出版社 : 集英社
梁山泊が南宋と金、それぞれと戦争状態に入った。呼延凌と兀朮が一進一退の攻防をしている最中、丞相・撻懶が病死した。金国内の混乱に乗じ、轟交賈の蕭〓(げん)材が監禁されるも、梁山泊の致死軍が救出した。水上では梁山泊の狄成らが、南宋の造船所を奇襲し、すべて焼失させた。一方、南では南宋の辛晃の動きを警戒する岳飛と秦容が互いに手を組むことを決めるー。譎詐百端、風雲急を告げる第十巻。
草花の知識を活かし、人々の悩みを解決してきた草介。剣術道場に通うお転婆娘千歳に持ち上がった縁談を聞き、今度は自分が悩みの当事者に!? 優しく温かな人気時代連作第2弾。(解説/中江有里)
様々な症状の老人が暮らす痴呆病棟で起きた、相次ぐ患者の急死。理想の介護を実践する新任看護婦が気づいた衝撃の実験とは? 終末期医療の現状と問題点を鮮やかに描くミステリー!(解説/備瀬哲弘)
日常の裏側に死者たちは佇む。生きていた時に抱いていた想念が幻となってこの世に残っている者たちを誘う。闇の中で死者たちが開く異界への扉。恐怖と官能を湛えた極上の幻想奇譚集。(解説/東雅夫)
宇宙船から突如失踪したジョバンニの父。最後に残された謎の言葉……。果たしてジョバンニは父と再会できるのか。連載6年、高橋源一郎の新たな代表作、ついに文庫化!(巻末エッセイ/最果タヒ)
乱世の梟雄と呼ばれた戦国大名・北條早雲。弱冠21歳での駿河下向から小田原城の奪取まで、波乱万丈な青春の日々を息もつかせぬ展開で一気に読ませる、従来の早雲像を覆す傑作歴史長編。(解説/縄田一男)
「めぐりあい」をテーマに名作短・掌編を精選したアンソロジー。読書への入り口に。旅のお供に。日々のひとときに。人気作家、ベストセラー作家の贅沢な競演。いずれ劣らぬ名作揃い。(解説/吉田伸子)
入社当日に会社が倒産、路頭に迷った朝倉夕霞。公園の掲示板で国土交通省名義の【臨時職員募集】の貼り紙を見つけ、藁にもすがる気持ちで応募するが、そこは「地縛霊」の立ち退きを担当する部署で!?
“四歳の私は、世界には二つのことばがあると思っていた。 ひとつは、おうちの中だけで喋ることば。 もうひとつが、おうちの外でも通じることば。" 台湾人の母と日本人の父の間に生まれ、幼いころから日本で育った琴子は、大学生になって、中国語(普通語)を勉強するため留学を決意する。そして上海の語学学校で、同じく台湾×日本のハーフである嘉玲、両親ともに中国人で日本で生まれ育った舜哉と出会う。 「母語」とはなにか、「国境」とはなにか、三人はそれぞれ悩みながら友情を深めていくがーー。 日本、台湾、中国という三つの国の間で、自らのアイデンティティを探し求める若者たちの姿を鮮やかに描き出す青春小説。第157回芥川龍之介賞候補作。
夢の中では海を冒険し、昼は誰かに殺される気がする15歳の僕。いつか夢は現実と混ざり始め……。心の病による妄想や幻覚に翻弄される、少年の内面と成長をリアルに描く。全米図書賞受賞の青春小説!
弱小野球部の三ツ木高校は、エース月谷と主将笛吹のもとで確実に実力をつけていった。急成長を遂げるチームの中、捕手の鈴江は月谷の投球に追いつけず苦しむ。一方、ライバル東明学園の木暮も、思わぬ乱調でエースナンバーを剥奪される危機に。それぞれが悩みと熱い想いを胸に秘め、最後の甲子園へ向けて走り出す!! 感動の高校野球小説、クライマックス!
友人の玲沙から、母親の再婚相手のことがよくわからないと相談をうけた碧。碧のバイト先である小料理屋「ゆきうさぎ」につれてきてみてはどうかと提案するのだが…?
時は大正。妖力を持つ一族に生まれた華族令嬢の香澄は、古の鬼神悪路王を蘇らせ、朧と名づけて使役する。ある日、サーカスを見に行った香澄は不思議な術を使う男・花月に出会い…。鬼たちのあやかし事件簿。
妻の死後、酒とギャンブルに溺れていたユウジ。まっとうな社会の枠組みで生きられない “愚者"たちが、ユウジにもたらしたものとは。不器用な男たちの切ない絆を描く「再生」の物語。(解説/西上心太)
戦いの気配が次第に濃厚になっていた。岳都で高山の民を加え調練の日々を送る岳飛。南宋水軍の韓世忠は遭難した梁紅玉を救うため、張朔の交易船を襲った。南下してくる南宋軍に対し岳飛は警戒を強め、小梁山の秦容と手を組むことに。金国では轟交賈の蕭〓(げん)材が、物流の動きがおかしいことを察知する。そんな中、小梁山と甘蔗園が何者かに襲撃されたー。本格的な水上戦と新たな山岳戦に臨む第九巻。
45歳バツイチのミチルは三か月前に彼氏と別れ、チラシのポスティングで糊口をしのぐ日々。恋愛、仕事、友人関係。人生の岐路に立たされた彼女が選ぶ道とは──。ハートフルストーリー。(解説/吉田伸子)
近未来。人間の機械化を見据え、競馬界ではサラブレッドのサイボーグ化が決定。生身の馬で行われる最後のダービーに向け、男たちの戦いが始まる。第10回日本SF新人賞受賞作品。(解説/北上次郎)