1977年発売
十五歳の娘を抱え夫に先立たれたジュリアは、打算の再婚に踏み切った。愛はなくともチョールフォント荘の女主人として過ごす日々は、隣人との抜き差しならぬ恋によって一変する。折も折ジュリアの夫が殺され、家庭内の事情は警察の知るところとなった。殺害の動機または機会を持つ者は、ことごとく容疑圏外に去ったかに見えたが……。終局まで予断を許さぬフレンチ警部活躍譚。
第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、そこで火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りをはじめた! リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』原作
一九〇五年に「十三号独房の問題」でデビューした奇妙な超人探偵《思考機械》は、本名をオーガスタス・S・ F・X・ヴァン・ドゥーゼンといい、哲学博士PH.D.、法学博士LL.D.、王立学会会員F.R.S.、医学博士M.D.、 そして歯科博士M.D.S.──肩書と名前とでアルファベットのほとんどを使ってしまうという驚くべき人物である。 この第一集には、不可能興味溢れる傑作十一編を収録。 ■収録作品 「《思考機械》調査に乗り出す」 「謎の凶器」 「焔をあげる幽霊」 「情報洩れ」 「余分の指」 「ルーベンス盗難事件」 「水晶占い師」 「茶色の上着」 「消えた首飾り」 「完全なアリバイ」 「赤い糸」
はしがき ハックルベリー・フィンの冒険 (上) 第一章 ハックの教育──ミス・ワトソン──トム・ソーヤーの呼ぶ声 第二章 ジムをかつぐ──トム・ソーヤーの一味──周到な計画 第三章 こってりしぼられる──お祈りの効きめ──「トム・ソーヤーのうそっぱち」 第四章 ハックと判事──迷信 第五章 ハックの父親──やさしい親──改心 第六章 サッチャー判事に訴える──ハック脱出を決意──おやじの政治論──大あばれ 第七章 待ち伏せ──閉じ込められて──死体を沈める──ひと休み 第八章 森の一夜──死体を浮き上がらす──島の探検──ジムに出会う──ジムの脱走──前兆──バラム 第九章 ほら穴──流れてきた家 第十章 獲物──ハンク・バンカーじいさん──変装 第十一章 ハックとおかみさん──捜索──言いのがれ──ゴーシェンへ 第十二章 ゆっくり下る──品物の借り方──難破船に乗りこむ──悪人のたくらみ──ボートを探す 第十三章 難破船を脱出──見張り人──沈没 第十四章 のんきな暮らし──ハーレム──フランス語 第十五章 ハック筏を見失う──霧の中で──ハック筏を見つける──ごみくず 第十六章 期待──うそも方便──ぬれ手であわ──ケーロを通りすぎる──泳いで岸に上がる 第十七章 夜の訪問──アーカンソーの農場──室内装飾──スティーヴン・ダウリング・ボッツ──あふれ出る詩行 第十八章 グレンジャーフォード大佐──上流階級──怨恨──聖書──筏を取り返す──薪の山──ブタ肉とキャベツ 第十九章 昼間はかくれて──星の誕生──禁酒集会を開く──ブリッジウォーター公爵──王様の苦労 第二十章 ハックの説明──作戦を練る──野外集会でひと仕事──野外集会の海賊──公爵の印刷屋 第二十一章 剣劇の練習──ハムレットの独白──町をうろつく──だらけた町──ボッグズおやじ──死 第二十二章 シャーバン──サーカス見物──リングの興奮──戦慄の悲劇 第二十三章 一杯くわされて──王様くらべ──ジムのホームシック 訳 注
横領、強盗、殺人…こんなたぐいの犯罪は一般の警察にまかせておけばよい。わが特殊警察の任務はただひとつー人間が作り出す平和の虚妄性を痛烈な皮肉をこめて描く表題作。男っぽく言葉づかいのぞんざいだった妻が一夜あけるとすっかりしとやかな女になっていたー軽妙なタッチで医学の進歩の盲点を衝いた『月曜日の異変』。ほかに、『老人と孫』『テレビシート加工』など全10編。
丸顔の、いかにも美食家然とした風貌の蔭に、鋭い直感力を秘めた犯罪捜査部顧問レジー・フォーチュン──クロフツ、クリスティと同年にデビューを飾った巨匠H・C・ベイリーの生み出したこの名探偵は、ホームズ時代の古き良き香りを残しながら、社会に向ける眼差しに新しい時代を感じさせ、来るべき風潮を予知する先取の才能をも秘めていた。「聖なる泉」等、傑作七編を収録する。