出版社 : 講談社
職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるがーー!? 因縁物件専門の払い師・仙龍 VS. 永遠に祓えない『死の花嫁』 恋敵は怨霊!? 恐怖と恋の怪異譚。 職人の死に顔は、笑っていたそうだ。広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、かつての豪商・藤沢本家。屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け不審死を遂げていた。春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』にとんでもない奇策を仕掛けるがーー!? プロローグ 其の一 藤沢本家博物館改修工事 其の二 仙龍の恋人 其の三 忍び門ノ怪 其の四 憑き物筋と狐憑き 其の五 ふたり小町 其の六 浄霊に能わず 其の七 見立て祝言 エピローグ
「掟上今日子は預かった。返して欲しければ、十億円用意しろ」置手紙探偵事務所唯一の従業員・親切守が受けた、突然の脅迫電話。天涯孤独の忘却探偵を救い出せるのは自分だけ。今日子さんのような推理力はもたないけれど、彼には今日子さんとの「記憶」がある。手探りで捜査を開始する守。一方、今日子さんは犯人のもとで目を覚ましてー?置手紙探偵事務所VS.漆黒の誘拐犯!頭脳戦の結末は!?
検索エンジン・サービスを軸に世界有数の巨大企業となった『オッド・アイ』。猛スピードで生成される莫大なデータ量に、ついにデータセンターに限界が迫る。社内で閑職に追いやられていた木挽橋隆一は、打開策を見出すべく特命を受けるが、事態は思いもよらない方向へ。二転三転する物語。興奮のインテリジェンス小説!
三十余年ぶりに生育の町を訪れた“私”が、その地で見たものは、一瞬の夢幻だったのかーー。昏い過去との再会と訣別を、格調高い筆致で描く鮮烈なる表題作ほか、北町貫多の同居女性に対する改悛の情とその後を語る「畜生の反省」など、無頼の私小説作家の名調子が冴える、六篇の短編集。(『痴者の食卓』を改題)私小説作家の新境地。苛烈なる“生”の小説集。 三十余年ぶりに生育の町を訪れた“私”が、その地で見たものは、一瞬の夢幻だったのかーー。昏い過去との再会と訣別を、格調高い筆致で描く鮮烈なる表題作ほか、北町貫多の同居女性に対する改悛の情とその後を語る「畜生の反省」など、無頼の私小説作家の名調子が冴える、六篇の短編集。(『痴者の食卓を改題』) 私小説作家の新境地。苛烈なる“生”の小説集。 人工降雨 下水に流した感傷 夢魔去りぬ 痴者の食卓 畜生の反省 微笑崩壊
CAは機上の狭い個室でお客様と、人妻ウエイトレスは夜のファミレスで、女子アナはロケ先の温泉で、ナースは患者さんに真夜中コールされ…さまざまな女性たちが性体験を綴るコミュニティサイト「女唇の伝言」。触発された彼女たちが奔放に披露する秘め事は…。注目の女性官能小説家、講談社文庫初登場!
江戸時代、兄もしくは甥の世話になっている者を「厄介」と呼び、幕府の役人はそのまま公用語とした。兄の都築孝蔵は六百五十石取りの旗本だが、親重代の借金があったため、弟の弥三郎を他家の養子にできる大金をつくる器量はない。厄介という身分に辟易し、家を出た弥三郎が拓く波瀾万丈の凄絶な人生!
天平二十一(七四九)年の春、奈良の都からはるか遠い陸奥の地で黄金が発見された。これにより、陸奥に暮らす蝦夷の丸子嶋足と物部一族の天鈴は、都を揺るがす橘奈良麻呂の乱に自ら身を投じ、知略をめぐらして、朝廷の野心を未然に防ごうとするが。シリーズ開幕篇!
通訳捜査官の七崎隆一は、正義感から同職の義父の不正を告発、自殺に追い込んだことで、職場でも家庭でも居場所がない。歌舞伎町での殺人事件の捜査直後、息子の部屋で血まみれの衣服を発見した七崎は、息子が犯人である可能性に戦慄し、孤独な捜査を始めるが……。“正義”のあり方を問う警察ミステリー! 一度目は正義のためだった。 二度目は愛する息子のためーー。 僕は正真正銘の“裏切り者になった! 通訳捜査官の七崎隆一は、正義感から同職の義父の不正を告発、自殺に追い込んだことで、職場でも家庭でも居場所がない。歌舞伎町での殺人事件の捜査直後、息子の部屋で血まみれの衣服を発見した七崎は、息子が犯人である可能性に戦慄し、孤独な捜査を始めるが……。 累計10万部突破 『闇に香る嘘』がブレイク中の著者がおくる、 “正義のあり方”を問う警察ミステリー!
名だたる作家・評論家が吟味熟考し、厳選されたベスト本格ミステリ9編には9つの魅力的な謎と意外な結末があり、現代本格の無限の可能性が濃密に閉じ込められている。ドラマ・映画等ミステリ映像作品をガイドする傑作評論一編も収録。短時間で別世界に誘う圧倒的な読書体験を約束する短編アンソロジー。
1985年、渋谷。刑事の生沢宗太郎は代官山で起きた殺人事件の報を受ける。死体の額には“十字の傷”が付けられているのだという。20年前の連続殺人がなぜいま?生沢は犯人を追うがー。彼はなぜ殺すのか?半世紀という時の流れに潜む殺人者。「人が人を殺す」という問いに向き合い描く記念碑的巨編。
小舟町の芳古堂に奉公する栄二とさぶ。才気煥発な栄二と少し鈍いがまっすぐに生きるさぶ。ある日、栄二は身に覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。自棄になった栄二は身を持ち崩し人足寄場へ送られるがー。生きることは苦しみか、希望か。市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。
「春月の雛を知っているか」根岸肥前守に呼ばれた内与力の隼新八郎はそう問われる。いま流行りの人形師・春月のつくった男雛を抱えて、二人の若い女が死んだという。肥前守は、「人形に魅入られたのではないか」というが、新八郎は腑に落ちない。肥前守の命により大久保源太と共に探索にでるが……。人気人形師・春月とは、そして人形屋の京橋屋との関係は。恋に迷う男女を描く表題作ほか、七篇を収録。傑作時代ミステリ、第六弾。 江ノ島弁財天まいり 狐火 冬の蛙 鶏声ヶ窪の仇討 春月の雛 淀橋の水車 中川舟番所 落合清四郎の縁談
映画「ちはやふる 上の句」の小説版! 綾瀬千早は高校入学と同時に、競技かるた部を作ろうと奔走する。幼なじみの真島太一と仲間を集め、夏の全国大会に出場するためだ。強くなって、新と再会したいーー。幼いころ、かるたを取り合った綿谷新に寄せる千早の秘めた想い。それに太一は気づきながらも、千早を守り立てるが。 綾瀬千早は高校入学と同時に、競技かるた部を作ろうと奔走する。 幼なじみの真島太一と仲間を集め、夏の全国大会に出場するためだ。 強くなって、新と再会したいーー。 幼いころ、かるたを取り合った綿谷新に寄せる千早の秘めた想い。 それに太一は気づきながらも、千早を守り立てる。 それぞれの青春を懸けた、一途な情熱の物語が幕を開ける! ★映画「ちはやふる -結びー」★ 2018年3月17日全国公開! 広瀬すず 野村周平 新田真剣佑 ほか
友人のイチローに誘われて、コンクリート三階建て・木造二階建てと並ぶ鉄骨ガレージ上の赤い小屋を間借りすることになったわたし。ヘンテコな家で個性派揃いの彼の一家と生活し始めたある日、イチローから「たまに同じ一日が二度繰り返される」と打ち明けられる──芥川賞作家が描く未体験パノラマワールド! 28歳のわたし・田中真紀子は友人のイチローに誘われて、彼の家に間借りすることになった。けれどもその建物は、コンクリート三階建て・黄色い木造二階建て・鉄骨ガレージの3棟が無理矢理くっつけられた変な家。そしてわたしは、ガレージの上の赤い小屋に住むことに。全裸で現れる父親を筆頭に、個性派揃いのイチローの家族たち。ヘンテコな家でおかしな生活が始まった。そんなある日、イチローから「たまに同じ一日が二度繰り返される」という不思議な経験を打ち明けられる──芥川賞作家が描く未体験パノラマワールド!
九十一歳の誕生日を前に、寂庵のベテランスタッフたちが一斉に辞めることになった。好きな仕事に専念してほしいとの心遣いから。出家以来四十年ぶりの革命で、最年少の秘書モナと二人の新しい生活に入る。「毎日が死に支度」と思い定めて、この小説の連載も開始した。人生の終焉に迷う全ての人に勧めたい感動の書。
「ムラセアズサを預かっている。これはイタズラではなく、正真正銘の営利誘拐だ」村瀬梓が勤めるコールセンターに掛かってきた犯行電話。身代金の要求額は1億円、輸送役は100人の警官。なぜ、家族ではなく会社。なぜ、1億円。なぜ、100人も必要なのか。警察と“関係者”たちは、ピュワイトを名乗る犯人に翻弄されていく。「罪」に期限はあるのかーー乱歩賞作家が圧倒的な読み味で描く、受賞後第一作、大藪賞候補の文庫化。 「ムラセアズサを預かっている。これはイタズラではなく、正真正銘の営利誘拐だ」 無断欠勤を続けていた村瀬梓が勤めるコールセンターに掛かってきた犯行電話。身代金の要求額は1億円、輸送役は100人の警官。なぜ、家族ではなく、会社に掛けてきたのか。なぜ、1億円なのか。なぜ、100人も必要なのか。警察と“関係者”たちは、ピュワイトを名乗る犯人に翻弄されていくーー。 「罪」に期限はあるのかーー乱歩賞作家が圧倒的な読み味で描く、史上最速の受賞後第一作、大藪春彦賞候補の文庫化。 プロローグ 一部 二部 三部 四部 五部 エピローグ
「もうかるたをやめるーー」。新の頑なな態度に、千早は動揺を隠せない。そんな中、圧倒的な強さを誇る高校生かるたクイーン・若宮詩暢の存在を知り、千早は激しく闘志を燃やす。しかし個人戦対策に夢中になるあまり、太一から厳しい言葉を浴びせられることに。何のために、かるたをやるのか。それぞれの答えを求め、誰もが悩み、もがく。 「もうかるたをやめるーー」。 新の頑なな態度に、千早は動揺を隠せない。 そんな中、圧倒的な強さを誇る高校生かるたクイーン・若宮詩暢の存在を知り、 千早は激しく闘志を燃やす。 しかし個人戦対策に夢中になるあまり、太一から厳しい言葉を浴びせられることに。 何のために、かるたをやるのか。 それぞれの答えを求め、誰もが悩み、もがく。 ★映画「ちはやふる -結びー」★ 2018年3月17日全国公開! 広瀬すず 野村周平 新田真剣佑 ほか
稀代の無頼、西村賢太の原点を炙り出す、新たな代表作。憬れだった築地市場での仕事をたった一日で失うことになった若き日の北町貫多を描く「寿司乞食」。すべてに無気力で受動的だった貫多を、やや向日的な世界へ引き戻したのは梁木野佳穂という女性だったーー「夜更けの川に落葉は流れて」。後ろ髪を引かれる思いでいた“あの店”。貫多と店主の20数年にも及ぶ蟠りがある深夜に最高潮を迎える「青痰麺」。表題作含む三篇収録。 稀代の無頼、西村賢太の原点を炙り出す、新たな代表作。 15歳で家を出て自給自足の生活を始めた北町貫多。憬れだった築地市場での仕事を得るも、たった一日でそれを失うことになった顛末を描く「寿司乞食」。 齢23、24。すべてに無気力で受動的だった貫多を、やや向日的な世界へ引き戻したのは、梁木野佳穂という女性だったーー表題作「夜更けの川に落葉は流れて」。 長いこと後ろ髪を引かれる思いでいた“あの店”。貫多と店主の20数年にも及ぶ蟠りは、ある深夜不穏な最高潮を迎えるーー「青痰麺」。 これまで仔細には書かれなかった20代前半の北町貫多を、哀切でいて軽妙、諧謔味と暴力性を併せ持った筆致で鮮やかに描いた、著者の原点を炙り出す傑作作品集。 寿司乞食 夜更けの川に落葉は流れて 青痰麺