を抱く。 真相を追う京香はやがて、セリーヌという「死神」と「1錠の薬」に行きつくが…。 ダイスケリチャード /装画 第1章 あるアイドルの死 第2章 警視庁大崎警察署生活安全課 第3章 ジェリーフィッシュの記憶 第4章 死神の居場所 第5章 暗い池に浮かぶ月 第6章 二つのペンダントトップ 第7章 死者からのメッセージ 第8章 真夜中の会議室 終 章 白い部屋のモルモット
"死後"の時間、請け負います。 契約者が生前に積み立てた時間の分だけ、 死後「幻影」としてこの世に留まれる不思議な契約ーー「幻影保険」。 新宿のはずれの法律事務所に籍を置く弁護士・坂井は、 幻影保険の執行人という裏の顔を持っていた。 果たしきれない想いの深さに誰もが静かに涙する、"終末"ファンタジー。 一 銀の時計 二 契約者の訪れ 三 幻影と呼ばれる者たち 四 時を託すということ 五 冬の華 六 新しい朝
「いつでも死ねると思ったら、生きていくのがラクになった」 舞台は薬科大学。何不自由なく青春を謳歌していたはずの男子学生の自殺から、不可解な死の連鎖が始まった。 同じ頃、SNSでは「たった一錠で、痛みも苦しみもなく死ねる薬」があると噂になっていて…。 二転三転する事態に、あなたもきっとダマされる。謎が謎を呼ぶ薬学青春ミステリー、堂々誕生! *第6回「暮らしの小説大賞」受賞作 第1章 テトロドトキシン 第2章 薬理学 第3章 水のないプール 第4章 AV女優の死 第5章 クリスマスの夜 第6章 恋は薬で治せる病 第7章 フラノクマリン 第8章 セリーヌの夢 終章 二本のペットボトル
時空の狭間で語られる、奇妙で美しい7つの物語。 デパートの片隅でひっそりと営業している骨董屋・眼球堂(がんきゅうどう)には、 眼にまつわる品だけが集められている。 そしてそこは、彼方と此方をつなぐ場所でもあった。 ーーーーーーーーーーーー ある日、中学生の柚香(ゆずか)はデパートの片隅で ひっそりと営業する骨董屋を見つけた。 眼球にまつわる品ばかりが集められたその店の名は「眼球堂」。 店主は柚香にこう言った。 「この店の骨董はどれもみな物語を持っている。君が物語を読み取れたなら、 その対価として私は君に健やかな眼球をあげよう」 店主の取引に応じた柚香はまず、ブリキの人形を手に取るが…。 一章 革命の瞳 二章 左の目の悪霊 三章 眼目愛づる姫君 四章 妖精の瞳 五章 時の少女 六章 青の王妃 七章 瞳の力
これは殺人か、救済かー さまざまな理由から、生き続けるのが困難な人が行使できる「死の権利=DR法」。彼らの死をほう助する医師・神恵一は、次々と訪れる患者を前に、自らの役割に苦悩する。 あまりにも重すぎる任務を背負った、若き医師の運命は!? 衝撃の結末が深い感動を誘う、圧倒的デビュー作! 第5回「暮らしの小説大賞」受賞。
ペットの死の瞬間を正確に予知し、 最期を看取る不思議なペットシッター 「ちいさなあしあと」。 「ペットシッターちいさなあしあと」は岩手県盛岡市にある、ペットの看取りを行う会社だ。 社長の陽太(25歳)は、においで生き物の死期が分かる。 社員には、動物の言葉が分かる薫(26歳)と、動物に深い愛情を抱く柚子川(31歳)がいる。 ある秋の日、海外から帰国した父親と久しぶりに対面した陽太は、 彼から漂うそのにおいに気づいた……。 「死」を通じて明らかになる、それぞれの人生。 粗末にしてかまわない「生」などひとつもないことが静かに語られる。 切なくも温かい命の物語。 第一章 貴婦人の秘密 第二章 起点 第三章 可愛いあたし 第四章 そういうこと
『利き蜜師物語』ついに完結! 冬のカガミノで、奇病トコネムリが突然変異を起こした。 一気に罹患していく村人たち。 仙道は病のかげに銀蜂の王の存在を感じ取る。 すべての魔術師を己の支配下におき、世界を支配しようとする王。 まゆと仙道は命がけで最後の戦いに挑む。 やがて、仙道の体にはある変化が起き始め......。 読書メーター「読みたい本ランキング」3巻連続第1位! 反響続々の『利き蜜師物語』シリーズ、驚きと感動の最終話!
ペットの最期の言葉を、私は飼い主に伝える。 子供の頃の交通事故をきっかけに、生き物の言葉がわかるようになった薫(25歳)。 派遣切りで職を失った彼女が再就職したのは、ペットシッター「ちいさなあしあと」。 主な仕事はペットの看取りだ。 悩みを抱えた少女に寄り添う犬、失恋した青年と暮らすうさぎ、家族の真実を見ていた猫......。 彼らの最期に立ち会い、見送り、その言葉を飼い主に伝える。 感動が止まらない! 逝くものと残されるものとの心ふるえる物語。 装画:げみ
ついに迎える銀黒王との対峙の時! 音楽祭前夜、芸術と退廃の都"月の古都"で、 まゆと仙道は名門楽師一族を守り抜けるのか。 急加速!! 予想外!!! ますます目が話せない第3話登場! 六七質/装画 序章 秋の里 一章 予兆 二章 月の古都 三章 楽師の館 四章 銀蜂の行方 五章 遠見と過去見 六章 千年の琴 七章 風の音 八章 黄金の船 九章 契約の証 終章 それぞれの未来
正直、ままならないことだらけの図書館業務。 でも、まあまあ楽しい毎日です。 みさと町立図書館分館に勤める遥は、33歳独身の実家暮らし。 本の貸借トラブル&クレーム対処をはじめ、 家庭内の愚痴聞きや遺失物捜索など色々ある図書館業務は、ままならないことが多い。 でも小さな町の図書館分館では、訪れる人たちの生活が感じられる。理解もできる。 だから、ここではちょっと優しくなれるのだ。 いなかの図書館を舞台に描かれる、 小さな町のハートフル・ストーリー。 [装画] loundraw
チューリップの庭園と、息をのむような図書室を備える古城・ベルジュ城。 利き蜜師・仙道と弟子のまゆは、利き蜜師協会からの、ある命(めい)を受け城を訪れた。 敷地に入った瞬間、仙道はそこに働く特殊な力を感じる。 仙道たちを迎えた城主シェーラは若く美麗な女主人だったが、その気配はあまりに弱々しい。 やがて仙道とまゆはこの城で、利き蜜師の真実を知ることになり……。 迫力のスケールで描かれる利き蜜師の物語・第二話。 「続きが気になる!」熱い支持を得ていよいよ登場です! 序章:旅立ち 一章 霧の古城 二章 図書室の魔女 三章 夜の会遇 四章 呪われた城 五章 閉ざされた時の部屋 六章 月のワルツ 七章 炎の花 八章 明けの空 終章 帰郷