出版社 : 講談社
『ドン・キホーテ』と並び称される文学上の典型人物ラサリーリョ(16世紀・作者不詳)を新たに誕生させ、20世紀に放浪させる。現代ピカレスクの名作。
相模屋の店先で雪駄が一足盗まれた。相模屋出入りの岡っ引・半次は、下手人・仙八を挙げた上野山下の助五郎親分に会い、引合を付けて抜いてもらおうとした。だが、単純に見えた事件は意外な展開をみせはじめ、やがて大きな謎が…。サスペンスあふれる新・捕物帳登場。
エジプトのミイラのように顔中を包帯で巻いた怪人は、復讐のため地獄から戻ってきた〈地獄の奇術師〉と自ら名乗り、十字架屋敷に住む暮林義彦とその家族を皆殺しにすると告げた。まず長女を惨殺。顔の皮を剥ぎ包帯の下に隠された自分の無惨な顔と同じ姿にした後、その魔手は矢継ぎ早に暮林家の人間を血祭りにあげ、あろうことか何重にも鎖ざされた密室の中から、煙のように消え矢せるのだ。逆転につぐ逆転。ラストで明かされる畏怖すべき真相。名探偵・二階堂蘭子の誕生を告げる、妖気漂う本格ミステリーの傑作。
代議士愛人の引き逃げを目撃した男と女。迫水純一郎は大金を受けとるために博多発「ひかり8号」に乗ったが、広島駅到着直前に毒殺された。札幌で五千万円を入手するはずだった結城佑子は迫水が殺された三時間後、犯人と遭遇、そして殺された。走行中の新幹線から札幌への殺人ルートはいったいどこにあるのか?
新進タレントの南ユカが、青森県の十二湖で誘拐された。続いて大杉物産の社長夫婦も誘拐された。捜査に乗りだした十津川警部らだが、身代金を払って解放されたと思われる被害者も、その家族も、なぜか誘拐の事実はなかったと否定。事件を立証できずに焦る十津川をあざ笑うように、犯人は第三の犯行に着手した。
ポーランドの秘密情報機関の指令を受けた男は、かつての友人を追って東京を発ち、シンガポールへ向かう。男たち2人は謎のアルバニア美人をめぐってパリで競い合った過去をもつ。ピアニストとして挫折した友人を追って男はさらにウイーンへ飛ぶ。友情が殺意に変わるとき、男と女は謀略の渦中で再会した。
琵琶湖畔、ひとり旅を楽しむ史絵のまどろみは唸るような男の歌声で破られた。翌日、遊覧船に流れる「琵琶湖哀歌」こそ、あのメロディではないか。そのころ琵琶湖の水を守る会のリーダーが密室で死亡。自殺か他殺か、友人の窮地を救うため浅見光彦も車を西に走らせる。やがて究明される湖水をめぐる陰謀とは。(講談社文庫) もうひとつの琵琶湖周航歌に隠された悲劇。琵琶湖の水を守る会のリーダーが密室で死んだ。自殺か他殺か? 友人相川の依頼をうけて浅見光彦の推理が始まる。やがてデベロッパー上島総業の横暴が明らかに。 プロローグ 第一章 死にかけた湖 第二章 われは湖の子 第三章 湖西に死し湖東に死す 第四章 密室の謎 第五章 推理の壁 第六章 哀歌の流れる湖 エピローグ 自作解説
残された傷痕は、美人の売れっ子作家ベリル・マディソンが必死で抗い、命乞いをしながら死んでいったことを物語っていた。殺人犯の待つリッチモンドへ、なぜ彼女は帰っていったのか、なぜ犯人のためにドアを開けたのか、そしてなぜ、殺される運命にあったのかー。MWA処女作賞受賞作家渾身の第2弾。
神戸の異人館に住む日本人の若い女の元へ英国の大富豪ジョン・ポール・ゴッティの使いだという男が現われた。女の祖母である亡命ロシア人が残した古い黒鞄を法外な値で買い取りたいという。女が途方もない申し出を断ったとき、世界を揺るがす巨大な歴史の暗部が浮かんできた。幻の密約文書の正体は何か?
豊満な身体の潮の満ち干きがいつもと違う反応をしている。別の男の存在を感じとった翌日、美人秘書・佳津美は死体となって発見された。最後のデートの相手だった緒方は犯人と疑われてしまう。誰が真犯人か?すべての罠はベッドの上に仕掛けられていた。官能と推理が鮮かに融和した人気作家の傑作長編。
エノケンがエノケンを殺した?昭和12年、浅草の人気劇団で起きた不可解な連続殺人。犯人として疑われたのは、人気絶頂のエノケンこと榎本健一。三重の密室とアリバイの壁が彼を追いつめる。エノケン、親友のロッパ、弟分のシミキンが複合トリックの謎に挑む傑作ミステリー。第35回江戸川乱歩賞受賞。
白昼のテニス・クラブで、女性の焼死事件が発生。死者として18年前に忽然と姿を消した女子大生が浮上する。当時の彼女に一体何が起ったのか、無惨な火だるま事件とのつながりは?哀調漂う雪の瓢湖に舞うブラックスワンをキーに展開する青春時代の謎を詩情豊かに追う、著者初の本格推理長編。
バブル経済がはじけ、業界の再編・変動がはじまっている。いかに優秀な人材を集めるか。ヘッドハンターの動きは巧妙をきわめる。「W・W・R」本社の人材課課長・高村泰生は、銀行や証券会社の若手に狙いを定めた。鋭い嗅覚と型破りな手で誘いをかける。人材スカウト会社の知られざる実態を描く経済情報小説。
自意識の分裂に悩み戸惑う知識人の久内と、狂気のような熱情をこめて醸造技術の発明に没頭する一途な男雁金。ふたりの対照的な成り行きに、近代の合理的な人間認識と“日本精神というもの”との相剋を見る。漱石、芥川以来の「西欧的近代と向き合う人間」というテーマを内包しつつ、“第四人称”の「私」という独自のスタイルで物語る。晩年の『旅愁』へと向う前の著者中頃の代表的長篇小説。
父の遺した名剣「月光」を手に、修業を続ける志楽。最初の熱情が薄れゆくころ、妖やしい魅力を放つ美少女剣士・風見梓と立ち会う。“女”を意識して志楽は勝てない。長い放蕩生活の後、決着をつけるため再び梓に挑む。そこは、名刀「日輪」を志楽から奪った明智光秀が、今まさに攻め入らんとする「本能寺」だった。怒涛の第4巻。
満月の夜、白いマンションに住む美人が次々に殺される。僕は、悲鳴のあった部屋に飛びこみ、死体を発見したとたん、マンションの住人に目撃され、追われる身となった。しかし、疑いを晴らすために犯人探しに乗り出した僕が気になるのは、満月の夜、欲望が膨らみ記憶を失う僕自身のこと。期待の作家の傑作推理。