出版社 : 集英社
南海のカゲロウ島に配属された朔中尉。特攻隊長として、常に死を目の前にして過ごす彼は、島の少女トエに出会う。おとぎ話のような二人の恋。戦局が緊迫する中、遂に出撃命令が下るー(「島の果て」)。生々しく描かれる感情表現と、やわらかな筆致で綴られる情景描写との両立により決定的な存在感を放つ島尾戦争文学。趣の異なる8編を、寄せては返す波のように体感できる短編集。写真、関連年譜も収録。
横浜・港みらい署の名物SM刑事コンビ、海月と亘。秋晴れのある日、誘拐事件が発生。犯人から身代金要求のメールが届くが、受け渡しの指定場所が二転三転し、そのどれもが横浜の観光名所で……!?
古代アレクサンドリア図書館は、いまも存在しているー。射殺された大学教授アルノがエミリーに残した手紙には、7世紀に忽然と消えた伝説の図書館の現存がほのめかされていた。エミリーは、謎だらけの教授の言葉に導かれ、幻の図書館を探す旅に出る。一方、ワシントンDCにも、図書館の行方を追う者たちがいた。手段を選ばない彼らの魔の手がエミリーに迫りくる!ノンストップ史実ミステリー。
平安時代、身体を売って暮らす似非巫女の綾児(あやこ)は、その美貌を見込まれて、菅原道真を祀る神社をでっちあげる策謀に誘われた。神社の筆頭巫女として、権力を存分にふるえるかに思われたのだが……。
「世の中なんて、不思議な出来事が簡単に起きるくらい、くだらねえもんだな」モロッコへ、オトコ二人の珍道中。見つけたのは一人の女か、それとも人生か。野間文芸新人賞受賞の新鋭による最新小説。
東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするがー。当年とって七十三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる人情譚!
慧に告白後、関係がぎくしゃくしてしまっている鹿乃。そんな折、知人に若い男性を紹介される。佐伯稜一と名乗る彼は、実は蔵の着物の関係者で、大伯母の椿柄の振袖について訊きたいというが…?
“絶世のブス"にしてウェディングプランナーの香澄は、自称“意識の高いB専"久世課長に斜め上な求婚をされ困っていた。そんな折、中途採用の年上新人、美人で自尊心の強い財前さんの教育係を任されて…!?
宇宙技術振興推進株式会社(通称STeP)。待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる伝承などを扱う部署。ある日、保管中の古いランプ『朧月夜』を譲ってほしいと男性が訪れるが…? 幻想譚。
1971年春、函館にある憧れの私立高校に入った僕は、親元を離れ寮生活を始める。街の景色、同級生、音楽、出会うもの全てが刺激的で、期待に胸を膨らませていたが、入学早々、「寮の恒例行事“入魂会”に関わったものは死ぬ」という噂を耳にした。するとそのわずか二日後、寮の二年生が謎の転落死を遂げる。事件と噂の真相を探るため、僕たち一年生は探偵団を結成してー。青春学園ミステリー。
柴田錬三郎賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、河合隼雄物語賞の3冠を受賞し、王様のブランチブックアワード2014の大賞にもなった話題作の文庫化。実在した南部八戸の女大名の一代記。(解説/池上冬樹)
死者数最大1万3千人、被害総額2兆5千億円と予測される富士山噴火。過去最大の災害危機に真っ向から挑み、さらに父娘の絆の再生を描き出すノンストップ防災エンターテインメント。(解説/鎌田浩毅)
個性あふれる作家陣が、大人への階段を上ろうとする人生の一瞬を鋭くとらえた短編作品10本を集めたアンソロジー。大人未満な時期のほろ苦い記憶と重ね合わせて楽しんでほしい一冊。(解説/三田誠広)
夫との不仲に悩む、宗孝の九の姉。帝の寵愛を受けて懐妊中の異母姉・梨壺の更衣を羨み、不満を抱える彼女の前に、「あなたは特別なお方」と言う老巫女が現れて……? 大人気シリーズ、波乱の第六巻!
『ジョジョ』ファンの間で伝説となっている大ヒットノベライズがついに文庫化!! 第5部で、ジョルノと袂を分かったフーゴが挑む試練とは……。上遠野氏書き下ろしエピソードも収録!!
『飛』の旗を掲げた岳飛のもとに、かつての仲間、孟遷や于才も加わり、さらに梁山泊からの援助を受けつつ、本格的に岳家軍が再興されていく。金国と講和した南宋は、韓世忠率いる水軍が、次の相手を梁山泊水軍と見据え準備を始めていた。南方では南宋軍が阮廉の村を習い、岳家軍と衝突し惨敗したが、景〓(ろう)に寨を築く。ついに小梁山の秦容も守りを固めるため調練を開始する。深慮遠謀の第八巻。
眠狂四郎が東海道を西上。旅の目的は西国十三藩の謀議を暴くこと。各宿場では、さまざまな刺客が狂四郎を待ち受ける!暗殺集団・隼人隠密党との凄絶な決闘あり、大目付の附人・都田水心との謀略戦あり。秘剣・円月殺法の冴えに加え、各地で出会う人々との人間模様や、宿場ごとの風物なども楽しめるのは道中記ならではの魅力。ひとたび読み始めたら、一気呵成に読んでしまうこと間違いなし。