出版社 : 論創社
英国の美しい田舎に現れた女は八年前に失踪した遺産相続人なのか? 蔦の木だけが知る「誰も知らない昨日の噓」とは? 謎めいた女の出現が〈ホワイトスカー牧場〉に波乱の渦を巻き起こす……。M・スチュアートの長編第六作にして浪漫サスペンスの傑作を初邦訳! 誰も知らない昨日の噓 訳者あとがき
本書は明治期になしえた日本の奇蹟の物語であり、騎兵たちの胸躍るドラマである。 日露戦争真っ只中の明治38年1月、中国の東北部にある沙河の凍土で、騎兵旅団長の秋山好古が三つの挺進隊を戦線に送り出した。目的は情報収集と敵陣攪乱。彼らの活躍が日本の勝利に大きく貢献することになる。 100年余の時を経た今、若き騎兵らの奮闘を丹念に追った書。 第一章 沙河の滞陣と児玉の迷い 第二章 永沼挺進隊、挺進作戦開始 第三章 ミシチェンコの八日間と黒溝台会戦 第四章 山内挺進斥候隊と建川挺進斥候隊 第五章 永沼挺進隊、鉄橋爆破と月下の騎兵戦
酒に酔った美女の嬌態が招いた悲劇。何気ない日常に潜む恐怖と暴力を冷静な筆致で綴る傑作ミステリ! --絶妙に配置された登場人物の動きと、その背景と事情によってそれぞれが追い込まれていく心理ドラマとしての面白さは、当時はもとより現在の読者にも充分に保障されているように思われる。(ミステリ評論家・横井司) 夏の窓辺は死の香り 訳者あとがき 解説 横井司
パーティー会場で不可解な毒殺事件が発生。誰が、何故、どうやって被害者に“毒入りシャンパンを飲ませた”のか? 容疑者は十一人。名探偵ネロ・ウルフが真相究明に挑む。--最後にウルフが容疑者を一堂に集めて事件の流れを再現する場面は、まさに黄金期の謎解きのクライマックスそのものだ。(「訳者あとがき」より) シャンパンは死の香り 訳者あとがき
人が消え、部屋も消え、路地まで消えた……。悪夢のような消失事件は悪霊による心霊現象か、それとも犯罪者の巧妙なトリックか? 〈L・C・スミス警部〉シリーズの第一作を初邦訳 ! 幻想三重奏 訳者あとがき 解説 宇佐見崇之
神之木流を教える道場の娘・いずみは十年前に母を亡くし、父・蔵人と二人暮らし。その父が自分に再び剣術を始めてほしいと言い残し、急に旅に出る。門弟たちと道場を守るいずみだが、不審な人物が次々と訪れ、いつしか謀反人らの拠点にーー。 父が幕府隠密というのは本当か。 道場乗っ取りの真の目的は何か。 神之木流道場の娘・いずみが よもやの謀略に立ち向かう! 序 章 真冬の道場 第一章 機織りと剣術と 第二章 師走の訪問者 第三章 人を斬る道 第四章 江戸城攻略 第五章 剣士の顔
丘陵地帯に居を構える繊維王の一家。愛憎の人間模様による波乱を内包した生活が続く中、家長と家政婦が殺害され、若き弁護士に容疑がかけられた……。M・R・ラインハートやM・G・エバハートの系譜に連なる《HIBK》派の知られざる実力派作家を日本初紹介! 欲得ずくの殺人 訳者あとがき 解説 絵夢恵
前警察庁長官が殺された。翌日、その捜査を担当する刑事も殺された。いずれもVXガスが使われており、特捜本部はテロを疑う。だが本部を置いた所轄の梶山署長は、課長の柴に十年前の件との関係を指摘し、「次はお前かも」と言うーー。 封印された過去が全貌を現す時、主人公の静かな怒りが「警察官の本分」を問う! プロローグ 十月十日 第一章 十月十一日 第二章 十月十二日 第三章 十月十三日 第四章 十月十四日 第五章 十月十五日 第六章 十月十六日 エピローグ 十月二十三日
名探偵ドミニック少年を悩ませる新たな謎はミステリアスな遺言書。アヴリル家の先祖が残した巨額の財産を手にするのは誰だ? 〈パリの少年探偵団〉シリーズ待望の続編! レトロモダンなジュブナイル・ミステリ第二弾。 アヴリルの相続人 訳者あとがき
傷ついたこの世界を修復せよ!命の限りサヴァイヴせよ! ルーツを隠して妻に捨てられた「在日」の男と、小学生の息子に自殺されてホームレスになった片腕の男が出会った。瀬戸際の二人が修復とサヴァイヴァルの物語を始める。 第一部 もうこの世に住みかはありゃしない イメージの本 第二部 星屑たちのシェルター
十九床の一医院の再生から出発し、五十年間で首都圏を含む二十八病院五千五百十一床、六医療専門学校(うち一大学)、スタッフ総勢約一万五千人を擁するまでにカマチグループを成長させた蒲池眞澄という破天荒で痛快な医師の物語。その成功の秘訣を解くカマチイズムとはなにか?-克明な資料と取材に基づき、グループの奮闘を描く迫真のドキュメンタリー小説。
リボルバーは彼を狙って確かに発砲された。しかし、それは空包の筈だった……。夜間公演の余興を一転して惨劇に変えた恐るべき罠。誰が、何故、どのように仕組んだのか。夫婦揃って演奏会場を訪れていたロデリック・アレン主任警部が不可解な事件に挑む。シリーズ長編第十五作を初邦訳! 楽員に弔花を 訳者あとがき
鎌倉時代末期、十六歳の足利高国(のちの直義)は、書の名人・世尊寺殿の手蹟を入手するよう母に命じられる。目当ての猫と引き換えに書を渡すと言う世尊寺殿。高国は彼の真意を探るべく京に旅立つーー。書をめぐる謎と静かな権力闘争の中、若き日の足利直義が野望に覚醒する! 一、花橘 二、粽 三、鵼 四、矢神 五、玉章 六、月 七、姨捨山 八、更級 九、侍従の大納言 十、鳥辺山 十一、猫 十二、夕顔 十三、玉鬘 十四、入木道 十五、忍子 十六、宿願 十七、太刀の緒 十八、出立 十九、梅香 二十、花洛 二十一、墨染 二十二、連枝 二十三、才 二十四、乳母子 二十五、附子 二十六、徒言 二十七、祇王 二十八、蛇 二十九、黒猫 三十、南泉斬猫 三十一、芥川 三十二、真相 三十三、墨壺 三十四、餞 三十五、世尊寺殿の猫 三十六、決断
「科学」に不信を抱き大学を休学した池田哲のもとに、かつての同級生・藤崎雪葉が訪ねてきた。彼女は池田に一本の鍵を預け、謎の解明を依頼して去る。謎がある場所は雪葉の祖父が建てた、時計塔のある図書館だった。そして喪失と再生の物語が始まる! 一、出題 二、v=f λ 三、笑う鼠 四、還る 五、座標 六、青い花 七、水底 八、整理 九、解答 十、出発
終末感漂う近未来、家族を失った少女は共同体の“外側に存在する世界”で新たな価値観を知るのだが……。サマセット・モーム賞受賞作家による〈形而上小説〉を初邦訳! 英雄と悪党の狭間で 訳者あとがき
智将ジョニーと怪力男サム、凸凹コンビが挑む最後の難題は楽曲をめぐる“旋律”の事件。2018年に始まった“〈ジョニー&サム〉シリーズ長編全作品邦訳プロジェクト”、足掛け七年を経て、ここに堂々の完結(グランドフィナーレ)! ソングライターの秘密 訳者あとがき
霧深いロンドンの街で“十七”という数字に付きまとわれた不定期船の船乗りが“十七番地”の家で体験した“世にも奇妙な物語”。ヒッチコック映画「第十七番」の原作小説、待望の初邦訳!
ネット全盛の時代に斜陽産業と化した新聞業界。中でも地方紙は凋落の一途を辿っていた。将来の幹部候補と目された社会部キャップ・岡部の退職理由を探るように言われたサブキャップの花村は、一枚の絵葉書をもらうー。四半世紀の記者経験を有する著者が心血を注ぎ込んで描く“記者の誇り”とは?