出版社 : 講談社
溝猫長屋で亡くなったお多恵が祀られた祠をお参りして以来、忠次ら四人は幽霊を「嗅いで」「聞いて」「見て」分かるように。銭の入った巾着袋を失くした銀太は、幽霊を見たせいにしようと空き家に忍び込むが、そこに本物の幽霊が…。またある日、留吉が路地を歩いていると、愛らしい女の子に手招きされた。その子の正体は?それらの出来事は、銀太に「芸がない」と言われた、お多恵と関わりが?銀太の心ない言葉が、お多恵の怒りを招く?
ローマ神話の名を持つ女達と“わたし”のおかしな物語。二十二の断章が織りなす魔術的な言葉の積み重なりが、深い陶酔感へと誘う散文の精華「変身のためのオピウム」。女子高生サヤは喫茶店ドジンで時を超えて旅をつづける英国人イザベラ・バードに出会う。見慣れた風景が反転し、少年少女が非日常へと飛翔する「球形時間」(ドゥマゴ賞)。強靭な知性と創造力で緻密に練り上げられた傑作二篇。
中国武侠小説の最大傑作。「中国四大奇書」の一つ。北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと集結。その後、招安されて、国家軍となり壊滅するまでの物語。窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳! いわずと知れた中国武侠小説の最大傑作。明代に成立した「中国四大奇書」の一つでもあります。 北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、そこら中で戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと終結します。その破天荒な侠客たちの痛快な立ち回りのスケールの大きさは、さすが中国小説ならではです。 窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界には、引き込まれずにはいられません。 この魅力満載の世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳しました。「水滸伝」の完訳書はいくつかありますが、この翻訳が最新・最高です。本書原本はもっとも原形に近く、均整の取れた百回本。 なお、この二巻では、「第二十三回」から「第四十二回」までを収録しております。 全5巻。 第二十三回 横海郡に柴進は賓を留め 景陽岡に武松は虎を打つ 第二十四回 王婆 賄を貪りて風情を説き 〓(うん)哥 不忿して茶肆を鬧がす 第二十五回 王婆 計もて西門慶を啜かし 淫婦 薬もて武大郎を鴆す 第二十六回 〓(うん)哥 大いに授 官庁を鬧がせ 武松 闘いて西門慶を殺す 第二十七回 母夜叉 孟州道にて人肉を売り 武都頭 十字坡にて張青に遇う 第二十八回 武松 威もて安平寨を鎮め 施恩 義もて快活林を奪う 第二十九回 施恩 重ねて孟州道に覇をとなえ 武松 酔って〓(しょう)門神を打つ 第三十回 施恩 三たび死囚の牢に入り 武松 大いに飛雲浦を鬧がす 第三十一回 張都監 血は鴛鴦楼に濺ぎ 武行者 夜に蜈蚣嶺に走る 第三十二回 武行者 酔って孔(亮(を打ち 錦毛虎 義もて宋江を釈す 第三十三回 宋江 夜に小鰲山を看 花栄 大いに清風寨を鬧がす 第三十四回 鎮三山 大いに青州道を鬧がせ 霹靂火 夜に瓦礫場を走る 第三十五回 石将軍 村の店に書を寄け 小李広 梁山に雁を射る 第三十六回 梁山泊にて 呉用は戴宗を挙げ 掲陽嶺にて 宋江は李俊に逢う 第三十七回 没遮〓(らん) 及時雨を追い〓(か)け 船火児 夜に潯陽江を鬧がす 第三十八回 及時雨 神行太保に会い 黒旋風 浪裏白跳と闘う 第三十九回 潯陽楼にて 宋江 反詩を吟じ 梁山泊に 戴宗 仮信を伝う 第四十回 梁山泊の好漢 法場を劫かし 白龍廟に 英雄は小しく義に聚まる 第四十一回 宋江 智もて無為軍を取り 張順 活きながらにして黄文炳を捉う 第四十二回 還道村に三巻の天書を受け 宋公明 九天玄女に遇う
O医大法医学教室の大学院生・伊月崇は、様々な事件に遭遇し、担当教官の伏野ミチル、幼馴染の刑事・筧兼継らとの交流を通して成長していく。章の合間に挿入される「飯食う人々」の美味しいピックアップも読みどころ。「死」を通して「生」を考える、しなやかな思考の法医学ミステリー。 一章 ひとりじゃないって 間奏 飯食う人々 その一 二章 過ぎし日々が戻るとき 間奏 飯食う人々 その二 三章 ないしょのはなし 間奏 飯食う人々 その三 四章 心の在処 締めの飯食う人々 あとがき
湘南新宿ラインで痴漢事件発生。逃亡直後に死亡した容疑者の遺留品から空薬莢を発見、警視庁鉄道捜査班(テッパン)の刑事たちが捜査を開始する。だが聞き込み中、何者かにより襲撃され、さらに駅を狙うテロ予告が警視庁へ。真の狙いも目的地も明かさぬテロリストにとって、首都圏の鉄道利用者すべてが人質。複雑に入り組んだ鉄道網を巧みに使い暗躍する犯罪者に、鉄道マニアのテッパン班長・吾妻警視が情熱と知識で立ち向かう。 鉄道利用者すべてが人質に!? 首都を震撼させた戦慄の一日。 湘南新宿ラインで痴漢事件発生。逃亡直後に死亡した容疑者の遺留品から空薬莢(からやっきょう)を発見、警視庁鉄道捜査班(通称:テッパン)の刑事たちが捜査を開始する。 だが聞き込みの最中、何者かにより襲撃され、さらには駅を狙うテロ予告が警視庁へ入る。 真の狙いも目的地も明かさぬテロリストにとって、首都圏の鉄道利用者すべてが人質。 複雑に入り組んだ鉄道網を巧みに使って暗躍する犯罪者に、鉄道マニアのテッパン班長・吾妻警視が情熱と知識で立ち向かう! 0001B 魔のカーブ 0002B 上野駅13・5番線 0003B 容疑者の遺留品 0004B ミリタリーマニア 0005B 消えた被害者女性 0006B 9ミリパラベラム弾 0007B 挑戦 0008B 汚名返上 0009B 奔走 0010B 拝島駅 0011B サブマシンガン乱射 0012B 想い
思い出すことで、見出され、つながっていくもの。注目の芥川賞作家、初めての長篇小説。風呂トイレつき、駅から徒歩5分で家賃3万円。古アパート「かたばみ荘」では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して……。人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。 思い出すことで、見出され、つながっていくもの。 注目の芥川賞作家、初めての長篇小説。 風呂トイレつき、駅から徒歩5分で家賃3万円。古アパート「かたばみ荘」では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して……。人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。
ど田舎育ちの世界最強都会も魔王のダンジョンも楽しむ!人外魔窟のド田舎で育った自称凡人な青年クロノは、都会の魔王城で学生生活を楽しんでいた。超難易度のダンジョンからお宝を見つけて欲しいという依頼が来ても楽勝でクリアし、クラスメイトとも友情を更に深めて、クロノの生活は益々充実していく。そんなある日、事故で隷属化してしまった吸血鬼の姫の父親が、魔王城に来ることになる。娘を愛しすぎている吸血鬼の王との大バトルになる可能性が浮上してー!?「あ、でも。クロノさんとお父様が戦っても恐らくクロノさんが勝つと思われますが…」「うん。まあ、クロノだもんね。魔王の私から見ても、大丈夫な気がしてるよ」「いや、俺は王様と戦う気とか無いんだけどな!?」仲間も増えてどんどん賑やかになっていく、自称平凡な英雄の、最強無敵なファンタジーライフ、第二弾!
学生?教師?ヤクザ?カメラマン?警察官?…日本社会に“浸透”した北の工作員が動き出したー。切り札は、北のエリート工作員の“血”の秘密ー。警察組織に裏切られた外事二課の元エース。追い詰められた公安警察・最後の狂犬。
全国38紙で連載された巨弾歴史小説、待望の文庫化!戦国の乱世に、偉大な先代の跡を継いで家長となった上杉景勝、毛利輝元、宇喜多秀家という「三人の二代目」は、天下布武を目指す織田信長の圧力にさらされながら、それぞれに生き残りを模索する。そして、本能寺の変勃発。彼らの決断はー。動乱の時代を生き抜く、したたかな知恵と勇気の物語。
全国38紙で連載された巨弾歴史小説、待望の文庫化!戦国の乱世に、偉大な先代の跡を継いで家長となった上杉景勝、毛利輝元、宇喜多秀家という「三人の二代目」は、天下布武を目指す織田信長の圧力にさらされながら、それぞれに生き残りを模索する。そして、本能寺の変勃発。彼らの決断はー。動乱の時代を生き抜く、したたかな知恵と勇気の物語。
警視庁捜査支援分析センターに配属された神尾文孝は、超記憶症候群の上司、羽吹允をコンビを組むことになる。配属初日、日野市で発見された女性の遺体は銀色の繭に包まれ、美しいとも思えるものだった。都内で連続する事件。羽吹の記憶と洞察力が冴え渡る。 第一章 第二章 第三章 第四章
「十年前、白バラが咲く英国庭園で『リーベル』という名の美女に出会った」叔父の思い出話を胸に英国へ留学した青年・佐貴。当のアルグライト伯爵家を訪れるも、そんな庭園も女性も存在しないと一蹴され、敷地内で起きた庭師殺人事件の容疑者にされてしまう。佐貴の無実を信じてくれたのは、伯爵家の跡取り息子にも拘わらず自由を奪われた美少年・アーネストだけでーー? リーベルの庭 プロローグ 第一章 秘密の庭園 第二章 白バラはかく語りき 第三章 小さな奇跡と大きな翼 エピローグ 冷たい炎 あとがき
テーマは「館」、ただひとつ。今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジックーー! 収録作品:東川篤哉『陽奇館(仮)の密室』、一肇『銀とクスノキ 〜青髭館殺人事件〜』、古野まほろ『文化会館の殺人 --Dのディスパリシオン』、青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』、周木 律『煙突館の実験的殺人』、澤村伊智『わたしのミステリーパレス』 テーマは「館」、ただひとつ。 今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。 奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジックーー! 読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第二弾。 収録作品: 東川篤哉『陽奇館(仮)の密室』 一肇『銀とクスノキ 〜青髭館殺人事件〜』 古野まほろ『文化会館の殺人 --Dのディスパリシオン』 青崎有吾『噤ヶ森の硝子屋敷』 周木 律『煙突館の実験的殺人』 澤村伊智『わたしのミステリーパレス』 東川篤哉 『陽奇館(仮)の密室』 一肇 『銀とクスノキ 〜青髭館殺人事件〜』 古野まほろ 『文化会館の殺人──Dのディスパリシオン』 青崎有吾 『噤ヶ森の硝子屋敷』 周木 律 『煙突館の実験的殺人』 澤村伊智 『わたしのミステリーパレス』
越は呉を奇襲するべく密かに大量の造船を行い、林野に運ばせていた。これをとある者から聞いた伍子胥は策を練る。その頃、何かがおかしいと感じていた范蠡は句践に伝えるも、句践は秘策を実行する。だが、すでに作戦を把握していた呉の攻撃により越軍は敗退。ついに伍子胥が率いる兵たちに句践は追い詰められるが、何とかかわし会稽山へ逃げ込む。句践は降伏も亡命もありえず、ここで戦い抜くと、ともに山に籠もった兵を前に宣言するが、大夫種の必死の献策をうけ、呉との講和を進めることをやむなく了承、囚われの身となってしまう。范蠡らはいつか句践が解放されることを信じ、その時まで越国を守り抜くことを誓う。
明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。 賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。 地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。 父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。 1 父でありすぎる 2 石っこ賢さん 3 チッケさん 4 店番 5 文章論 6 人造宝石 7 あめゆじゅ 8 春と修羅 9 オキシフル 10 銀河鉄道の父
鬼と鬼の花嫁、二人を待つ過酷な運命映画化、ゲーム化、舞台化、ドラマCD化! シリーズ累計30万部突破の傑作学園ファンタジー。 ”鬼の花嫁”の刻印を持つ少女・朝霧神無は、十六歳の誕生日に鬼の末裔、木藤華鬼のもとに嫁ぐよう告げられる。神無が連れさられたのは、多くの鬼とその花嫁たちが通う全寮制私立高校。鬼や花嫁たちの嫉妬が渦巻く学園で、華鬼は神無を優しく迎えはしなかった。 鬼と鬼の花嫁、二人を待つ過酷な運命とは。 映画化、ゲーム化、舞台化、ドラマCD化! シリーズ累計30万部突破の傑作学園ファンタジー! ”鬼の花嫁”の刻印を持つ少女・朝霧神無は、十六歳の誕生日に鬼の末裔、木藤華鬼のもとに嫁ぐよう告げられる。神無が連れさられた場所は、多くの鬼とその花嫁たちが通う全寮制私立高校。鬼や花嫁たちの嫉妬が渦巻く学園で、華鬼は神無を優しく迎えはしなかった。傑作学園ファンタジー、ついに文庫化!
匿名の依頼を受け、ある男の尾行を始めたSYアート&リサーチの小川と真鍋。男は毎日何時間も映画館を見張っていた。単調な仕事かと思われた頃、ニュースを騒がせている連続爆発事件にアルバイトの永田が遭遇。そして殺人事件がーー。依頼人は誰か、目的は。連続爆弾魔との関係は。緊張感に痺れるXシリーズ第五弾! 殺人の動機は全部、一身上の都合だ。 依頼人不明の素行調査。 連続して起きる爆発事件。そして殺人。 一瞬にして膨張する、衝撃的緊迫感! 匿名の依頼を受け、ある男の尾行を始めたSYアート&リサーチの小川と真鍋。男は毎日何時間も映画館を見張っていた。単調な仕事かと思われた頃、ニュースを騒がせている連続爆発事件にアルバイトの永田が遭遇。そして殺人事件がーー。依頼人は誰か、目的は。連続爆弾魔との関係は。緊張感に痺れるXシリーズ第五弾! プロローグ 第1章 つきまとい 第2章 しめころし 第3章 つづけざま 第4章 ためらわず エピローグ
きっといいことあるんだよ、絶対に。スカイツリーの町で生まれ育った吾郎。低額宿泊所の所長だったが、社長と喧嘩してクビ。バツイチで、可愛い息子にはほとんど会えず、元妻は再婚するという……。多難な毎日だけど元ホームレスの青年・魁多に絵の才能を感じて、ギャラリストになろうと決意した。めげない男の奮闘が痛快・爽快な下町人情物語! きっといいことあるんだよ、絶対に。 バツイチ職なし、でもここは俺の生まれた町だ。 『あぽやん』の著者が描く〔東京下町〕めげない男の爽快奮闘記! 東京スカイツリーのお膝元。小さな小さな商店街を舞台に、 超前向き男が人生に風穴を開けてゆく傑作長編小説! スカイツリーの町で生まれ育った吾郎。低額宿泊所の所長だったが、社長と喧嘩してクビ。バツイチで、可愛い息子にはほとんど会えず、元妻は再婚するという……。多難な毎日だけど元ホームレスの青年・魁太に絵の才能を感じて、ギャラリストになろうと決意した。めげない男の奮闘が痛快・爽快な下町人情物語!
3件の誘拐事件が続けて発生した!被害者たちはすぐに解放されたが、口々に「呪い」をかけられたと証言する。原因不明の頭痛を訴える被害者たち。共通点は同じ大学の関係者だが…。常識外の事件に、あの“ST”が動き出す!「呪い」とはなにか?犯人の目的は?大人気シリーズの新たな捜査が始まる。