出版社 : 講談社
江戸前期を代表する作家・井原西鶴。彼の娘おあいは、盲目の身ながら、亡き母に代わり料理も裁縫もこなす。一方、西鶴は、手前勝手でええ格好しぃで自慢たれ。傍迷惑な父親と思っていたおあいだったが、『好色一代男』の朗読を聴いて、父への想いが変わり始める。小説を読む歓びに満ちた、織田作之助賞受賞作。
綾子の同級生で資産家の娘・貴子から舞踏会へ招待された三姉妹。五年に一度開かれる絢爛豪華な舞踏会にはゲストに小学生アイドルの西野メイが招かれており、メイを追って殺人事件の容疑者のストーカー男が紛れ込む。さらには死んだはずの貴子の叔父までが出席…?危険な匂いしかしない宴が始まる!
リオのカルナヴァル最後の夜、暗殺者のおれは、組織の裏切り者を狙ってビルの高層階に待機した。奴はリオの非合法地域に潜伏中だったが、この日はどの住民もサンバの踊り手として山車の上に乗らなければならない。おれは今、狙撃の瞬間を静かに待っている。(「カルナヴァル戦記」)他6篇を収めた珠玉の短編集。
東京・国分寺の古い洋館で火災が発生。鎮火した現場から発見されたのは、奇妙な隠し部屋と、横たえられた白骨遺体だった。その後の調査で、一体かと思われた人骨が、実は男性の頭部と女性の胴体が組み合わせられたものだということが判明する。一体誰が、なんのために? 刑事・如月塔子と十一係のメンバーが、事件の真相を追う! 第一章 ヴンダーカンマー 第二章 ヘルマフロディトス 第三章 インスタントカメラ 第四章 コテージ
作家自身を思わせる主人公の長江古義人は、3.11後の動揺が続くなか「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」と題する文章を書きだす。妻、娘、妹の「三人の女たち」からの反論。未曾有の社会的危機と自らの老いへの苦悩。少なくなる時間のなかで次世代に送る謎めいた詩。震災後の厳しい現実から希望を見出す、著者最新にして「最後の小説」。 作家自身を思わせる主人公の長江古義人は、3.11後の動揺が続くなか 「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」と題する文章を書きだす。 妻、娘、妹の「三人の女たち」からの反論。 未曾有の社会的危機と自らの老いへの苦悩。 少なくなる時間のなかで次世代に送る謎めいた詩。 震災後の厳しい現実から希望を見出す、著者最新にして「最後の小説」。 前口上として 余震の続くなかで 三人の女たちによる別の話(一) 空の怪物が降りて来る 三人の女たちによる別の話(二) アサが動き始める 三人の女たちによる別の話(三) サンチョ・パンサの灰毛驢馬 三人の女たちによる別の話(四) カタストロフィー委員会 死んだ者らの影が色濃くなる 「三人の女たち」がもう時はないと言い始める 溺死者を出したプレイ・チキン 魂たちの集まりに自殺者は加われるか? 五十年ぶりの「森のフシギ」の音楽 私は生き直すことができない。しかし私らは生き直すことができる。 解説 未来の扉は開くのだろうか 尾崎真理子
未解決事件を専門に扱う警視庁特命対策室7係に配属になった新人刑事・鬼切壮一郎。さっそくドS女刑事・辰巳麻紀警部補らメンバーとともに5年前に未解決となった失踪事件捜査にあたる。男が突然姿を消し、刑事だった兄が容疑者となった事件。壮一郎は麻紀にイビられながらも真相を突き止めるべく奔走するが……。
日銀総裁からの極秘電話に警察庁幹部は震撼する。廃棄に回したはずの古紙幣千五百億円が、溶解処分されずに忽然と消えたというのだ。複数のコンビニATMから巨額の金が不正に引き出される事件も発生。二つの事件捜査にあたる情報室の黒田純一が着目したのは、金の輸送方法だった。最新の捜査技術でホシに迫る! プロローグ 第一章 帰国 第二章 捜査陣 第三章 極秘任務 第四章 協力者 第五章 始末 エピローグ
剣術道場の師範代の巴は、剣の腕前の強さに加え、日本橋小町と評判の見目麗しさ。巴が一方的に慕う刺青彫師の青治と巴に想いを寄せる十手持ちの桃助、三人の周りでは不可思議な出来事が続く。江戸市中を騒がす「生きミイラ」の正体をあばくため、巴らは奔走するが…。怖くてあやしく面白い、最旬時代小説。
建築学会が開催される大学に、γの字が刻まれたキウイがひとつ届いた。銀のプルトップが差し込まれ手榴弾にも似たそれは誰がなぜ送ってきたのか。その夜、学長が射殺される。学会に参加する犀川創平、西之園萌絵、国枝桃子、海月及介、加部谷恵美と山吹早月。取材にきた雨宮純らが一堂に会し謎に迫るが。 プロローグ 第1章 アカデミックな器機 第2章 エキセントリックな鬼気 第3章 リカーシブな忌諱 第4章 アヴェイラブルな危機 エピローグ 解説 雨宮まみ
長春で敗戦後、木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく、しかも強靱な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる想像を絶する圧倒的現実。形象化した木山文学の真骨頂。著者最後の傑作中編小説。
忠次たちが住む溝猫長屋には、三月十日の時点で最年長の男の子たちが、長屋の奥にある祠を毎朝お参りする決まりがある。その祠を拝むようになってから子供たちは「幽霊が分かる」ように。祠にはどんな謂れが?なぜ「分かる」ように?そして忠次と同い年の銀太、新七、留吉らに苦難の日々が始まったー
タオルに血で書かれたSOSを手掛かりに捜査を開始した刑事・如月塔子と相棒の鷹野。しかし彼らが発見したのは、監禁されすでに事切れた被害者だった。タオルを運んだ人物として捜査線上に浮かんだのは九歳の少年・優太。年の割に大人びていて、事件について頑なに口を噤む彼は、なぜか塔子にだけ懐く素振りを見せる。これまで多くの特殊犯罪を解決に導いてきた捜査一課十一係ー殺人分析班の捜査と推理が光る、人気警察ミステリシリーズ最新作!
京都・月読神社で女性の絞殺死体が発見される。翌朝、近隣の松尾大社では女性の兄の死体が鳥居に吊される。事件を取材する小松崎良平は、桑原崇と棚旗奈々が一泊旅行で京都にいると知り、強引に合流する。記紀最大の謎とされる月読命の真の姿とは? 渡来人技術集団・秦氏の悲劇とは? 崇の推理が冴えわたる待望のQED新作。 プロローグ 月の罪 月の隈 月の妖 月の澪 エピローグ
市子は、同級生の葛葉芹香、田口楓と生まれて初めて遊園地へやって来た。絶叫マシンにティーカップ、お化け屋敷。アトラクションを回るうち、三人は位相の違う場所に辿りついてしまう。シリーズ短編4編を収録。 おかっぱ頭で黒縁眼鏡、一見地味な中学生・出屋敷市子。しかし眼鏡を外せば、緑色の瞳をした美少女。そのうえ彼女神から遣わされた妖怪の類が80以上もついている、まったく平凡ではない14歳。人とは違う出自の彼女には、実は普通の経験がまったくないのだった。 「地獄の釜の蓋が開く」とは「鬼だって盆は休む」という意味である 正体を知らなくても恋愛はできる 大切なものは目に見えないと言うのは簡単だけど 貴方の人生は私のものではないのか 参考文献
アニメ「K」のスピンオフ小説! アニメでは描かれることのなかった《緑の王》比水流の過去やクランズマンたちとの出会いが初めて明かされる! 五條スクナ、御灼神紫、そして磐舟天鶏らはなぜ、比水のもとに集い、他の王たちに戦いを挑むことになったのか!? TVアニメ『K』の原作/脚本を手がけた作家集団GoRAの一人、鈴木鈴が、知られざるエピソードを描く! 序幕 王とケモノ 第一幕 新世界 第二幕 ジャイアントキリング 第三幕 地下に住む王 終幕──緑の夢
清朝最後の皇帝・溥儀は、紫禁城を追われながらも、王朝再興を夢見ていた。イギリス亡命を望む正妃と、史上初めて中華皇帝との離婚に挑んだ側妃とともに、溥儀は日本の庇護下におかれ、北京から天津へ。そして、父・張作霖の力を継いだ張学良は失意のままヨーロッパへ。二人の天子は塵をかぶって逃げ惑う。ラストエンペラー・溥儀と二人の女。時代の波に呑み込まれた男女の悲劇と壮大な歴史の転換点を描く。
和真と創馬、そして月子。秋の訪れとともに、親子三人の関係も変わっていく。何が家族を繋ぐのか、なぜ家族は一緒にいるのか、そして、彼らはまたひとつになれるのか!? カシオペア座、ペルセウス座、黄道十二星座の天秤座、蠍座、射手座。秋の星座は、未来へつなぐ希望の物語。 好きな人と夜空を見上げたくなるーー人生讃歌エンタメ小説、ついに完結! 笑って涙して、心温まるプラネタリウム。星とあなたの物語、ここに完結! 秋の訪れとともに、星座館の面々も変わっていく。何が家族を繋ぐのか、なぜ家族は一緒にいるのか。和真と創馬、そして月子。”親子3人”は本当の家族になれるのか!? カシオペア座、ペルセウス座、黄道十二星座の天秤座、蠍座、射手座。 秋の星座は、「未来」へつなぐ「希望」の物語。 第一章 カシオペア座 第二章 ペルセウス座 第三章 天秤座 第四章 蠍座 第五章 射手座