出版社 : KADOKAWA
努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
関西某県の田舎町、獅子追町の交番に勤務する制服警官・長原が拳銃を持ったまま姿を消した。県警本部が捜査に乗り出すも、長原の行方は見つからない。同期の耀司は獅子追への異動を志願、真相を探ろうとする。やがて町のゴミ屋敷から出火し、家主の毛利が遺体で見つかった。事件性なしとされるが、数週間後、警ら中に発砲音を耳にした耀司はヤクザの金居の銃殺死体を目にする。さらに現場に落ちていた凶器が、長原の持ち去った拳銃だと判明しーー。 怒濤の展開が待ち受ける、乱歩賞作家渾身の警察ミステリ。スピンオフ短編「蛇の作法」を特別収録。 ーー第31回山本周五郎賞最終候補作
「スツールハウス」。それは、崖の上に建つシェアハウスの名前。 腰かけ(スツール)のように、若者たちが一時期を共有する場所。 そこには確かに、青春と謎があった。 元カノの結婚式に送った写真に秘めたメッセージ。 無人のシャワールームで起きた事件。 ともに暮らした仲間からの相談……。 一見バラバラの謎と、15年住み続け、「主(ぬし)」と呼ばれた女性、素子の謎。 全てが解かれたとき明らかになる、切なく優しい真実とは。 心の奥を刺激する青春ミステリ。
「僕達はもう会うべきではない」サミュエルから別れを告げられたエディスに突如持ち上がった婚約話。相手は18歳年上で侯爵家の三男にして資産家のヘイミッシュだった。彼はサミュエルを十番目と呼び、その居場所を教えたならば、エディスの出生の秘密を明かすという取引を持ち掛ける。一方サミュエルは、「また会おう」と言い遺し“あちら側”に消えていったブラウンの真意を探るため、奪われた記憶の断片を求めるがー!?
決意とともに、故郷へ戻ってきたグレイと、エルメロイII世を待っていたのは、奇怪極まりない『二周目』であった。村の地下に広がる大空洞を舞台に、古き因縁と陰謀が渦を巻く。第四幕の結末や、いかに!?
超能力者を極秘で養成するダークマター研究所。そこでは、経費削減のため、成長が見込めない「年長組」の一部リストラが囁かれていた。そんな中、「年長組」の1人・沙紅螺が帰宅中、背後に現れた不気味な黒い影に追われる事件が発生。依頼を受けた俊一郎は、黒術師に唆された研究所関係者の仕業と考え、黒捜課の曲矢刑事らと警戒態勢を敷く。だが、なぜか新恒警部の姿が見えず、俊一郎は不安になる。待望のシリーズ第7弾!
あれから3年。平和なアレンデール王国に謎の“真っ白病”が蔓延し、責任感の強いエルサは解決法を探し求めていた。妹アナも姉の役に立ちたいと、ある呪文を唱えたが、逆に恐ろしい怪物が現れてしまいーー。
女の子特有の仲良しごっこの世界を抜け出したくて、高校を突発的に中退した美和。祖父が営む小さな銭湯を手伝いながら、取りまく人々との交流を経て、進路を見いだしていく。ほわほわとあたたかな物語。 ほどけるとける 1 ゆめ 2 あこがれ 3 女ともだち 4 かがやき 5 きぼう 6 おもいで フィルムの外
エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰は、念願の石棺を発掘するが、見つかったのは死後数ヶ月のミイラだった。失意の中、何者かの襲撃を受け、峰は危うく難を逃れる。だが今度は講義先のパリへ向かう飛行機が墜落。そこはなぜかサハラ砂漠だった。峰は生き残った者たちとオアシスを目指すが、同行者はみな秘密を抱えており、やがて殺し合う事態に……。生存か正義か。究極の選択の果てに訪れる結末とは。徹夜必至の王道冒険小説。 プロローグ 呪われた旅立ち 最初の選択 砂漠の罠 売国奴の銃弾 オアシスへ 汚れた手 逃走 託されたもの サハラの薔薇 エピローグ 解説 香山二三郎
新垣澪は、丸の内の巨大企業、吉原不動産の若手社員、でした。 今ではギリギリ丸の内にある子会社にて勤務中。 上司は変わらず、イケメンドSの長崎次郎。 しかし新会社の業績UPのため、彼は最近お金にうるさい。 そして高額報酬目当てに、怪しさ満点の男・伊原の依頼を引き受ける。 澪たちは自殺したカップルの霊が現れるという、 リゾート風保養施設に調査に向かうが……。 どんどん解決して実績(オカネ)を稼げ! むしろここから読みたい第6弾!
芦屋の小さな定食屋で働く、元イケメン俳優の海里。 今の夢は、街のカフェバーで、憧れの人と新たな舞台に立つことだ。 そんなある日、海里は事故で視力を失った女性、瞳と出会う。 彼女を気遣ったつもりが、返ってきたのは意外な反応。 一方、店長の夏神には、昭和のレシピ再現メニューについて取材依頼が。 しかしかつてのトラウマから消極的な夏神を、 海里は残念に思い……。 思いやる気持ちがすれ違う、青春お料理小説第13弾。
離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。 ところが先輩医師や看護師たちはどこかやる気がなく、薬の処方は患者の言いなり、患者が求めなければ重症でも治療を施そうともしない。 反発心を抱いた一良は在宅医療やがん検診、認知症外来など積極的な医療を取り入れようとするが、様々な問題が浮き彫りになっていきーー。 現代医療の問題点を通して、生とは何か、死とは何かを問いかける。 著者渾身の医療エンターテインメント。 Episode 1 赴任 Episode 2 臨終 Episode 3 自由 Episode 4 検診 Episode 5 青年 Episode 6 嫌煙 Episode 7 縮命 Episode 8 離任
羽柴秀吉と千利休に雇われ、謀反人と逃げ延びた敵を探す旅をしていた曾呂利新左衛門は、信長に反旗を翻し、有岡城から逃走する荒木村重を偶然捕らえた。この首の価値はいかに。曾呂利は、信長が狙う荒木村重の身柄を千利休に託すのだった。一方、丹波篠山の農民・茂助は、播磨へ向かう秀吉の軍勢を目撃し、戦で功を立てようと、雑兵に紛れ込むのだった。だが、思わぬ敵の襲撃が茂助の運命を狂わせていく──。信長、秀吉、光秀、家康を巻き込み、首を巡る戦国の饗宴が始まる。書き下ろし歴史長編。
「怪と幽」第3号は、妖怪ブームに沸く台湾を特集。 ●特集 妖怪天国 台湾 【インタビュー】何敬堯「台湾の妖怪と、妖怪ムーブメント」 【紀行】村上健司「旅行のついでに立ち寄りたい 台湾の妖怪伝説地」 【インタビュー】瀟湘神、NL、小波「臺北地方異聞工作室とは?」 【怪談実話】瀟湘神「山の中に潜む恐怖 現代台湾魔神仔実話」 【寄稿】伊藤龍平「台湾と日本の「妖怪」、くらべてみれば…… 概念の伝播、付与されるアイデンティティ」 【寄稿】林巧「アジアのなかの台湾のお化け」 【復刻】日影丈吉「騒ぐ屍体」 【寄稿】東雅夫「華麗島に魅せられた文豪たち」 【インタビュー】曲辰「台湾における妖怪/怪談文芸事情」 【紀行】「日本と台湾の妖怪文化を繋ぐ 溪頭松林町妖怪村レポート」 【エッセイ】池澤春菜、伊藤潤二、椎名誠、東山彰良「妖しき華麗島」 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、近藤史恵、乙一、松村進吉 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 荒俣宏、小松和彦、東雅夫、多田克己&村上健司、加門七海(新連載) ●グラビア しきみ、芳賀日出男、佐藤健寿、台湾妖怪紳士録、国際日本文化研究センター新所蔵画図、怪食巡礼 ●怪談実話 三輪チサ、吉田悠軌、小田イ輔 ●お化け友の会ひろば インタビュー 安達寛高 映画『シライサン』 インタビュー ホセ・サナルディ『南米妖怪図鑑』 対談 諸星大二郎×佐藤健寿『世界伝奇行』 寄稿 本城達也『昭和・平成オカルト研究読本』 レポート 宮本幸枝「不思議な宿」 etc……
「小説家になろう」連載わずか半年で驚異の20,000,000PV突破!コミカライズ絶好調の超話題作、第3巻! ーー魔王軍、進軍するは海を彷徨う幽霊船がすくう海上都市ベルネーゼへ! 「お前の敗因はただひとつ、俺の仲間を傷つけたことだ」参謀・諸葛孔明をはじめ、レジェンド級の英雄たちを配下に収めて、次々と魔王を葬り去る新米(最弱)魔王アシュタロト。覇の道を進むアシト一行は、彼らの前に現れたリョウマと名乗る人物から、不穏な噂を耳にする。旧サブナク城の地下に広がる迷宮に潜む人物を探し、禁断の地に足を踏み入れたアシトはーー!? 新米魔王が新たな伝説のページを紡ぐ、異世界魔王英雄譚(リビルディング・マイソロジー)第3巻!
プレイ中だった乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私。だけどこの世界はすっごく暇だった! 「娯楽がなければ作ればいいのよ!」 前世の知識を活かして玩具や恋愛小説を生み出し、退屈な世界をバラ色にしてみせる! 王妃様お気に入りの実業家になり、これでシナリオを外れて素敵な未来が……と思いきや書いた小説のせいで破滅フラグがやってきたーー!?
顔よし、体よし、性格よし。そのうえ読書家。なんだか現実味のないイケメン、熊本くん。仲のよい大学生・みのりは、同級生から彼の噂を聞く。どうやら熊本くんが、ゲイ向けアダルトビデオに出ているというのだーー。
大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見ーー。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきてーー。