出版社 : 電波社
「まず連合艦隊を解散せよ!」 ──米内光政海相の許しを得て、禅の修行に出た黒島亀人は、霊場・恐山にて神の啓示を授かる。その啓示とは、亡き山本権兵衛大将の慰霊が下したお告げであった。 折しも日中戦争が勃発。支那方面艦隊の増強を迫られた米内は、軍令部の求めに応じて連合艦隊を次第に縮小、ついにはお告げ通りにその解散に踏み切ったのだった! そして日米開戦の直前に“新たな連合艦隊”が結成され、開戦劈頭の「ハワイ奇襲」は勇壮な作戦に拡大。空母9隻を従えた戦艦「大和」が、ハワイからミッドウェイへと進撃し、キンメル太平洋艦隊を追い詰めてゆく──!!
ガダルカナル島上陸を果たした米海軍であったが、物資の揚陸作業の途中で、日本の駆逐艦により奇襲を受けてしまう。思わぬ妨害工作によって、島内の基地建設が進まずに苛立つ米海軍。そこへ日本海軍は追い討ちをかけるように、第七戦隊によるガダルカナル島への砲撃を開始する。潜水艦部隊が蠢動し、日米は互いに貴重な航空戦力をすり潰しながら、島をめぐる攻防戦は激化の一途をたどっていく。 そんななか、ついに改造空母と新型戦闘爆撃機を擁する第一四航空戦隊に、ガダルカナル島奪取作戦の命令が下った。残存戦力を掻き集め、南洋の覇権をかけた日米の一大決戦の結末やいかに…!?
米太平洋艦隊の奇襲という難を逃れ、復興が進む水無月島。 そこに南雲中将率いる第一航空艦隊、そして新鋭機の二式陸攻・泰山が到着した ZZ作戦と銘打たれた計画の役者が揃い、帝国艦隊の報復が始まる。 それは真珠湾攻撃を目眩しに、アメリカ西海岸・サンディエゴ軍港を渡洋攻撃するというものだった。 空爆に成功し、ガラパゴス諸島へと南進する艦隊から注意を逸らすべく囮となった〈大和〉と〈比叡〉。 置き捨てとなった寡兵の駒にスプルーアンス率いる第一六任務部隊が襲い掛かる。 一方その頃、水無月島では自然界による逆襲が胎動し始めて……?
連合艦隊はガ島の占領に成功。しかし1943年に入ると、米海軍はエセックス級空母を続々と竣工させてきた。その空母増産力は帝国海軍をはるかに凌ぎ、高速空母10隻をそろえた米軍は本格的な反攻を開始、9月にはついにポートモレスビーを奮い返されてしまう。連合艦隊の執るべき作戦はただひとつ、制空母艦3隻をそろえて速やかにハワイを占領するのだ。海兵51期卒業の樋端久利雄や大井篤などが英知を結集し「ハワイ攻略作戦」を立案するも、米軍機動部隊は11月には早くも次なる作戦へ向けて動き出す。連合艦隊は米軍の反攻を阻止してハワイを占領できるのか!?制空母艦3隻が今、出撃してゆく!
「真珠湾攻撃はパンドラの箱を開けてしまった。 しかも残っているのは希望かどうかもわからん」──ABDA艦隊を撃退せしめた日本軍。 次なる作戦の議論はミッドウェー島攻略とハワイ占拠の間で揺れていた。 一方、欧米に遅れて電波探信儀が第一四・一五航空戦隊に新たに装備され、有用性が認められつつあった。 それでも国力差を埋めることができないまま、日本は米豪遮断作戦を開始する。 最終目標は敵艦隊壊滅。ニューギニアの要塞化を企図してまずはポートモレスビー攻略へと動き出す。 日米互いに電探(レーダー)を駆使する攻防のなか、 囮と思われた第一四航空戦隊に、思わぬ米戦艦部隊との戦いが訪れるのだが……。
F6F、F4Uと相次ぐ敵新型機の前に、零戦の無敵神話は崩壊し、 日本海軍最大の拠点トラック基地は壊滅した。 次にアメリカ軍が狙うのはマリアナだったが、疲弊した連合艦隊にそれを阻む術はない。 マリアナを飛びたつ新型超重爆撃機B-29による、日本本土空襲の危機が迫る。 そこで、日本海軍は苦肉の策として、マリアナを囮とした秘策を繰りだした。 零戦の後継機として登場した烈風が起死回生の一撃を見舞い、 空母『信濃』も傷つきながらも奮闘するのだが……。 友情、復讐、敬意……男たちの様々な感情が洋上でぶつかり、火花を散らす。魂を揺さぶる絶叫が轟く大団円。
1942年2月に空母「エセックス」が竣工。9月には早くも南太平洋に「エセックス」が現れ、ガ島争奪戦は長期化の様相を呈し始める。移動式浮揚ドック「ABSD-1」を駆使した米海軍の空母補修能力は帝国海軍の常識をくつがえし、米軍機動部隊は再三にわたって息を吹き返す。このままでは“航空消耗戦に引きずり込まれる!”と憂慮した連合艦隊司令部は、戦艦による二度目のガ島砲撃を計画、戦艦「大和」に対して出撃を命じる。艦長は松田千秋大佐が務めていた。松田の乗る「大和」は鉄底海峡で大暴れするも、米軍艦載機から執拗な反撃を受け、次第に追い詰められてゆく。はたして「帝龍」は、決戦場へ間に合うのか!?
時空移動の力を駆使して、令和と昭和の日本を自在に行き来する鳴神武人。 日本を理想の国家に変えるべく、現代の最新技術や軍事知識などを最大限に利用し、 航空主体の新生日本軍を創り出すことに成功する。未来の力による大幅な軍備増強が叶い、 いまやアジアどころか世界でも有数の軍事力を保有する日本であったが、 各国の思惑はときに鳴神武人の予想を超え、 米国とソ連それぞれを相手どるという熾烈な世界大戦のうねりに巻き込まれていく。 戦争の長期化を嫌った日本は、敵国をはるかに凌駕する航空戦力を集結させ、 昭和世界では常識外であった潜水艦の活用を武器に、米太平洋艦隊との最後の戦いに挑む!
昭和12年、日本海軍は世界最大の大型戦艦建造を起工する。 その一方、海軍軍縮条約をかいくぐるため、 有事の際に商船を短期間で戦力化する商船改造空母構想も練られていた。 しかし雷撃機も搭載できず、収容できる機数も少ないなど大きな制約が課せられていた。 そうした中、艦上戦闘機を必要に応じて爆装し急降下爆撃機とする方法を考案。 さらに航空魚雷までも搭載する改造まで開発された。 こうして昭和16年12月、日本海軍は新たな戦力を手にした小型改造空母「雪鷹」を完成させ、 マレー半島侵攻作戦を実行に移す。 日本海軍の進撃に英海軍が立ち塞がるも、新生戦闘爆撃機が襲い掛かる!
日本側についた仏伊艦隊の活躍によって米艦隊は後退し、 真珠湾には一時的に太平洋方面の敵戦力が集中した。 そこを新造した大型空母「信濃」を中心とする第一航空艦隊が強襲。 世界初の空母機動部隊による攻撃が始まった。 快進撃を続ける連合艦隊司令部はこの機を逃さず、ミッドウェー作戦を決行する。 一方、新型戦闘機F6Fを完成させた米軍は、新機動部隊を編成し反撃。 絶対的自信を持っていた零戦を、次々と撃墜していく。 超大国が牙を剥き始めた瞬間だった。窮地に追い込まれる連合艦隊は、 米新型戦闘機に対抗すべく零戦後継機「烈風」の開発を急ぐのだが……。
5人の民間人が魚釣島に上陸し、奈良原岳に日章旗を掲げた。中国海警船から執拗な妨害を受けながらも決死の覚悟で抵抗していた。一方、日本政府は彼らの行動に奮い立ち、入れ替わるかたちで海上保安庁特殊警備隊を送り込むことを決定する。そんな中、那覇基地より空母『いずも』以下護衛艦9隻の出航準備が完了。さらに小笠原諸島沖では空母『かが』がF-35BによるJSM零型ミサイル運用訓練を成功させる。両国の睨み合いが続く尖閣水域であったが、一発の銃声により事態は急展開。一気に戦いは激しさを増し、ついに海上自衛隊の空母艦隊が出動する!
海兵51期は先見の明にあふれた俊傑の宝庫だった。51期卒業の大井篤、木阪義胤、樋端久利雄が 知恵を出し合って画期的な新空母「制空母艦」を生み出し、帝国海軍の建造計画は大きく改定される。 その結果、大和型三、四番艦の建造は中止となり、制空母艦をふくむ大型空母4隻が起工される。 そして一番艦「帝龍」が昭和17年6月12日に竣工、いよいよソロモン海へ出撃してゆくが、 そこでは暗号解読に成功した米海軍の空母が5隻も待ち伏せしていた。 制空母艦「帝龍」は、はたして味方の窮地を救えるのか!? 大量の零戦がその広大な飛行甲板を蹴って、今、飛び立つ!
不思議な力を手にし『第三の日本』を作るため、 歴史の大修正を行うべく昭和8年に時空転移した鳴神武人。 最新技術を導入し、昭和日本の軍備増強に取り掛かかる。 準備が整った日本海軍は対米戦に向け出撃するのだが、 満州里でソ連の動きが活発となり、北極作戦も同時に実行することに。 一方、ヨーロッパではヒトラーが英国上陸作戦を開始し、米軍は対応を余儀なくされる。 そのタイミングで東南アジアへ侵攻した日本海軍はマリアナ海域で米大艦隊と衝突するのであった。 各国で戦いが勃発し混沌とする世界。 はたして鳴神武人が目論む世界大戦略は、昭和日本を勝利へと導くのか!?
対米国力差から真に日本のことを考えるならば、大和型戦艦の建造計画は絶対に葬らねばならない! 日本海軍リベラル派は、避けられぬ対米戦に向け、大胆な航空主兵主義を打ち出した。 その中心は、零戦および超零戦「烈風」へとつながる高性能戦闘機の開発と、 装甲空母「信濃」らで構成する機動部隊の創設であった。 しかし、造船、航空設計、海軍中枢で恩讐を忘れぬ国内の敵が牙を剥く。 一方、日増しに緊張感の高まる日米関係。度重なる米海軍の挑発に耐え抜いていた日本に対し、 しびれを切らしたルーズベルトは、ついに宣戦布告。台湾の日本軍基地に奇襲をしかけるのであった!
日本海軍はガダルカナル島の米航空基地を壊滅させるため、戦艦大和による巨弾砲撃を実施。奇襲攻撃は見事成功するが、極秘裏に造られていたマラバ泊地を見逃してしまう。そんな中、同泊地に一機のB17爆撃機が着陸する。一方、ガ島攻撃後、ムンダに向かう米艦隊の情報をつかんだ日本軍は、同島に戦艦大和、そして水上機母艦瑞穂を急行させるのだが、ガ島方面から飛来したB17爆撃機により水上母艦瑞穂が沈没してしまう。「ガ島の飛行場はまだ生きている」。そう考えた日本軍は潜水艦による偵察を徹底的に行い、ついにマラバ泊地を発見。ガ島攻撃部隊を特別編成し出撃するのだが…。
昭和20年2月、帝国海軍は珊瑚海海戦で米英連合軍艦隊に壊滅的な打撃を与え勝利する。勢いそのままポートモレスビー攻略に向かい米軍航空兵力の一掃に成功。マッカーサー軍は後退を余儀なくされる。その一報を聞いたルーズベルトは倒れ、トルーマン副大統領が政務を引き継ぐことになった。チャーチル英首相に日本との講和を助言されるも、あくまでハワイ奪還に固執するトルーマン。終わりの見えない対米戦に、帝国海軍は米本土空襲の準備を進める。一方の米軍は、ドイツ敗戦を受け米陸海軍の大兵力を太平洋に集結させるのであった。猛将対知将の最終決戦!日米大艦隊がついに激突する!
202X年春、日中外相会議開催の四日前、尖閣諸島水域で石垣島の漁船二隻が、領海侵犯した中国海警船三隻に追い払われる事件が発生。そんな中、米インド太平洋軍司令部から、SLBM搭載可能の原子力潜水艦を含む三隻の中国潜水艦が所在不明との一報が入る。さらに中国艦隊が南沙諸島の太平島領海に急接近しているというのだ。次々と軍事行動を起こす中国。日本国内でも尖閣諸島を護れとの声が高まるのだが、政府は軍事衝突に発展するのを恐れ具体的に対処しなかった。国の対応に業を煮やしたある民間人らが尖閣諸島への上陸を企て、作戦を実行に移した!尖閣をめぐる日中戦争、ついに勃発か!?