1987年発売
第2次大戦中に日本近海で消息を絶った米海軍潜水艦『キャンドルフィッシュ』が、30年後、ハワイ沖に突如浮上した。同艦は、30年もの長い間海底に沈んでいたとは思えないほど新しく、しかも、乗組員の死体はどこにも見あたらない!同艦に何が起きたのか?なぜ、30年を経て浮上したのか?乗組員はどこに消えたのか?これらの謎を解決すべく、米海軍は、30年前の『キャンドルフィッシュ』の航海を再現する決定を下した!
ホワイトハウスに恐るべき脅迫電話がかかってきた。自分達は核爆弾を盗み出した、指定の時間内に合衆国がヨーロッパから核兵器を引き揚げねば、その爆弾でヨーロッパの一都市を破壊するというのだ。大統領はこの危機打開の総責任者に元CIA局員のゴードンを指名、ゴードンは犯人を追ってヨーロッパへ飛ぶ。また、事態を知ったソ連は異例の協力を申し出、KGBの情報員を派遣した。刻々と迫る爆破時刻ー果たして破局は回避なるか?
イタリアからフランス、ドイツへとゴードン達は必死の追跡をつづけた。しかし、常に犯人の方が一歩先んじていた。一方、米ソ双方の上層部内ではこの非常事態をめぐって各人の野心、思惑、相手国への不信が錯綜し、両国とも徐々に軍事警戒態勢を強化、ついには核戦争勃発の時が目前に…!以前ホワイトハウスの高官だった著者がみずからの体験と最新の軍事情報を駆使して描き上げ、全米で轟々たる話題を呼んだ超大型サスペンス!
熟しきった躰の疼きに、眩暈を覚える離婚妻たち。貞淑な母としての昼間の貌を、夜の帳とともに、かなぐり捨て、行きずりの男との、爛れた交わりに、別れた夫からは得られなかった、官能の悦楽を貪りつくす。もっと、もっとーと。囁きかける女の業に身を委ねながら…。
遠賀川流域の石炭を若松港まで運んだ五平太舟。その川筋船頭たちの生きざまを主人公惣吉を中心に、激動の幕末から近代明治20年代までの歴史を背景に描いた長編力作。義理と人情、そして仕事に命を懸けた男たちの壮絶な人生がそこには展開する。
伊集院浩子が湯島から失踪した。友人の島津絵里子が、SF研の仲間に相談しようと六本木の“ソラリス”に向かう乃木坂の裏道で、空から降ってきた男が残したダイイング・メッセージの謎を追うと、ふたつの事件が表参道でクロスする…。ファッショナブルストリートに展開する、ザ・デイミステリー・イン・TOKYO!
夢か幻か、はたまた妄想の産物か…。首のない男と女が激しくからみ合ったり、マンションのエレヴェーターが化けものだったり、週末のビジネス街に血の匂いがたちこめたり…。数多くの怪談・恐怖小説を、いとも楽しげに作り続ける著者が、趣向を凝らして読者を恐怖の淵に!
ヴァージニアの険しい峡谷に住む貧しい一家の長女、ヘヴン。自らの生と引きかえに実母を失った彼女は、呪われた子として父親に疎まれ、継母にはこき使われる。貧困と蔑視に耐え懸命に生きようとするが、身勝手な大人たちのためにヘヴンを含む5人の姉弟たちは散りぢりなってしまった。両親のエゴに翻弄される子供たち、そして彼らを待ちうける数奇な運命とは?好評『屋根裏部屋の花たち』の著者が贈る大河ホラーの集大成。待望の新シリーズ第1弾!
1942年8月、米メイン州のキャスコ湾に一隻のUボートが浮上した。乗員は米国人傭兵ジョン・ライカー率いる40名のドイツ軍決死部隊。彼らの任務はキャプテンズ島にある巨砲2門を乗っ取り、その砲で英国へ向かう米輸送船団を壊滅させるという破天荒なものだった。そうすれば、ドイツは全ヨーロッパを席捲できるーと。この大作戦は成功するのか。米アクション小説の俊鋭が満を持して放つ痛快無比、奇想天外な傑作戦争アクション!
後深草院の特異な愛情のもとに寵遇されながら、西園寺実兼・法助法親王らとの愛欲生活を綴った上巻から一転し、下巻は作者後半生の、女性として稀有な長途の旅を記す。宮廷生活に訣別して出家した作者二条は西行の修行を慕い、鎌倉をめざす東海道の旅を手始めに、信濃・奈良・伊勢・また中国路など、当時の貴族女性としては驚異的な規模で諸国を遍歴する。『蜻蛉日記』をしのぐ個性と凄絶な迫力あふれる、注目すべき女流文学作品。
神戸、六甲山の異人館で外国人宝石商の惨殺死体が発見され、ブラック・ファンタジーと名づけられた黒真珠が消失した。“黒真珠夫人”の真隅夫人、宝石デザイナーの忍田、美人ハウスキーパーの野川ほか、怪しい人物には必ずアリバイが…。名探偵五城秀樹の推理で鉄のアリバイが崩れ、恐るべき真相が明らかになる!
ピラミッド、ナスカ地上絵、極移動、ノストラダムス…世界のあらゆる超常現象を呑み込む「総門谷」とはいったい何か!?UFO目撃事件を発端に、仲間とともに敢然と謎に挑み、地球征服を企てる「悪」に立ち向かう者こそ、若き超能力者・霧神顕!「吉川文学新人賞」受賞作。噂の超時空伝奇巨篇!
風雪急を告げる中国大陸で、美しい亡命ロシヤ人の娘ソニヤと燃えるような恋に落ちた青年の夢は、“組織”の巨大な魔手によって無残にも打ち砕かれた。青年の手元に残ったのは黒龍江岸の崖に建つ古い碑から取った謎の碑文の拓本のみ。その秘密と失われた愛しい女性の跡を求めて、40年後、異国へ旅立った男は意外な人物と再会したのだった。壮大な長編小説。