出版社 : 鳥影社
四大奇書さいごの未踏峰、いよいよその頂へ。衣服、食物、男女、宗教…。微細にわたる圧倒的な描写を渾身の筆で受け止めた充実の訳文と、読みごたえある訳注。生活感情をあざやかに追体験させる作者のするどい眼差し。
作品の舞台は福島県双葉町。原発事故で世界的に有名な土地だ。そこには十年経っても未だに帰還できない人々がいる。あの恐怖と惨事の中で生まれた人々の生活と人生を描いたのがこの小説だが、現実に起こった悲惨さを凌駕する作品を書くのはなかなかに難しい。だがこの小説は作家の才能と創造力がいかんなく発揮され、みごとに原爆の悲劇を捉えている。
品川台場、韮山反射炉、日本初の西洋式帆船を造り、西洋の科学技術導入に尽力した江川太郎左衛門。江戸三大道場のひとつ練兵館道場主で尊王攘夷派の剣客斎藤弥九郎。-幕府保守派の妨害と闘いながら、迫りくる西洋帝国主義と対峙し、激動の時代を切り開いた男たちの物語。ふたりの奮闘を描く、迫真の歴史小説!
自由のために生き抜いた革命的詩人像。フランス革命は彼とその仲間たちをどう衝き動かしたのか?本書は、現代と過去を自由に往き来し、やがて狂気の道を辿るこの魅力的な詩人の人生を描ききり、読書の喜びへと誘う。
過去からの光は背後から射すのだから、きっと背中を押すのだろう。…38年間共に生きてきた夫がある日突然倒れ、別れの日までの9か月間、ついに言葉をかわすこともかなわなかった体験から生まれた、5つの短編。
思わぬ災禍と失恋の苦痛を乗りこえ、それをネクストステージへの引き金とすべくもがく青年の姿がコロナ禍の今に重なる表題作。人生航路で出会う「魔」の味が苦く深い、熟達の筆致が光る短編集。
「スモッグだ!」クラウディアに叫んだ。「あれが見える?スモッグの雲だよ!」だが彼女は、…何かに気をとられていて、鳥のひと群れが、飛ぶのを見ていた。そして私はといえば…。存在の仕方が異なる五人の副次的人物との関わりから描かれる「私」という人物像。樹上を軽やかに渡り歩く「ペンのリス」カルヴィーノの1950年代の模索がここにもある。他に掌篇四篇併載。
望雲の竜、無辺の煙霧を切り裂いて、Kawasakiゼファーが疾走する。映画化が決定するも、台本の検閲に遭い、未だにクランクインできない問題作!いま、中国で最も注目されるベストセラー作家、韓寒の第6作!!
本当の自分とは?より良い生き方とは?幸せな人生とは?誰もがぶつかるテーマに正面から挑んだ現役弁護士の渾身の一作!表層的でない人生の深みを、本当の人生の価値を描き出す問題作。人生を真摯に希求する男たちの紆余曲折の生き様が切迫感をもって描き出されている。-昭和の純愛小説「未熟恋」を併録。