出版社 : 論創社
犯罪学者ジュール=マリー・ゲルパ氏、ニューヨークで保険金詐欺事件に巻き込まれる! プロパーのミステリ作家ではないからこそ、時代の空気や潮流を敏感に捉えていたとも考えられよう。本書の翻訳が、新たなミステリ史の流れを模索するきっかけとなることを期待したい。(本書解説より) 歪んだ木 訳者あとがき 解説 横井司
美しき復讐者が 最後に狙うのはだれか その嘘は一人の教師から始まったーー 十七年前に隠ぺいされた事件がいま襲いかかる! 宮城県警捜査一課の友永は奇妙な交通事故を目撃する。 女性が何かに怯えて自ら車道に飛び出し、重傷を負ったのだ。 続いて仙台の山中で遺棄死体を発見。難解な事件の幕開けだったーー。 セーラー服の亡霊をめぐる事件で喧嘩上等・腕力無双がまたも炸裂! 帰ってきた最凶の女刑事、シリーズ第2弾! 口は悪いが頭は切れる。揉め事は殴って解決! 制御不能な女性捜査官が杜の都・仙台を駆け抜ける。 第一章 姿なき脅迫者 第二章 十三階の高き壁 第三章 制御不能の女刑事 第四章 十七年目の再捜査 第五章 加速する亡霊 第六章 隠された過去を暴け 第七章 悪意を追い詰める絆 第八章 復讐の向こうにある笑顔 終 章 ラヴィル・ラフォーレの妖精
地方都市を支配する一族が営む総合病院に隠された深淵なる闇。続発する怪事件に立ち向かう偏屈探偵・蜘蛛手啓司は、過去から連綿と受け継がれる“負の歴史”に終止符を打つ事ができるのか……。第11回鮎川哲也賞受賞の実力派作家が放つ渾身の書下ろし長編! ネズミとキリンの金字塔
事件の始まりから幕引きまで約半日。ヴァルクール警部補の活躍で事件は短期間で解決したかと思われたが……。章題に時刻を記して読者に時間の経過を知らせる捜査小説のような趣向を取り入れた、〈ヴァルクール警部補〉シリーズの第一作を初邦訳! 『時計の殺人』は意外性に継ぐ意外性に驚かされる作品である。英米探偵小説黄金時代における屈指のエンターテインメントと言って良い。(作家・二階堂黎人氏推薦文より) 時計殺人事件 訳者あとがき 解説 二階堂黎人
宝暦年間、二代目團十郎と人気を二分した破天荒な講釈師! 芝居のように演じる「仕方講釈」の深井志道軒(ふかい・しどうけん)が 数々の事件を解決に導く痛快無比の時代小説! 大僧正の侍僧・新蔵は栄達を諦めて還俗。 一時は乞食坊主まで身を落とすが、四十歳にして辻講釈を習い、 浅草寺の観音堂脇で江戸っ子の人気を博す。 そのうち浅草の住人から様々な厄介事の相談が持ち込まれてーー。 実在の講釈師を題材に、火付盗賊、失踪、誘拐と続く事件に立ち向かいつつ、 江戸っ子を笑いの巻き込む人情話芸! 序 章 怨念孕む 第一章 あの橋を渡れば 第二章 遠い約束 第三章 天才馬 第四章 表裏 第五章 拐かし 第六章 天網の共鳴 第七章 入牢 終 章 さらなる高みへ
ラジオ番組の放送中に殺人事件が発生! 被害者はゲストとして招かれた競馬新聞の発行人、死因は毒死だった。金欠状態のネロ・ウルフは「珍しく」事件の調査を自ら引き受けるが……。犯罪組織の黒幕アーノルド・ゼックとの壮絶な戦いを描いた三部作の劈頭を飾る長編作品"And Be a Villain"の完訳。 忌まわしき悪党 訳者あとがき
向かいあう二軒の家の怪事件。ベンが何度脅されても戻ってきたのは、あの娘(こ)との約束のためだった……。あの娘(こ)を救うため、ベンは悪の巣窟に乗りこむ。読むほどにハマるファージョンの不思議な世界。〈船乗りベン〉シリーズ第二作! 向かいを見つめる空き家の目 訳者あとがき
殺人事件の発生によって疑惑の場と化した晩餐の席。ディナー・パーティーに招かれた私立探偵シェリダン・ウェズリーが地元警察のスローカム署長と捜査に乗り出す。ヒラリー・ウォーのデビュー長編、原著刊行から78年ぶり初邦訳! マダムはディナーに出られません 訳者あとがき 解説 塚田よしと
女に弱い謎の武士・上水流倫三郎、実は剣の達人で藩の密命を帯び京に潜伏中。ある日、清水寺で身投げを試みた女を助ける。この一件を手始めに、くノ一、御庭番、騙り師、貧乏公家らが次々と現れ、尊王論をめぐる宝暦事件に巻き込まれていく──。 京で暗躍する公卿らは敵か味方か? 倫三郎はのらりくらりとかわせるか? 第一章 京狩野の女絵師 第二章 懸想文売り 第三章 お公家さまの内職 第四章 不忠臣の子
“女人禁制”のネロ・ウルフ宅に宿泊希望の美女襲来! そして、女嫌いの名探偵を困惑させる予想外の殺人事件が発生する……。証人の確保を巡る〈人盗り合戦〉にウルフ&アーチーの名コンビが挑む。シリーズ長編15作目を幻の第十七章も含めて完訳。 人盗り合戦 訳者あとがき
藩の追っ手から身を隠すこと一年余り。十兵衛は材木問屋「弁柄屋」の娘・桃春と能役者の斎藤十郎兵衛から頼まれ、掛け持ち用心棒になる。 弁柄屋主人がひた隠す脅し文の謎、江戸っ子の関心の的である「写楽」の正体、事件が重なって十兵衛が動き出すーー。 有名な歌舞伎役者、浮世絵師ほか、いま話題の蔦屋重三郎も登場する如月十兵衛、誕生秘話。 〈不敗の豪剣〉十兵衛の伝説は本書から始まる! 【第一部】十兵衛と弁柄屋 第一章 盲目の娘 第二章 脅し文 第三章 にわか口入屋 第四章 轡田道場 【第二部】十兵衛と斎藤十郎兵衛 第一章 本石町十軒店 第二章 掛け持ち用心棒 第三章 九月十三夜(後の月) 第四章 長崎へ
第二次大戦下の緊迫した空気を孕みながら繰り広げられるスリルと謎とサスペンス。かつて一世を風靡した人気女流作家M・R・ラインハートによる傑作短編集を完訳! 男なら誰しも 無類の釣り好き クローゼットの中のヒント 灯火管制 肖像画 イザベルの不在証明 ミセス・エアーズの一時的な死 執事のクリスマス・イブ 口紅 訳者あとがき
平賀源内が牢死したのは真実か。牢獄内でも生きることに執着心を燃やしていた男なのに……。そもそも後ろ盾だった田沼意次が見殺しにするだろうか。著者の素朴な疑問が紡ぎ出した浪漫溢れる一冊! 平賀源内 天下御免の男 虚構と実像 あとがきに代えて ドラマと父と交友と 上野友彦
十手が光る、推理が冴える、粋でいなせな岡っ引! 昭和26年刊行の江戸捕物帳を復刊、時代小説の名手による珠玉の短編集! 豆腐屋佐兵衛の店に貧しい身なりの侍が現れ、「その油揚を百文くれ」と言ってその場で美味そうに食べる。夫婦はお稲荷様かと思ううち、店は今までないほどに繁盛し、五十両の金を差し出すが…(「狐侍」より)。浅草諏訪町の岡っ引・清吉が活躍する12の短編を収録ーー。 小気味よい江戸弁と共に事件を解決する清吉の活躍譚! 狐侍 女役者 夢占い 稲妻小僧 辰巳八景 百両牡丹 消えた瑠璃太夫 団扇の仮名文字 大御番の娘 仁王の怒り 夢の千両箱 地獄のたより(全12編)
「次に死ぬのはお前かもしれない」不気味な手紙は殺人の予告だったのか? 施錠された室内で発見された老婦人の絞殺死体。撲殺された無垢な娘。相次ぐ自殺。平和な町を襲う未曾有の事件に秘められた真相とは……。 夭折の女流作家ドロシー・ボワーズ、最後の未訳長編が待望の邦訳! 弔いの鐘は暁に響く 訳者あとがき
定町廻同心・小鳥遊(たかなし)篤右衛門は息子に家督を譲って俳諧三昧の日々。 宝永五年師走、煙管屋市兵衛の店に来た押し売りが猫殺しを企む。立て続けに篤右衛門の旧友・喜田屋庄兵衛が誘拐されるーー。 生類憐れみ令を背景に策謀する犬目付・深見の真の狙いとは? 第一章 口入屋 第二章 座敷鷹 第三章 遊女 第四章 蜘蛛筺 第五章 御目付 第六章 薨去
英国の美しい田舎に現れた女は八年前に失踪した遺産相続人なのか? 蔦の木だけが知る「誰も知らない昨日の噓」とは? 謎めいた女の出現が〈ホワイトスカー牧場〉に波乱の渦を巻き起こす……。M・スチュアートの長編第六作にして浪漫サスペンスの傑作を初邦訳! 誰も知らない昨日の噓 訳者あとがき
本書は明治期になしえた日本の奇蹟の物語であり、騎兵たちの胸躍るドラマである。 日露戦争真っ只中の明治38年1月、中国の東北部にある沙河の凍土で、騎兵旅団長の秋山好古が三つの挺進隊を戦線に送り出した。目的は情報収集と敵陣攪乱。彼らの活躍が日本の勝利に大きく貢献することになる。 100年余の時を経た今、若き騎兵らの奮闘を丹念に追った書。 第一章 沙河の滞陣と児玉の迷い 第二章 永沼挺進隊、挺進作戦開始 第三章 ミシチェンコの八日間と黒溝台会戦 第四章 山内挺進斥候隊と建川挺進斥候隊 第五章 永沼挺進隊、鉄橋爆破と月下の騎兵戦