出版社 : 講談社
各紙誌絶賛、即重版! 「本の雑誌」2021時代小説ベスト10選出! 「とにかく楽しめた。まさに手に汗握る、幕府を舞台とする大活劇である」本郷和人(東京大学史料編纂室教授) 「読むと驚く。本当に「真」だ。あっと驚く新解釈まで、一気読みである」北上次郎(評論家) 「破格の面白さ。よく知られた題材が真保によってまったく違った物語として生まれ変わった」杉江松恋(書評家) 「凄まじい謀略戦を活写。最後までスリリングな展開が楽しめる」末国善巳(書評家) 「本書は「作家活動30年」を記念するとともに、その新たなスタートを切る力作といえよう」縄田一男(書評家) 徳川の治世。戦世は遠くなり、政は将軍の意をくむ老中たちの掌中。度重なる改易によって主家を失い、幕府に恨みを抱く牢人があふれる江戸市中に一人の兵法者が現れる。名は由比正雪。その恐るべき企みとは。 夥しい血を流して平らげられた世を、命がけで守り抜こうとした男たち、女たち。 由比正雪の乱として知られる「慶安の変」の裏で、何があったのか。綿密な取材と大胆な仮説を元に歴史の脈動をあますところなく描ききった大河歴史小説。作家生活30年記念書き下ろし。 「慶安太平記」 慶安の変(由比正雪の乱)の実録本。のちに講談、歌舞伎の演目に脚色された。圧倒的な存在感を放つ乱の首魁・由比正雪が幕府へのクーデターを企て、天才的な人心掌握術を用いて人集めと金集めを着々と進め、計画を実行に移していく様を描く。異能の登場人物たちの躍動、壮絶なラストシーンが名高い。 〈目次〉 序章 第一章 将軍と弟/大御所の病/保科家相続/暗闘の果て 幕間 第二章 我が世の春/天地の違い/徳川の末 幕間の二 第三章 将軍の死/疑わしき男/変の真実 終章 後記 序章 第一章 将軍と弟/大御所の病/保科家相続/暗闘の果て 幕間 第二章 我が世の春/天地の違い/徳川の末 幕間の二 第三章 将軍の死/疑わしき男/変の真実 終章 後記
小説家とアーティストが出会い、新たな「物語」が生まれるーー 小説家の「歌詞」から生まれた5つの小説と楽曲。 収録作品 <小説> 「みちくさ」彩瀬まる 「南極に咲く花へ」宮内悠介 「透明稼業」最果タヒ 「星野先生の宿題」重松清 「Lunar rainbow」皆川博子 <楽曲> 「光る野原」彩瀬まる×伊藤沙莉×横山裕章 「南極に咲く花へ」宮内悠介×坂本真綾×江口亮 「透明稼業」最果タヒ×崎山蒼志×長谷川白紙 「ステラ2021」重松清×柄本祐×トオミヨウ 「哀歌」皆川博子×吉澤嘉代子×世武裕子 作曲・Project Produce 水野良樹
「やっぱり、小説を書きたいよ。自分の本が書店に並んでいるところを見たい。私、器用じゃないから、全部をやるのは無理。…子供を産んで、作家になれなくて、『子供がいなかったら作家になれたのにな』なんて言うような大人にはなりたくないの」-本文より。小説家と会社員。二人の幸せを探す物語。
日本と世界の狭間で生まれた中篇2本。 「鴨川ランナー」……外国から京都に仕事に来た青年の日常や、周囲の扱い方に対する違和感、その中で生きる不安や葛藤などを、「きみ」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。京都文学賞受賞作。 「異言」……福井の英会話教室を突如やめる羽目になった主人公は、ある日同僚の紹介で結婚式の牧師役のバイトを紹介されるが……。
一族のクリスマスパーティーの準備のため、和典は母方の伯父の別荘がある、神戸の須磨にやってきた。駅で出会った女性が隣家の住人であり、和典が愛読していたブログの作者の妻だと知る。そのブログの更新が昨年の秋から更新が途絶えていたことを疑問に思っていたのだが、彼女の夫はその日、十三夜の月が出ていた晩に失踪したという。彼女と同居している往年の人気漫画家の伯母が事件の鍵を握っているのではないかと考え、接触を試みるが……。
あさひの母親は、心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれる人だった。 不安な時には「あさひは失敗しないから」というおまじないをかけてくれた。 そのおまじないはいつしか呪縛になってーー 大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなくなり、追い詰められたあさひがとる衝撃の行動とは? 第61回メフィスト賞受賞作家、待望の第二作目!
医師が殺された。被害者は三年前に起きた強姦事件の加害者の一人。殺された医師が拷問とも思える傷を受けていたことが分かり、捜査一課の陽山承と真壁剛は、解剖医である楠衣春の協力を得ながら事件の真相を追う…。
三人の従姉妹たちと暮らす「私」は、スカートをはいて通った小学校を卒業し、ぶかぶかの詰襟を着て中学校に通い始めた。みずからを「森の子ども」と呼ぶクラスメイトの少女と、ささやかな交流が始まるがー(「四月の岸辺」)。テロ事件を起こした教団を離れ、東京からひとり山梨の集落に移住した男は、子ども時代を「森の共同体」で過ごしたという青年と出会う。彼の眼はあまりに澄んでいたー(「導くひと」)。群像新人文学賞から現れた、揺らぐ時代の表現者。
「申し訳ないが・・・」 窪塚夏樹、24歳。元プロ野球ピッチャー、元年俸500万円。 突然球団から戦力外通告を受けた夏樹は、決死の思いで合同トライアウトに挑むが、待てど暮らせど連絡は来ない。 専業主婦の妻、3歳の息子。おまけに母親が若年性アルツハイマーにかかり、実家も頼れない。 ヤバい、人生積んだ、そう思いかけたとき、夏樹に唯一救いの手を差し伸べてくれたのは、居酒屋を経営母体にした 社会人チームだった。昼まで練習、夕方からは居酒屋勤務、慣れない仕事に四苦八苦しながらも、あたたかく迎えてくれた チームメイトと監督とともに都市対抗野球出場を目指しながらプロ復帰を狙う夏樹。 もしかして、ひょっとして。腐りかけた心に希望が芽生え始めた夏樹。ところが、そんな彼らに「コロナ禍」という未曽有の災いが忍び寄る。 悔しくても、悲しくても、負けたく、ない。 コロナ禍で苦境に立たされた元プロピッチャーの迷いと再生を描く、居酒屋社会人野球小説。 やりたいことができないもどかしい思いを抱くすべての人に届けたい、応援歌!
妻の依頼は、浮気調査だった。夫は、数多くのヒットソングを生み出した作詞家。華やかな業界だが、彼自身は人づき合いをしない。そのため彼に関する情報は少なかった。豪邸に妻と息子と暮らし、敷地内には実姉の家もあった。苦労の多かった子供時代、生活を支えた姉を大切にしていて、周辺では「姉が恋人」と噂されていた。探偵による監視が始まった。浮気の兆候はない。だが妻は、調査の続行を希望。そして監視下に置かれた屋敷で、死体が発見される。
国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。 後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。 人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣らと、視機能を守るために働きはじめる。 精緻な機能を持つ「目」を巡る、心温まる連作短編集。 『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。 同作でブランチBOOK大賞2019受賞、2020年本屋大賞第3位に選出された作者のデビュー後第1作。 第1話 盲目の海に浮かぶ孤島 第2話 瞳の中の月 第3話 夜の虹 第4話 面影の輝度 第5話 光への瞬目
第67回江戸川乱歩賞受賞作! 「事件が面白い」「登場人物が魅力的」「警察の描写がリアル」と選考委員が称賛! 博士号を持ちながら30歳で北海道警察の警察官となった沢村依理子。 ある日、5年前に未解決となっていた誘拐事件の被害者、島崎陽菜の遺体が発見される。 犯人と思われた男はすでに死亡……まさか共犯者が……? 捜査本部が設置されるも、再び未解決のまま解散。 しばらくのち、5年前の誘拐事件の捜査資料が漏洩する。なんと沢村は漏洩犯としての疑いをかけられることに。 果たして沢村の運命は、そして一連の事件の真相とは。 組織に翻弄されながらも正義を追い求める沢村。 警察官として、ひとりの女性として葛藤し成長していくーー。
泥棒一族、警察家族、探偵一家、全ファミリー集合! 今回、Lの一族がいただくのは、あなたの心です。 Lの一族の娘・三雲華の夫・和馬はホテルのバーで張り込み中、突如意識を失った。 目を覚ますとスイートルームにいて、浴室には女の死体。 そのころ華の元に、「娘を返してほしければ10億円を用意しろ」との脅迫電話がはいる。 二つの事件は交錯しながら、やがてLの一族の秘密が明らかにーー。 これで本当におしまい? 映画とは異なるもう一つの「ルパンの娘」シリーズ最高傑作! 家族を決めるのは、血ではなく愛。
「この香港のどこかを、もう一人の自分が歩き回っているような気がして仕方ないんだ」ボート選手枠で入社して10年、タイムが低迷する偉良はコーチから思わぬ宣告を受ける(『香港林檎』)。「私たち、上海に住んでるのよ。欲しいものは欲しいって、今、世界で一番言える街に」ケガで体操選手を諦め、臨時体育教師になった阿青。結婚目前の恋人には初めてのチャンスが訪れていた。(『上海蜜柑』)。「がんばるって、約束したじゃないか」ソウルのスケート場で働くクァンドンは、三回転ジャンプに挑む赤い練習着の少女に心惹かれるが…(『ストロベリーソウル』)。「誰も悪くない。なのに、誰も幸せじゃないのはなぜだ?」東京五輪が始まった。開会式を前に失踪した部下を探す白瀬は、国立競技場の前に立つ。2021年東京オリンピックと同時進行で新聞連載された話題作。(『東京花火』)。
幼い頃に両親を亡くし、魔王に拾われた少年ブラッド。 彼は母親代わりの魔王から溺愛されて育った。 しかし魔王は忙しい。 そのためブラッドは、剣、魔法、治癒、支援ーーそれぞれの魔王軍最強格の四天王に育てられた。 四天王たちの厳しい教育において、「無能」と蔑まれていたブラッドは、 魔王城を飛び出し、四天王たちと絶縁して冒険者になることにした。 しかし彼は気付いていなかった。 最弱だと思っていた自分が、常識基準では、十分最強で万能だったということに。 「こいつ等はただのゴブリンじゃないのか?」 「これは正真正銘、ゴブリンキングですわ!」 そして彼は周囲から実力を認められていき、瞬く間に成り上がっていくーー。
アナベルは聖女である。 人々を癒やすための「神聖力」が減少してしまった「役立たず」だったが。 力を失ったアナベルは、教会のため、そして自らの借金のため金持ちの成り上がり貴族と結婚させられることに。 せめて思い出を作りたいと思ったアナベルは花祭りで偶然出会った聖騎士に告白する。 その思い出を胸にしたくもない結婚を受け入れたはずがーー突然教会にやってきた聖騎士ーーリュカは言う。 「アナベル嬢。どうか私と結婚してください」 「………………は?」 いきなりプロポーズされ戸惑うが、 さらに驚きの事実が判明する。 「なんで聖騎士が呪われてるんですか!?」 「これには事情がありまして……。不本意ですが呪われてしまいました」 神聖力を失った聖女は、愛の力で聖騎士の呪いを解けるのか!?
二十年前に世界を救った大聖女・ソフィア。長い眠りから目覚めた彼女は、かつての仲間たちと再会し、新しい出会いを重ねていく。ある日、ソフィアは聖騎士のルミナリエとともに、教会を出て二人暮らしをはじめることに。条件に合致する物件は、元は高名な聖騎士が住んでいたというさるお屋敷。しかし、そこには強力な悪霊が住み着き、並の聖女の浄化は受け付けないらしい。悪霊浄化と新生活のため、ソフィアとルミナリエはさっそくお屋敷へ。そこで彼女たちが出会ったのは、哀しき過去を背負ったアンデッドでー?コミカライズも絶好調!聖女さまの冒険ファンタジー、第二弾!
5年間在籍したAランクパーティを離脱し、かつての教え子たちのパーティ『クローバー』に加入した赤魔道士のユーク。 ある日、そんな彼らのもとに国選依頼(ミッション)が届く。 その内容は新発見されたダンジョンへの調査&攻略配信。きな臭さを感じつつ依頼を引き受けたユークらは、ダンジョン近郊の交易都市ドゥナへと赴く。 さっそく迷宮攻略(ダンジョンアタック)に挑むクローバー。順調に迷宮(ダンジョン)を踏破していく一行だが、深層部にある都市型の迷宮と一帯を覆う黄昏色の陽光を目にしたとき、突如ユークの身体に異変が生じる。 このダンジョンは、嫌な予感がするーー。 コミカライズも絶好調の冒険ファンタジー、第2弾!