出版社 : 講談社
時は後漢末、献帝を擁した曹操の権勢は絶大なものがあった。劉表より荊州を譲られた劉備は、諸葛孔明の進言により蜀に兵を進め、中国は魏・蜀・呉の三分するところとなった。天下盗りを狙う曹操は、馬騰を殺し、献帝を廃して皇帝となり、天下に号令せんとした。これに対し、関羽・張飛・趙雲・馬超らの勇将、孔明・徐庶・〓@70AA統の謀将を従えた劉備は、曹操討滅・漢の復興を目指して遂に兵を挙げた。魏の諸城は次々と陥落し、憂悶のうちに曹操は死ぬ。全ての「正史」はインチキだと主張する著者が、雄大なスケールと厳密な時代考証・見事な人間描写で綴る一大歴史ドラマ。
雪に覆われた山中の砦に、アンジェリクは三人の子どもたちと取り残された。ある夜、そこへ何者かが瀕死の男を運びこんだ。男の胸にはルビー入りの十字架が…。謎の神父オージュヴァルとの運命の出会いと息づまる二人の対決。長い苛酷な冬が終わり、アンジェリクの愛と勇気がすべてに打ち克つまでを描く感動の最終巻。
ぼくが21歳だった5年前の夏、ビデオ映像研究会のスター、白石真利恵は、ベランダから落ちて死んだ。不慮の事故のはずであった。そして5年。真利恵の恋人、伊貫はメンバー全員を集め、ゲームを提唱した。ゲームを通じて彼女を殺した人間を探りあてようというのだ。ラスト1ページ、ラスト1行の底深い戦慄。
ロングアイランド・シティにある私の事務所からは、マンハッタンのきらびやかな夜景が一望できる。だが反対に、持込まれる仕事は血なまぐさい死体つきだ。敵は私を中年女だと軽く見ているが、そのへんのタフ・ガイに腕力で負けていては、私立探偵はつとまらない。そして今日も、高級将校の死体がひとつー。
鯛釣り名人波太郎はアメリカから戻ると下田から西伊豆、浜名湖へと修行の旅を続ける。沖泊り源平とのカツオ釣り勝負は写真家と地元漁師が加わって大波乱。負けた方が陸に上がる条件で再び対決を迎えるが事態は一変、美女暁子と波太郎は北海道へ飛ぶ。魚に対する敬意と海の愛し方を説く、真の男の冒険行。
初期作品「鴉の死」、長篇『火山島』をはじめとして常に“幻のふるさと”韓国・済州島の地を描くことにより己れの“存在の危機”を表現し続ける在日の作家金石範。深い谷間の奥の観音寺に住みついた一人の飯炊き小坊主の世の常識を超えた伝心の“聖性”を描く『万徳幽霊奇譚』と架空スパイ事件の“主謀者”とされた若者の悲劇『詐欺師』。痛烈な諷刺と独特のユーモアの“稀有なる人間像”の創出。
札幌駅に到着した「北斗星1号」から若き会社社長の惨殺体が発見された。被害者の丸山は死の直前に「犯人は、」とのみ血文字でメッセージを残していた。しかし唯一の容疑者はシロと断定され、警察も、告げるべき犯人名は存在しない、つまり0文字=自殺と考え始めた。ところが、あの短い血文字に意外な犯人名が。
東京-上野間3.6キロが完璧なアリバイを作った。2月12日、上野に9時49分に到着した札幌発「エルム82号」に大量の血液が発見され、9時33分に東京に着いた博多発「あさかぜ4号」に血液の持ち主が死体となっていた。着差13分、距離にして3.6キロ。犯人はどうやって日本の両端から発車する二つの列車に乗れたのか。
「鬼だ!鬼の仕業としか考えられん」-府中の古刹、真光山三界寺で発見されたバラバラ死体。その右手には、酒呑童子伝説にまつわる埋蔵金のありかを示す「鬼駒」と「鬼殺し」という棋譜が握られていた。被害者は坂田公時の子孫を自称し、さらに大江山で第2の殺人が起こり、怨念絵図が浮かびあがる。
現職警察官を体験した著者が完全に描き切った、一癖も二癖もある制服警官の世界。15年間に食らった停職が7回、飲んだくれで、キャリア・ウーマンの妻にも見放されたオリン・ボイドが送り込まれたのは、警察の収容所列島と呼ばれる第13分署。だがそこにはむき出しの人間たちのドラマがあったー。
10代将軍・家治の日光東照宮参詣費用20万両を、いかに捻出するか。この難事を克服した田沼意次は、次第に逼迫する幕府財政を立て直すため、新しい“事業”に着手する。だが意次の前には、反対勢力の厚い壁が…。賄賂の卸問屋といわれた田沼意次像を打ち破り、財政再建に懸けた老中の“志”を描く経済小説。