出版社 : 集英社
奥州街道沿いで、柳生の嫡流、権右衛門の死骸が打ち捨てられていた。胸をひと突きにした傷口は異様に丸く、左手の小指は砕かれていた。何者の仕業なのか?柳生十兵衛は、父、宗矩の命令で狭間新三郎を連れて、みちのくへ旅立つ。白石城下へ向かう途中、柳生の諜者、道哲の出迎えを受け、風流な家に案内される。だが、それは罠だった!火薬が床下に仕掛けられており、家はふっとんだ。道哲を装った男は、十兵衛もろとも死のうとしたのだ。それは真田者のやり口だった。伊達藩に真田の残党が入り込んでいる!彼らが死を覚悟で守らねばならない秘密とは、何なのか?伊達政宗の青葉城、西ノ館で驚くべき秘事が繰り広げられる長編時代小説!
杉丸だけが華雅学園に通うことになったので、うららの提案で壮行会をやることになった。香織さんも加わって、それはにぎやかなこと。帰り道、送ってくれた朱海さんを、またまた意識してしまう。「愛するって、戦うことよ」という杉丸のことばが思い出される。高校のクラスメイト、かわった人たちばかり。中学の時に世話になったツル先生に呼ばれた。波瀾にとんだ高校生活の幕開けになりそう。
それは春、猫のシーズンたけなわのころだった。陽気に誘われて、つい散歩に出たおいら(タマ)は、公園で知見らぬ白猫と出会った。犬のようにデカイそのメス猫は、恥ずかしそうに「チビといいますの」と自己紹介した。話をきいてみると、最近、越してきたばかりの飼い猫で、迷子になってしまったらしい。そのチビが、「おそばにいても、よろしいですか?」と、おいらに身をすりよせてきた!
美女丸んちで眠りっぱなしだったあたし(マリナ)が、ふと目を覚ますと、そこはなんと棺桶の中っ!あせりまくったあたしだったが、気を静めてよく見回すと、棺桶ではなく美しい輿に寝かされて運ばれていたのよ!輿を担いでる人たちも、前後につき従う人たちも、古代ローマの服を着た外人さんたち。おまけに、まわりの景色や建物は、ローマ帝国そのまま。いったい、ここはどこなのっ!
ぼくの露子がアメリカ留学から帰ってきて、やつ(彰彦)のうさぎが駆けおちから戻ってきて、そしてもう一度、暑い夏がやってきた。そんなある日、ぼくたちはテレビのニュースで偶然、蒸発した吉田ふみ子さん(田沢さんの姉であり、まみちゃんの母である人だ)を見てしまった。うさぎの清美ちゃん、露子、ぼくの三人は、まみちゃんを連れて、大阪までふみ子さんを探しに行くことになった…。
伸次さんに会いたいなァ。プロポーズはいつかしら…なんて、のんびり夢想していたあたし(留那)は、TVのニュースにぶっとんだ。“火星人が独立宣言。月まで占領”だなんて!!伸次さんは今、月に出張中。人並はずれたおっちょこちょいの彼、無事でいるのかしら?矢もたてもたまらず心配になったあたしは、伸次さんのハデハデ模様のギターをしょって、パパとふたり、月へ行くシャトルに乗った!
20世紀の終わり、政府は支配するための人口都市を関西に造った。その象徴が神殿で、教祖によって新たな階級制を作りあげようとしていた。当然、支配に反対する者が急増した。革命家、カラス、バクダン屋、ネコたちは、同じ隠れ家に住む反対者の仲間だった。全員がそれぞれ、特別の能力をもっていた。革命家が街でふしぎな少女ビィを拾ってきたころから、警察の手入れがはげしくなった。
警察の追及をなんとか逃げのびた革命家たちだったが、なぜかビィが忽然と消えてしまった。ネコは彼女の行方をさがしてシティに入り、神殿へ潜りこんだ。殺人につぐ殺人。ネコは支配者が作りだした対人用殺人生物兵器なのだ。そんな彼の心を開かせたのはカラスだった。一方、革命家も困難な依頼を受けた。神殿に入り、コンピューターに閉じこめられた友人を解放してほしいというものだった。
あたし、夕花子。バニーガールのバイトしながらひとり暮らししてたけど、冬が来たからウサギをやめてネコ(無職)になったの。時々「来いよ」とTELかけてきてSEXするおとこ(28歳・放送作家)がいるのだけど、彼はデパートガールと同棲中なんだ。そんなある日、葉介という純情な(?)予備校生と知りあった。彼ったら、大学やめてケーカンの試験を受けるといいだしたの…。
大正の末ごろ。秋田県・大館から東京・渋谷に住む大学教授・上野秀次郎博士の家に、1匹の秋田犬の子犬がもらわれてきた。「前肢をぐっと八の字に踏んばっているな。ハチと名づけよう。どうだね?ハチ公」その日から、上野先生とハチは、熱い信頼で結ばれることになったのだった…。秋田犬・ハチの生涯を通して、愛とは?信頼とは?と問いかける涙の感動物語!
「もう檻の中の運動会はやめだ」-全共闘高揚期、茶番劇に飽きた4人の男たちが本物の銃と弾丸を用意して起ち上がった。活動家たちに、いささかヒステリックなジャーナリズムに、そして運動会そのものに“一杯食わせて”やるために…。遊びでもなく、気晴しでもなく、本物の戦いに命をかけた男たちの鮮烈な思いを描く衝撃のネオ・ハードボイルド。
戦争の火の手は、つまらぬことをきっかけに燃えあがる。-ここロンジュヴェルヌ村とヴェルラン村の子どもたちも然り。武器は棍棒、パチンコ、石を手に、家や学校や教会の偽善的世界を抜け出し、幼い戦士たちが勇躍出陣する。素朴さと無邪気さの中に大人の世界を風刺し、生命力と活力と情熱に溢れた児童文学の名作。名画「わんぱく戦争」の原作。
この社会は腐り、尊敬に値する人間は、どこにもいない。老人はCMの甘ったるいささやき、クイズ番組のあほらしさに怒って、ついにテレビをショットガンでぶち抜いた。…「いいかげん、くたばっちまえ」青年は世界に向って吐き捨てるように言った。だが世界はだらだらと尾を引いていく。自殺するしかない。青年は金門橋の橋げたにぶらさがった。…コレハ我ガ肉体デアル…。取ッテ食ベヨ…。ジェインは一方の手でひとりの男の巨大な背り返ったペニスを、もう一方の手で、もうひとりの男のものをそっと握りしめた。彼女は自分の肉体がグランド・キャニオンのように開くのを感じた。…全米批評家賞受賞、現代アメリカ文学の最高傑作。