小説むすび | 出版社 : 講談社

出版社 : 講談社

わたしが消えるわたしが消える

出版社

講談社

発売日

2020年9月30日 発売

第66回江戸川乱歩賞受賞作! 綾辻行人氏(選考委員)、推薦。 「序盤の地味な謎が、物語の進行とともに厚み・深みを増しながら読み手を引き込んでいく」  元刑事の藤巻は、交通事故に遭い、自分に軽度認知障碍の症状が出ていたことを知り、愕然とする。離婚した妻はすでに亡くなっており、大学生の娘にも迷惑はかけられない。    途方に暮れていると、当の娘が藤巻を訪ね、相談を持ちかけてくる。介護実習で通っている施設に、身元不明の老人がいる、というのだ。その老人は、施設の門の前で放置されていたことから、「門前さん」と呼ばれており、認知症の疑いがあり意思の疎通ができなくなっていた。     これは、自分に課せられた最後の使命なのではないか。そう考えた藤巻は娘の依頼を引き受け、老人の正体を突き止めるためにたった一人で調査に乗り出す。  刻一刻と現れる認知障碍の症状と闘いながら調査を続ける藤巻は、「門前さん」の過去に隠された恐るべき真実に近づいていくーー。 残された時間で、自分に何ができるのか。 「松本清張賞」と「江戸川乱歩賞」を受賞した著者が描く、人間の哀切極まる社会派ミステリー! 序章 宣告 第一章 身元不明者 第二章 行動監視者 第三章 犯罪当事者 終章 残された時間

無駄花無駄花

著者

中真大

出版社

講談社

発売日

2020年9月16日 発売

なんの捻りもないコメントだけれど、捻る間も惜しんで勧めたい。 とにかく読んでください。自分が書いたことにしたいくらい大好きな作品。 ーー尾崎世界観 (クリープハイプ) 29歳、戦慄のデビュー。第14回小説現代長編新人賞 奨励賞受賞作。 関西弁で押し進めるテンポが軽やかで、少年期を関西圏で過ごした私には妙に納得が行くリズムと“間”があって、この作者の声が聞こえて来る気がした。少年期の多感な情熱と、不安、悩みもよくうかがえた。これは文章における才能である。 ーー伊集院静 一番に推した。(略)全体として密度が高く、エモーションや怒りのようなものが持続し、台詞も臨場感のあるものだった。また、永山則夫と比較される覚悟を感じ、その点に特に好感を抱いた。 ーー宮内悠介 【内容紹介】  ある日、死刑囚・中村は、出版社の社員から、これまでの半生について手記を書くよう手紙で促される。そこで中村は自身の半生と、因縁の男・島田との関係を綴り始めることになった。困窮した家庭に育った中村と、地元でも有数の実業家一族の島田の二人は、一度は中学で同じ不良グループに属していたが、島田の度重なる裏切りに業を煮やした中村が殴り合いの喧嘩の末、島田と縁を切ることに。  その後、上京して会社員となり、結婚して幸福な生活を送っていた中村は、父の重篤の報を受け、看病のため久しぶりに帰郷する。そこに一族の経営会社を引き継いだ島田が現れ、二人は十数年越しに再会を果たす。直後に襲った株価暴落もあり、過去の蟠りを払拭して彼の会社に入社することを決意した中村だったが、そこにはなんと犯罪や不貞が横行する世界が待ち受けていたのだった。島田に妻を寝取られ、またしても裏切りにあった中村は、遂に怒りを爆発させ、凶行へとひた走るーー。

私は女になりたい私は女になりたい

著者

窪美澄

出版社

講談社

発売日

2020年9月16日 発売

これは私の最後の恋、なのだろうか。 妻でもなく、母でもなく、娘でもなく、ひとりの女になりたい。 恋愛小説の名手があなたを揺さぶる。 赤澤奈美は47歳、美容皮膚科医。カメラマンだった夫とは別れ、シングルマザーとしてひとり息子を育て、老いた母の面倒を見ながら仕事一筋に生きてきた。ふとしたことから、元患者で14歳年下の業平公平と、事故に逢うように恋に落ちてしまう。心を閉ざすように生きてきた奈美の、モノクロームだった世界が、色と音を持ち始めた。 もう一度、軽やかな私へ 美しい人生讃歌小説 ”本読みのプロ”たちから、続々と応援コメントが到着! タイトルのストレートさにざわついた。主人公の年齢も窪さんと重なっており、否が応にも自身の恋愛観や体験、女としての感情が色濃く反映されている。ぜひ、体性感覚で堪能していただければと思うーー唯川 恵(作家) 生傷から血が滴るような序章にぐっと気持ちを掴まれた。恋とは時に凶器にもなり得ることを改めて突き付けられたーー山本文緒(作家) 渡辺淳一の『失楽園』と好対照を成す作品。人生の秋を迎えた女性を主人公にして、女性の性を通した命の在り処に切り込んだのだーー内藤麻里子(書評家) 一人の女として、いくつになっても誰かを恋する自由を、そのことがごく当たり前のこととして認められる自由を、心を縛られない自由を欲しいのだーー吉田伸子(書評家) 一人の女性の鮮烈な生き様を描いた作品。ままならぬ空気の中で運命に翻弄されながらも強かに生きる女性の姿は著者の生き方そのものだーー内田剛(書評家) 大人になってこそ恋が必要なのかもしれない。年齢でもなく、世間でもなく、自分への諦めでもなく。だれかに恋をすることが、世界をちがったものにしてくれるーー三宅香帆(書評家) 担当者より  大きな翼を持つ人生讃歌小説 かつて小説雑誌がたくさん読まれていたとき、「中間小説」と呼ばれるジャンルがありました。もともとは、純文学と大衆小説の中間の作品、と言った意味合いで、人生そのものを活写した大人の読み物がそれに当たると言われています。 窪美澄さんは、中間小説の当代一の書き手だなあとこの作品を読んで改めて感じました。人生には素晴らしいこともたくさん起こりますが、理不尽なこともたくさん転がっています。現実の憂さを、痛快なエンターテイメント小説で晴らすことも素敵ですが、窪作品のように理不尽を直視しつつ読者に寄り添ってくれる小説が、もっともっと読まれて欲しいと思います。 本作品の中心テーマは「アラフィフ女性の恋」ですが、それにとどまらない大きな翼を持っています。ぜひご一読ください。

海蝶海蝶

出版社

講談社

発売日

2020年9月3日 発売

日本初の女性海保潜水士、挑戦と勇気の物語。 “初”だからこその悩みと光。絆の大切さを感じられる、感動の物語です!-岩崎恭子さん(オリンピック200m平泳ぎ金メダリスト) 母なる海の守護神たらんとする海上保安官の心を描いた傑作だ。-佐藤雄二氏(元海上保安庁長官) 女性の自立と家族愛は超ハートフル、手に汗握るサスペンスはVRシネマ級! (あらすじ) 女性初の潜水士として注目を集める、横浜海上保安部所属・忍海愛。兄は特殊救難隊、父もベテラン海保潜水士で血筋は折り紙付き。しかし、愛は現場には気を使わせるお荷物だ。覚悟して海に対峙する愛を待ち受けていたのは、とんでもない事件だった。 推薦・感動の声続々!! 期待を浴びて華麗にデビューした海の蝶。 音も色もない水の中で感情は研ぎ澄まされ、 喪失のトラウマは怪物となって命を脅かす。 それでも潜らなければならない理由がある。 覆すのは常識だけではない。救うのは人の命だけではない。 プロフェッショナルとしての決意と覚悟が伝わる。 前代未聞の感動がここにある! 内田剛氏 (ブックジャーナリスト・本屋大賞実行委員会理事) 「足かけ二年に渡る海上保安庁取材で見聞きした海上保安官の精神『正義仁愛』こそが、この本のテーマであり、矜持です」-吉川英梨(著者)

隣人X隣人X

出版社

講談社

発売日

2020年8月26日 発売

第14回小説現代長編新人賞受賞作。 現代の社会が抱える問題と巧くリンクさせ、登場人物の置かれた環境や心情を通じて難民や移住外国人の受け入れ、違法労働について投げかけてくるところに作者の並みならぬ手腕を感じた。  ーー朝井まかて 小説の主軸は三人の女性それぞれの日常にある生きづらさの描写にあり、それが作者と地続きのテーマであるだけに、とてもよく描けている。   ーー中島京子 3人の女優が名演技を魅せる舞台劇のような佳作だ。突きつけられた問題は深い。 ーー出口治明 (APU学長) 異国の地で生まれたこの小説は、タフで真面目で意表をつく。      ーー筒井ともみ (脚本家) それぞれの女性が何やら糸で繋がっている気配もよく描けていた。才気が随所に感じられた。  ーー伊集院静 人々の出来事や心の動きが丁寧につづられ、読んでいて好感を抱くものだった。  ーー宮内悠介 惑星難民に拘らず、今を生きる私たちの世相を風刺している。 ーー紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子 20xx年、惑星難民xの受け入れが世界的に認められつつあるなか、日本においても「惑星難民受け入れ法案」が可決された。惑星xの内紛により宇宙を漂っていた「惑星生物x」は、対象物の見た目から考え方、言語まで、スキャンするように取り込むことが可能な無色透明の単細胞生物。アメリカでは、スキャン後に人型となった惑星生物xのことを「惑星難民x」という名称に統一し、受け入れることを宣言する。日本政府も同様に、日本人型となった「惑星難民x」を受け入れ、マイナンバーを授与し、日本国籍を持つ日本人として社会に溶け込ませることを発表した。郊外に住む、新卒派遣として大手企業に勤務する土留紗央、就職氷河期世代でコンビニと宝くじ売り場のかけもちバイトで暮らす柏木良子、来日二年目で大学進学を目指すベトナム人留学生グエン・チー・リエン。境遇の異なる3人は、難民受け入れが発表される社会で、ゆるやかに交差していく。

償いの流儀償いの流儀

出版社

講談社

発売日

2020年8月26日 発売

正義の鉄槌? なんて柄じゃないけど オレオレ詐欺に遭った「角のおばちゃん」の仇を取ろうと 証拠をつかんだ詐欺集団を匿名で警察に通報したつもりが、 逆に逮捕を逃れた残党に居場所を知られ、復讐の標的に。 背後の組織をつかみ切れない奈美が選んだ窮余の策とは? 企業のトラブル請負という仕事をめぐって最愛の恋人・雪江と師を続けて亡くした西澤奈美は心の整理がつかず空虚な日々を送っていた。そんな彼女が親しみを寄せるタバコ屋の上井久子がオレオレ詐欺に遭う。 久子を慰める術を持たない奈美だったが、自分が入居する雑居ビルのオーナーから隣のビルに入った怪しげな会社が詐欺集団ではないかという見立てを聞き、密かに証拠をつかみ匿名で警察に通報する。しかしその後、逮捕を逃れた残党の影がちらつき、たびたび襲撃を受けるように。 奈美は、彼女が育った児童養護施設の後輩で雪江を慕っていたという松井の協力を得て久子を騙した犯人を突き止め、ついには自ら拉致されて敵地に辿り着くという無謀な賭けに出る……。 満身創痍の西澤奈美、絶体絶命!

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