出版社 : 講談社
ぼくの体に、何かとんでもない変化が起きている。東京全都を嘔吐させるような異臭がぼくの体から漂い始めた。原因はわからない。気弱なぼくを信じてくれる人はたった1人。コンピュータを自在に操る天才少年たちも仲間だ。八方ふさがりの迷路の中で、今、ぼくのとてつもない青春の冒険が拳をふり上げる。
翻訳家・野中は妻と娘と別れ、1人きままに暮らしている。だが親友が突然死に、若い智子との恋にも終止符が打たれた。野中には、彼のことはプー横丁の住人、トラのティガーと呼ぶ娘・塁子たちが住む海辺の街にしか帰るところはないのだろうか。童話の世界を主低音にして現代の家庭を描く異色の連作長編。
コンピューターにウィルスを侵入させて防空識別圏を大混乱に陥れ、その隙に747ジャンボジェットに満載したコカインをコロンビアからアメリカに運び込むー。会社を乗っ取られた天才プログラマー、ダリウス・ホイットニーに悪魔が囁いたとき、恐怖のドラマが始まった。興奮の長編ハイテクサスペンス。
ぼくの名前はショウジショウイチ。劇団二十一世紀少年の奴隷だ。奴隷というのは、劇団の中でも最下層の役者を指す。その呼び名の通り、先輩の役者にドヤされてこき使われ、しかも公演の時は端役どころか装置の転換くらいしかやらせてもらえない…。劇団の中に生きる奇妙で哀しい人々の姿をやさしく描く。
敗戦直後のカラフト、密告におびえながら街の底に隠れひそむ男たちをいやす無垢な魂の出現。人間を結びつけるものを凝視した人間の文学。敵前逃亡者の絶望と異形の愛のかたち。書下ろし長篇小説。
ヨーロッパに広く流していたお噺のなかから、表題作をはじめ「青ひげ」「長靴をはいた猫」「サンドリヨン」などを著者ペローの文学観で編みなおした「昔話集」は、当時の社会に大きな影響を与え、現在も読みつがれている。本書はドレの画とともに、散文八編だけでなく韻文三編も加えた、そのすべてを紹介。
慢性腎不全を患うみずえに不審な生体腎移植の話が持ちあがった。時を同じくして起きた、みずえの実家、神田の古書店に対する地上げ攻勢、婦女暴行魔の脱獄、そして何者かの影に怯える美しいスペイン研究者・理絵…。神田界隈を背景に私立探偵・岡坂神策が錯綜する謎に挑む。大人のミステリー。ハードボイルド長編。
深夜スーパーチェーンの社長が殺された。本社エリート社員が、コンビニ業界の熾烈な闘いの現場で謎を暴く。苛酷なノルマに恋の相手からも恨まれ、しかも容疑者は彼女の弟。本部に隠れて仕入れする裏技など知られざる内幕と、難局を切り抜ける愛を描いて、著者が新しい分野に挑んだ官能ミステリー長篇。
死体の傍にあったゲーテの詩は犯人を告発するダイイング・メッセージなのか?タロット占いをしていた二階堂日美子は彼女自身が死者になって驚く。身辺に何か不吉な犯罪を予感したとたん今度は親友門田京子が自宅密室で殺されたとの報せが。ゲーテの詩ファウストが事件の鍵をにぎる本格長編ミステリー。
暴走する若さ、純情きわまる愚行の限りを尽くす大学生たちを襲う実社会の試練“就職”の実態を描く長篇小説。講談社、文春、新潮社からフジTVなどマスコミへの入社へ向けての大奮闘。高額初任給とやりがいのある仕事、恋愛まではたして就職戦線の勝利者となるのは誰か?若者たちに大人気の映画原作。
長い人生の迷いを、夜の闇にたとえて生死長夜という。心ならずも男たちを不幸にし、その倍くらい不幸になった女、漂泊の涯てに行き倒れの死を願う女、偶然の再会にも、妻の顔を思い出せない老残の男、大僧都の身を捨てて恋に滅んだ因縁の男…愛憎の迷いの中で生きてゆく人間を描く、心にしみる傑作短編集。
隋の煬帝とは従兄弟、北朝の名門・季淵が挙兵し、次男・季世民の活躍で、無血の政権獲得に成功。唐王朝が、うぶ声をあげた。女帝・武則天の周をはさんで、絢爛たる時代が花ひらく。玄宗皇帝の宮廷に、楊貴妃の笑声が、乱舞する美女群の嬌声が、弦歌の音色とともにこだまするーー中国史の醍醐味の極みを描く。<全6巻>