出版社 : 郁朋社
荒ぶる魂を抱き、戦国の世を流星のごとく疾駆した十河一存。三好長慶の末弟にして、鬼十河、夜叉十河と称された猛将の秘められた一途な想いとはーその内面と波乱の生涯に迫る!第22回歴史浪漫文学賞受賞作。
陸奥多賀城で家持は無念の客死。藤原種継暗殺。怒る桓武帝は家持遺骨を隠岐流罪、大伴家断絶、歌稿没収。早良親王幽閉死。以後帝は怨霊に祟られ苦悶の臨終枕頭万葉上梓を許可。万葉集誕生の秘密に迫る歴史浪漫シリーズ遂に完結。
都内の進学校に通う小夜は、出雲に帰省中、古代にタイムスリップしてしまう。そこは日霊女女王亡き後、動乱の倭国。贈於国の豊受比売(豊夜)は、山門国の女王として立つよう迫られていた。やがて他の国々の思惑も入り乱れ、豊夜の運命は急転していく。旅の末に豊夜が決断する道とは。そして小夜がつかんだ自らの生きる道とは…?勾玉を通して二人の少女の魂が響き合う歴史ファンタジー!
「とはずがたり」は誰が描き、そのモデルとは…若き兼好法師が秘本の謎解きと恋人の救出に挑む。王朝の禁断の恋を描いた秘本「とはずがたり」に託された謎とは何か。紫宸殿における斬殺に秘められた策謀を解き明かせるか。伊勢から来た鬼女とされた女剣士の正体は何なのか。邪教集団が恋人を攫った理由と恋人の行方を突き止められるのか。
証は…二人で生きること…信長・家康と争う信玄最後の戦いの中、謀略渦巻く岩村城で出会う織田の女と武田の男。二人の思惑が縺れ、重なり運命を呼ぶ。信玄西上作戦で行われた岩村城攻防を新たな視点で読み解く歴史秘話。
限界集落に一人で暮らす老人の「いきがい」とは。娘一家の来訪を心待ちにする独り暮らしの和子。ここは琵琶湖の北、山間部の地である。田舎だが小さな畑で野菜を作りながら僅かな年金で暮らしている。横浜に住む娘は一緒に住もうと言いだすが気が乗らない。アメリカに住む一人息子もまもなく日本に帰ってくると言う。彼もまた和子の行く末を案じている。ここは何もないところかもしれないが…。他3篇収録。
江戸幕府創成期の混迷した世を駆け抜けた親子の情と確執ー徳川幕府の行く末をおびやかす豊臣家を滅ぼそうと策略をめぐらす家康。その企みに巻き込まれる豪商角倉了以。了以は家康の命に心ならずも服しながら、来るべき太平の世を見据え、寂れた京の再繁栄を夢見て運河を作り、物流を盛んにしようと動き出す。為政者に頼らず私財をなげうち、命を賭して運河開削に挑む了以の前に山積する難問。了以はそれをどう乗り越えていくのか。利他に等しい了以のしたたかな晩年を描く。
幕藩体制維持のため最下層に置かれた賎民たちの漆黒の裏社会を炙り出す。数奇な運命に翻弄される男と女。飢饉、丹後縮緬誕生、盗賊集団、穢多村、「西陣焼け」に絡む重層的人間模様を解き明かす。
父と子、交錯する運命ー後鳥羽と土御門、北条泰時と時氏、そして貴種の落し胤玄洲。動乱の時代に生きるそれぞれの葛藤を描き出す。
戦国乱世。北辺に生を受けた男の名は平蔵。十八歳にして、南部氏への反逆、津軽の独立という途方もない企ての先鋒に立つ。津軽為信となった平蔵は、羅刹となって修羅の道を突き進み、ついに津軽の独立と権力を勝ち取る。
中世の価値観からパラダイムシフトする魔王の正体とは?織田信長の人格が、時代の変遷とともに、比較的短いスパンでも、明らかに変容していることに気付かされた。
『新・三好長慶伝』の続編。戦国期の阿波に、こんなすごい武将がいた!織田信長を最も怖れさせた知将、篠原長房。その鮮烈一途、波瀾の生涯を描いた感動長編。三好長慶シリーズ第二弾!
幕末期の漢詩人梁川星巌とその妻紅蘭、同道し頼山陽が辿った西国への道を歩み菅茶山らと交わり詩嚢を肥やす旅とする。やがて、時代のうねりに飲みこまれるように京都で尊皇攘夷運動の求心的存在になるが、安政の大獄による捕縛直前に斃れる。
巨星堕つ!文武の道を極めた大伴旅人がついに逝く。大納言に昇進し京師に帰還する旅人一家。その船旅で回想した波乱に富んだ物語と難波での高安王の色懴悔とは?万葉集誕生の秘密に迫る歴史浪漫シリーズ第5弾。