1987年発売
〈近づく男たちを、次々と妖気で狂わせる眠れる美女鬼奈村典子とは何者なのか?〉文成仙吉は救出した典子を守り抜く決意を固め隠れ家に匿った。一方、御子神冴子と氷室犬千代の両者から典子の秘密を探るように依頼された精神ダイバー毒島獣太は、報酬として冴子の肉体を要求した。ここに熾烈な典子争奪戦が開始されることとなった…。文成を狙う犬千代との鬼気迫る死闘!典子に取り憑いた鬼道とは?女王卑弥呼が持っていた力とは?また蓬莱山の黄金とは?謎が謎を呼び、妖気と戦慄を満載して人気絶好調の著者が贈る興奮小説〈サイコダイバー・シリーズ〉第9弾『魍魎の女王』ここに完結!
夜も更けた頃、弓木俊郎は盛装し、息子の雅彦に金策に出かけると告げて、2度と戻らなかった。父の失踪の原因を必死で探る雅彦の前に、やがて迷宮入りとなった20年前の8000万強奪事件が浮かび上がってきた…。“1台の車と3人の人間の瞬間消失という、とびきりの謎を持って幕が開くこの作品には、本格推理小説の論理の骨格と、瑞々しい青春の息吹が通っている…二転三転するストーリーは起伏に富み、最後まで予断を許さない”と森村誠一氏も激賞した著者会心の本格推理!
明治1年3月、隊長相楽総三以下赤報隊の隊士9名は、なぜか偽官軍とされ、下諏訪で斬首刑に処せられた。が、斬首直前、叶弦三郎は追手を振りきり逃走した。そして明治6年。仕込杖を携えた1人の人力車夫が、新政府の要人暗殺を重ねていた。復讐に燃える弦三郎である。最後の標的は岩倉具視。が、暗殺計画を察知した新設警視庁の大警視川路利良は、大包囲網を敷いた…。時代小説にハードボイルドの手法を持ち込み、遅れてきた剣の達人を描く異色傑作!
前篇の好評が偽作を生み、10年後にそれを正すべく書かれた後篇。前篇を読んだ人物が次々と登場する。みたび、世の不正をただすため、また魔法をかけられた魂の思い姫ドゥルシネーアを救うため、騎士道・従士道の本分をつくすべく旅に出るドン・キホーテとサンチョ・パンサ。彼らを連れ戻す役割を担った鏡の騎士(森の騎士)、思慮深き紳士らとの遭遇。そしてライオンとの対決、謎の洞窟モンテシーノスへの探検など、数々の冒険がくりひろげられる。
筋骨たくましい犯罪常習者、それがフレディだ。ひと仕事しようとカリフォルニアからマイアミに着いた日に、さっそく空港で若い男の命を奪ってしまう。ホテルの部屋に呼んだ娼婦は、幼いといっていい女子大生で、気の合ったふたりは同棲をはじめる。さあ、腰をすえて稼いでやるぞ…。そんなフレディを追うのは、孤独な中年の刑事ホウクだった。
ライフル銃をかまえたポール・ニキストは、照準器のなかに州知事の姿をとらえた。引き金にかけた指の力を加えていった。銃声がとどろき、州知事が倒れる。だが…事態はポールの予想もしない方向へ進んでいった!マット・ヘルム・シリーズでおなじみのハードボイルド作家ドナルド・ハミルトンが、筆の冴えを遺憾なく発揮した傑作サスペンス。
地球帝国情報局員カーギルのもとに現れた、妹ジュリ。6年前カーギルを裏切り、妹と結婚して以来、消息不明だったかっての同僚ラカール・センサーが、ひとり娘を連れて失踪したという。事件の影に、帝国の“闘争なき支配”に叛旗をひるがえす一団があった…。赤い陽光に照らされた惑星ウルフを舞台に、カーギルの終わりなき追跡行が幕を上げる。
本書はアメリカの人気SF雑誌〈ギャラクシー〉創刊30周年を記念して刊行された、ファン注目の記念碑的短編集の上巻である。編者はかつて2代目編集長を務めた作家フレデリック・ポール、フリッツ・ライバー、ロバート・シェクリー、コードウェナー・スミス、アルジス・バドリスなどの一流作家の作品を発表年代順に収録し、それぞれの著者による〈ギャラクシー〉誌にまつわる覚書を添えた。
大富豪で病気療養中の富島英太郎には、妻のほかに2人の愛人がおり、それぞれに子供もいた。彼の財産の行方を記してある遺言書の内容は、関係者の誰もが知りたいところだが、それを届ける途中の列車内で、弁護士は殺され、奪われてしまった。その後、遺言書の写しと思われるものが、愛人の1人の友人である二階堂日美子の手に入った。日美子は夫を警部に持ち、タロット占いでは評判が高い。その遺言書は0から9までの数字とJRの急行の愛称が列記された暗号で、日美子は得意のタロット占いを併用して解読にかかったが、その間に正妻をはじめ3人が殺害された…!-人気推理作家が放つタロット日美子シリーズの最新作!
パンティストッキングとパンティのゴムの部分から弓削は手さきを押し入れた。固いゴムのその部分をひろげるようにして、さらに深く手をくぐらせる。「あ、いやっ」千賀子は身じろぎするように机に伏せた華奢な上体をゆさぶるようにしたが、弓削はかまわずさらに手首までを、彼女の下着のなかにくぐらせる。なめらかなすこしひんやりした千賀子のお尻の肉を、彼はじかにつかみ、その双の小山の張りと弾力を手の平で実感した。ぴっちりとガードされた下着の中で手を自在に動かすのはむずかしく、さらにスカートはタイトなので、指を秘部に使う充分のゆとりがない。だが、そのきつく窮屈な愛撫が、かえって刺戟的である。弓削は、尻肉と尻肉の合わせ目に指を沈め、その淫靡な谷あいを指さきで辿った。-圧倒的な迫力、めくるめく情事の連続、長編企業官能小説!
私の所属する“組織”が何かを私は正確には知らない。知っていて忘れたのか、知らされていないのかも今となっては不明だ。私が知っているのは、その“組織”が時間を超越した存在であり、宇宙の時間と空間の秩序を混乱させる可能性を排除するために作用していることだった。未確認航路偏光物体クロウ、存在しているのに存在しない宇宙船の5人目の男、情報を食料とする生命体…etc。私は宇宙船に乗るエネルギー収支アナリストとしての活動の裏でこれらと激しく戦って来たのだ。そして今、ペルセウスの腕とオリオンの腕の中間の星系に奇妙な物体が現われた…。-ハードSFの鬼才堀晃の最新宇宙恐怖物語。
東亜銀行社長・矢口大助の娘芳枝と結婚した前沢真一郎は、45歳にして常務の椅子に坐り、権勢をほしいままにしていた。が、矢口が病気で倒れ会長に退いてから、反矢口派の勢力が強まり、前沢はBクラスの丸信百貨店に追いやられてしまう。取締役とは言え、アパレル部門担当とあっては全くの畑違いで腕の揮いようがない。〈おれもずいぶん軽く見られたもんだ〉…自暴自棄になった前沢は義父の愛人・奈保子との情事に耽ったり、深酒をしたりの日々を過ごしていた。そんな前沢に、業界誌を主宰する工藤甚六が近づいてきた。ライバルの極栄デパートの不正を暴いて叩きのめし、前沢に手柄を立てさせたいというのだ。前沢は一瞬、躊躇ったが…!-紳士の仮面をつけた狼たちの陰謀!著者渾身の企業バイオレンス!
頭が痛む。また、悶え苦しむ女が浮かぶ。叫んでいる、のたうっているではないか!女は全裸で…どうしたんだ?おれは声をかけた。女の出る悪夢と頭痛、これは明確に、あることのきざしである。助けてやらねばならない。が、そのまま目覚めずに、おれは奈落の底に落ちたように意識を失った。予知夢というのだそうだ。不可思議な能力を、おれは授かったものだ。京都の、由緒正しい神官の家に伝わる、その能力が、貧しい、駆け出しの役者のおれを、つき動かす。そしておれは「死にたくなかった女たち」の、その艶かしい軌跡にのめり込んで行き、事件を解明する。-乱歩賞受賞作家が、富豪の女を脇役に、奇妙な行動で探偵役を操る、ひと味ちがった連作長編ミステリー!
吉本興業の社長、吉本高行の邸宅新築披露パーティーが開かれたその晩。出席者の人気落語家、桂文珍が金庫室の中で殺された!目撃者はいない。誰がいったい何の目的で彼を殺したのか?パーティー出席者は、のりお、紳助、阪神、巨人、いくよ、くるよ、サブロー、シロー、そして社長の高行とその娘のあやこの10名。この中に犯人がいるはずなのだが…。今は芸能界を離れ、探偵事務所を営むかつてのお笑いタレント、明石家さんまが事件解決に乗り出した。ちょっと頼りない彼を補佐するのは助手のまんちゃんこと今井次郎。さんまとまんちゃん、この二人の行く手には数々の謎やアクシデントが待ち受けていた。本当に事件を解決できるのかって?それはゲームをやってみてのお楽しみ…。
俺の名は邦夫。熱血高校に通う硬派の一匹狼…。だが、そんな俺にも親友と呼べるヤツがいる。転校生の宏だ。その宏が、ある日番長連合のヤツらに誘拐されちまった。ヤツらの要求は、俺に番長連合の傘下にくだれというものだ。…いったいヤツらの狙いは?そして宏はどこに…?