出版社 : PHP研究所
昭和の新宿。「雨の日だけ営業」と噂される、元神主・水上櫂の探偵社をめぐる物語ー。幼馴染の慎吾が「近ごろ、会社に間違って届く郵便物が多くて、受付の女性が困っている」と櫂に相談した数日後、その女性は失踪して…(表題作)。◎友の死を悼みつづける女の真意を見抜く「沈澄池のほとり」。◎破格の待遇で募集されたカメラマン採用試験の謎に迫る「好条件の求人」など、四作品を収録した連作短篇推理小説。
刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのかー。京都府警捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。文庫書き下ろし。
「ボカロを探して2000年」女子高生ゆあの前に妙な男が机の引き出しから現れた!「底辺Pのぼくが文豪になるまで」ボカロPのはしくれの僕、突然ボカロ小説を出すことになりました。「ボカロは衰退しました。」場末のスナックに懐かしいあの娘がいましたー。「オワコン先輩」細くて狭い通りで偶然、先輩に会いましたが…。ボカロ愛に満ちあふれた作家・石沢克宜が紡ぐ渾身の4編!!
切ない話、不思議な話、心あたたまる話ー現在から過去、未来、はたまた“物語”の中など、さまざまな世界を舞台とした連作集。国道四号線に突然現れたゾウに慌てる人々、五年前に別れたときの姿のままの妻子の正体、無愛想なジェフじいさんと皆に愛されるロボットとの交流の行方、母が戻らないときにだけ開けるよう渡された封筒の中身等、十五のショートストーリーが詰まった「箱庭旅団」シリーズ第二弾。
大手電機メーカーをある事情で退職したエンジニア・野口陽子は、存続が危ぶまれる東北の三流大学に非常勤講師として招かれた。彼女に課せられた使命は「ソーラーカー」を作り、レースに出て大学の知名度を上げること。しかし集まった学生は落ちこぼればかりで資金も技術も足りない。一流大学や大企業チームとの圧倒的実力差、そして震災…。あらゆる逆境を跳ね返すべく、彼女たちの挑戦が始まった。
いったい何を、どれほど失えば、この身は一人前の武士になれるというのでありましょうやー武田信玄から「わが両眼の如き」とまで信頼されるようになった昌幸は、北條綱成、本多忠勝ら名だたる武将たちと槍を合わせ、功を挙げていく。しかし突然の信玄の死により、情勢は一変。そして織田軍との、運命の長篠の合戦が迫りつつあった…。かつてない激闘の中、昌幸が慟哭とともに得た覚悟と信念とは。
不思議な島に閉じ込められた男の子・もーちゃすと、コンチェル、ラザニア、ぱりぱりうめの3人の女の子。4人で力を合わせ、島から脱出するものの、奇妙なロボットに襲われ、再び島へ連れ戻されてしまいました。再びロボットから逃げ出した4人のうち、もーちゃすは大きな冷蔵庫へ隠れます。彼が深い眠りから目を覚ますと…そこはロボットが支配する200万年後の世界でしたー。
現役の住職でもある著者が紡ぐ傑作短編集。月刊誌『PHP』に掲載された作品の中から、感涙必至の珠玉の物語を抽出した。