出版社 : PHP研究所
刑事だった父は、本当に冤罪を生んだのかー。京都府警捜査一課の川上祐介は、妻を殺したと自白しながら、黙秘に転じた被疑者に手を焼いていた。そこへ、京都地検から「不起訴」の連絡が届く。それを決めた担当検事は、父が違法捜査を疑われて失職した際に別の家の養子となった弟の真佐人だった。不起訴に怒る祐介に、真佐人は意外な一言を返す。刑事と検事の信念がぶつかる連作ミステリー。文庫書き下ろし。
「ボカロを探して2000年」女子高生ゆあの前に妙な男が机の引き出しから現れた!「底辺Pのぼくが文豪になるまで」ボカロPのはしくれの僕、突然ボカロ小説を出すことになりました。「ボカロは衰退しました。」場末のスナックに懐かしいあの娘がいましたー。「オワコン先輩」細くて狭い通りで偶然、先輩に会いましたが…。ボカロ愛に満ちあふれた作家・石沢克宜が紡ぐ渾身の4編!!
ペンネームに「動物」がひっそりと隠れた作家が紡ぐ「動物」をテーマにした物語。嵐の夜に海からやってきた羊や、男子大学生の心を惑わせる鹿、偽占い師がさがしている兎、なぜか体中が傷だらけの鶏、関西弁で事件を解決する馬など、“アニマルな作家”たちによる異色の競演。
切ない話、不思議な話、心あたたまる話ー現在から過去、未来、はたまた“物語”の中など、さまざまな世界を舞台とした連作集。国道四号線に突然現れたゾウに慌てる人々、五年前に別れたときの姿のままの妻子の正体、無愛想なジェフじいさんと皆に愛されるロボットとの交流の行方、母が戻らないときにだけ開けるよう渡された封筒の中身等、十五のショートストーリーが詰まった「箱庭旅団」シリーズ第二弾。
江戸時代から続く質屋・結城屋で祖母と二人暮らしの円は、美術学部に通う少しおせっかいな女子大生。結城屋の女性には代々不思議な力があり、円にも物に刻まれた記憶(メモリー)を感じることができる能力があった。ある日、質草のネックレスから不穏な記憶を感じ取った円は、持ち主の女性の家へ駆けつけるが…。「記憶」をヒントに事件の真相を解き明かす、感動の連作ミステリー。
大手電機メーカーをある事情で退職したエンジニア・野口陽子は、存続が危ぶまれる東北の三流大学に非常勤講師として招かれた。彼女に課せられた使命は「ソーラーカー」を作り、レースに出て大学の知名度を上げること。しかし集まった学生は落ちこぼればかりで資金も技術も足りない。一流大学や大企業チームとの圧倒的実力差、そして震災…。あらゆる逆境を跳ね返すべく、彼女たちの挑戦が始まった。
のちに「稀代の謀将」「表裏比興の者」と呼ばれる武将の、若き日の純粋で清冽な姿とはー。真田幸隆の三男として生まれ、わずか七歳で武田家の人質となった源五郎(真田昌幸)。彼はその才を武田晴信(信玄)に見出され、その弟・信繁からも目を掛けられるようになっていた。しかし初陣となる川中島の合戦は、昌幸の想像を遙かに超える壮絶なものであった…。昌幸の生涯を渾身の筆致で描く感動の歴史巨編。
いったい何を、どれほど失えば、この身は一人前の武士になれるというのでありましょうやー武田信玄から「わが両眼の如き」とまで信頼されるようになった昌幸は、北條綱成、本多忠勝ら名だたる武将たちと槍を合わせ、功を挙げていく。しかし突然の信玄の死により、情勢は一変。そして織田軍との、運命の長篠の合戦が迫りつつあった…。かつてない激闘の中、昌幸が慟哭とともに得た覚悟と信念とは。
一年前、ぼくは殺されたー幽霊となった森下均は、連続殺人犯を追って沖縄へ。一方、凛花は京都市役所を辞め、恋人とともに那覇を訪れるが、結婚をすべきか決断しきれずにいる。そんな中、鎌倉で出会った鬼を見ることができる少女・暁奈々を見かけた凛花は、心霊相談課(通称GPS)の元同僚、大吉を呼び出す。さらに鎌倉での事件の黒幕・笛吹玄心も沖縄にいるとわかり…。GPSシリーズ第3弾。
不思議な島に閉じ込められた男の子・もーちゃすと、コンチェル、ラザニア、ぱりぱりうめの3人の女の子。4人で力を合わせ、島から脱出するものの、奇妙なロボットに襲われ、再び島へ連れ戻されてしまいました。再びロボットから逃げ出した4人のうち、もーちゃすは大きな冷蔵庫へ隠れます。彼が深い眠りから目を覚ますと…そこはロボットが支配する200万年後の世界でしたー。
母の形見の裁縫鋏を手に取り、今日も仕事に精を出す。さあ、仕立てを始めましょう。「悪ノ大罪」ノベルシリーズ待望の第五弾!舞台はエヴィリオス地方のはるか東に位置する島国“蛇国”
蓮は、要塞国家トーキョーの中でも最強といわれる特殊警察部隊白狼・第十三番隊副隊長として、治安を守るために反政府過激テロ集団「紅椿」や「黒龍」と日夜戦っていた。そんなある日、紅椿の手によって襲撃された現場に駆けつけると、紅椿の主戦力である破壊兵器“からくり”と、“ヒト型からくり”が暴れていた。蓮は、ヒト型からくりの“椿”と対峙するが、戦闘中、それが幼き日に失った大切な少女・凛にそっくりであることに気づいてー。
織田信長に見出されて娘婿となり、その薫陶を受けて成長した蒲生氏郷。世界とわたり合うために天下統一を急ぐ信長の下、活躍を続ける氏郷だったが、長島一向一揆での惨劇を目にして心が大きく揺らぎ始めた。そして本能寺の変が…。茶人やキリシタンとしても知られる氏郷には、その器量を畏れた秀吉が毒を盛ったとの説も。死の謎に迫るとともに、グローバルな視点から蒲生氏郷の人生を骨太の筆致で描く長編小説。